第16次（1998）貴州〜黄果樹・昆明〜麗江
「少数民族の里を訪ねて」

　8月12日、関西国際空港に一種異様な人たちが集った、総勢42人、その一人
一人が、少しの不安とただならぬ熱気を持っていた
そう！石子路之会第１６次訪中団の面々である
初参加の人は長い距離を走れるか？食事は？少し心配そう、あとの人はおなじみの顔を見つけ、これから起こるであろう
非日常の世界に胸躍らせていた　今回は少数民族との出会いどんな人々が・・そんな思いを乗せて旅立った

石子路には色々？があります
？　石子路はユニフォム以外に服が要りますか？　そう！表敬訪問用の服装です
男子は白のカッター紺のズボン、女子は白のブラウス紺・黒のスカート、ネクタイも
します
でもなぜか、足元はサンダルや中にはサイクルシューズ・・

貴州省は「太陽が貴い」との意味があり、曇りか雨が多いそうです、実際、空港に着
くなり雨の歓迎、走行中も曇天でした

？　石子路では必ずと言っていいほど雨に遭います、雨具は？
雨具は人それぞれ、中には手作りの人も。ビニールのゴミ袋を穴を開けて被る方法も・・

初日から急坂！団員は喘ぎながら上り、歓声を上げながら下りました

？　石子路の旅は道は良いの？
１６次では全行程の６０％が高速道路でした、横道には乗用車やトラックの渋滞が、中国の皆様ありがとう＆ごめんなさい

二日目、坂を下ると温泉場のような町並みが、世界３位の水量を誇る黄果樹の滝です
轟々と流れる滝に驚きながら、吊橋を渡り、滝の裏を体験しました
その夜、苗族の民族舞踊を鑑賞、アクロバチックな笛の演奏や、恋する乙女の
歌など、煌びやかな衣装と美しい女性にウットリ！

？　石子路は全て自転車で移動ですか？
日程の都合上、バス移動があります。今回は約５３０キロ！自転車に乗るより疲れます
黄果樹から昆明へは１４時間、宿には深夜に到着です

いよいよ雲南省です
昆明から麗江まで５８０キロどんな自転車旅行になるやら

ラッシュアワーを避けるため早朝出発、いきなり前年に出来たばかりの高速道路
を使用させていただき走行

？石子路の自転車走行は楽しいですか？
とっても楽しいです！しかし、「坂」があります、日本ではそんなに長い坂を経験し
たことはありませんが
中国は何かスケールが違います、１０キロぐらいの延々と続く上り坂が何度も待ち構えてます

途中雨の中で昼食・結局その日は１６５キロ走行しました！　乾杯！

？石子路はどれくらいのペースで走るのですか？
大体先頭にペースメーカーがいて、時速１８，９〜２２キロぐらいです
坂になるともっとペースは落ちますが、でも、途中フリーランがあります
足に自信のある方や、自分がどれほど走れるのか知りたい方にはお待ちかね
だいたい１０キロぐらいを、自分のペースで走れます、飛ばす人は４０キロぐらい
出します

いよいよ山越えです、遥か下に、今、上ってきた道が見えます
喘ぎつつ、黙々とペダルを漕ぎます。つらいです！何でこんな辛い目に・・
でも、坂の頂上で団員の皆さんに「お疲れ、頑張ったね」と声を掛けられるとやり
遂げた達成感が溢れます

？石子路の夜は？
人間の才能というのは恐ろしいものがあります
自転車に乗って宿のある町に入った瞬間、もうコミニュケーションを取ってる人がいます
さんざん夕食を堪能した後、町に出てその店で大宴会

すごく大きい湖のほとりで写真を撮ったり、馬車に乗ったり、宿に着いた後は観光
したりなんと夕食後は卓球にビリヤードを楽しみました

？石子路はどんな所に泊りますか？
今回は広州の５星ホテルから地方都市の２星ホテル、そして恐怖の１星招待所まで
ありました
招待所に泊ったときはトイレの場所を確認しましょう、私の部屋はトイレの向いで夜中、
臭いで目が覚めました

いよいよ最終日です、小雨降る中、山道をフリーラン！昼食場所は小さい町、そこに
カラフルな格好の自転車の一団
たちまち人だかり、片言の中国語やボディランゲージでコミュニケーションを図ります
人懐っこい笑顔、澄んだ瞳、なぜか懐かしい気持ちに
ゴール２キロ前から班別に整列、ファイトコールのなか感動のゴール７３０キロを走
破しました

１６次の無事と成功を祝しての夕食後、納西族の民族舞踊を鑑賞、団員のピアノ演
奏や、手と手をつないでの
踊りなど素晴らしかったです、でも、なぜか美人のとなりには争う男性の姿が

今回、ゴールの麗江は世界遺産にも認定され、地震からたて直りつつありました
総体的には、坂が多い割には楽しめ、観光や、少数民族に出会え大満足でした。

何年か後、もう一緒に走ることが出来ない友の姿を求め、もう一度このルートを走りたいと思っています

（井田　和秀　15,16,19次訪中）