日程

第11次(1993)内モンゴル自治区(呼和浩特)〜天津
神戸市・天津市友好都市提携20周年行事


 新たなスタート
 シルクロードを走るという石子路之会の目標は昨年(1992)の達成で一区切りついた。この年は石子路之会が新たな目標の向って動きだした年であった。そして、「集団走行の良さ」を再確認させてくれた年である。石子路の団員は13歳から70歳まで,職業もばらばらで看護婦・教師・大工・設計士・弁護士・主婦などあらゆる層の人がいて,全員が平等の精神で貫かれている。 さらに,競輪選手のようなプロからロードレーサーに乗るのは初めてという素人までいる。十人十色の団員が全員自分ができる分野で活躍し,お互いが助け合いの精神で励ましあい前向きに取り組んでいく,そんな素晴らしいサイクリングであった。

ひとりぼっちの大草原
 そのような中で,やっぱり一番思い出に残るのは,自転車で走っているときのことである。特に広大な内モンゴルの大草原を走っている時は,最高に気分が良かった。 その草原の中で1回だけ,前にも後ろにも誰も見えなくなり,一人で走っている状態になったときがあった。大自然の中に一人ぼっちになった不安な気持と,しかし,何か何とも言えない気持ちよさが体中を包んでいた。もう一度あの草原を一人で走ってみたいと今でも思うことがある。
 しかし,やはり1,000kmの長距離のサイクリングでは苦しいことの方が多かったように思う。特に省都「フフホト」から内モンゴルの草原に上がる急な坂道は悪路のうえ,どこまでも延々と続き,こんな道は自転車の通る道じゃないと思いながら,自転車に乗っては歩いて,歩いては乗っての繰り返しで,ひたすら登ったものである。「バスに乗ったら楽になるよ」という自分との誘惑と闘いながら。
 しばらく行くと,先導車とメンバーの多くが止まっているのが見えてきた。そして,近づくとみんなが拍手で迎えてくれ,しんどかった分本当に感激し,今までの苦労と疲れが一度に吹き飛んでしまった。 さらに,その先には突然にモンゴルの大草原が広がっていた。その何と広大なこと。呆然と立ち尽くし,その景色に見とれていた。
 とにかく楽しいサイクリングでした。モンゴルの住居のゲルに泊まったり,日本人が来たのは2回目(1回目は50年前の日本兵)という村の招待所に泊まったりしながら,自転車好きの素晴らしい人達と大自然と囲まれたとても充実した12日間の訪中であった。

友好都市天津市の訪問
 今回のサイクリングは神戸・天津友好都市提携20周年記念行事の一環として実施され、ゴールの天津市では熱烈な歓迎を受けた。

(三好 4,10〜12,19次訪中)

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