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第18次(2000)厦門〜福州
中国道路考《アモイ〜福州の道》


 中国全省自転車走破という壮大な夢の実現のため、今年は2回中国を走った。
 先ず、5月に未だ残っている福建省を塗りつぶすことになり、アモイ〜福州間310kmを3日間で走破した。
 福建省は華僑の故里、台湾に一番近く台湾資本が最大限に投資され、その金の力によって台中関係の平和が保たれているのである。現に、台湾からの観光客がたくさん来ていた。 “中国人不法入国、福建省より漂着”という新聞記事を目にする時、福建省は海外に出て働かざるを得ないように思っていたが、さにあらず、他の中国の風景と異なって大変豊かだと言うことをサイクリングを通して実感した。
 海外に出るのは、更なる豊かさを求めて出稼ぎに出る華僑の血であり、福建人気質なのではないだろうか。その豊かさの象徴として道路が印象に残った5年前に完成した国道324号線の立派さには驚いた。道路中央5mの分離帯、そこには芝生と花が植えられ、1km毎に、幅1mのそして高さが2mもある大きな大理石の角柱が建てられていて、その台座の上には、中国を象徴する【獅子】の像が乗っている。【獅子】の表情は全部違っていた。笑っているもの、怒っているもの、手を上げているもの、足を挙げているもの、様々である。その表情を見ながらのサイクリングは疲れを忘れさせてくれる程に楽しいものだった。
 その分離帯の外側は3車線道路、次に又、2m幅のグリーンベルト、その外側に自転車や馬車の専用道路、そしてパパイヤの街路樹が植えてあり、広い歩道があってビルが並んでいるのである。日本の主要国道1号線が未だに、片側1車線分離帯、歩道、街路樹も満足に無いのと比べて、何と言う違いであろうか。更にその国道と併設して、これまた立派な高速道路が完成しているのである。福州からアモイへ引き返すバスはこれを利用して3時間で到着した。

(楢崎 順章 4,68,10,1315,1720次訪中

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