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はじめに
21世紀になっていくつかエフェクター本が出版されるようになったのですが、 ロッキンfで育った私としては、まだちょっと満足していません。

私は立東社の「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」が今でも色々と参考になる 一番良い本と信じて疑わないのですが、中古価格が高騰する事を恐れて明言する事を避けてきました。

ただ、最近希望者が多ければ”復刊”させる事も可能だと言う事がわかったので、復刊のための応援コンテンツを作ろうと思ったのが今回の動機です。

たぶん著作権者が複数にわたる上に、立東社は倒産して”ロッキンf”の編集部も色々な出版社を渡り歩いているのでかなり難しいかもしれません。しかし、自作エフェクターブームの今だったら、復刊してもそれなりの部数がはけてペイするだろうし(オークションでかなり高額で取引されているようですし…)、優秀な電気/電子回路設計者を育てるという社会的意味も大きいのではないかと思います。

「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」とは
1970年代後半、雑誌「ロッキンF」でエフェクターの自作記事が連載されており自作エフェクターのブームが起こりました。当時「立東社」がそれらの記事をあつめて1979年に出版されたのが「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」です。その後、いくつか記事の入れ替えがあり1981年に「だれにもわかるエフェクター自作&操作術'81」として再度出版されて、'84〜'86の間に更に新しいバージョン(だれにもわかるエフェクター自作&操作術V3.0(85年?)、V3.1(87年?))が出版されました。それぞれのバージョンには当時のエフェクターの流行が反映されていて百花繚乱の趣を呈しています。

最近のエフェクター本やWebから入手した情報ではカバーしきれない設計サイドから見た部品の代用方法、回路を応用/改造する時の計算方法、調整方法、溢れんばかりに豊富な関連するアイディア等がかなりしっかりと掲載されています。
また基板パターンもついているためそのまま、プリント感光基板も作れますし、回路図から基板レイアウトする時の参考にもなります。


復刊リクエストのお願いm(__)m
上記主旨にご理解いただける方、および内容に興味がわいた方、是非とも復刊リクエストお願いします。m(__)m

復刊リクエストはこちらから↓
だれにもわかるエフェクター自作&操作術 Ver3.1 復刊リクエスト
絶版本を投票で復刊!


「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」(79年度版)
NAME:「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」(79年度版)
COMMENT:ちょうどOP-AMPが普及する時期に重なった頃で、消費電流や電源電圧の関係から 電池一個で動かすエフェクター以外にもAC電源等を使った物が多く見られます。
ただ、当時のMXRのインパクトはかなり鮮烈でコピー記事に始まり、エフェクターのコンパクト化に対するはしりが見られます。また一方で当時流行ったラックマウントシステムに対するアプローチもあります。


Project Title
コメント等
Project 1ヘッドフォン・アダプター
1入力4出力のパッシブパラボックス
Project 2フット・スイッチ・ボックス
SEND RCV付きの2chスイッチボックス
Project 3デュアル・パワー・ユニット
3端子レギュレータを使った+9V、±9V、±15Vのレギュレーター
Project 4FETパラ・ボックス
FET1石ソースフォロアを使った2出力パラボックス
Project 5クォーツ・チューナー
水晶を使って440Hzまたは880Hzを発振するオシレータ
Project 6ディストーション-X
MXRディストーション+類似の回路
Project 7C-MOSドライバー
OP-AMPで増幅してC-MOS(14049)で更に増幅するエレハモHot Tube(旧)系のオーバードライブ
Project 8マルチ・サスティナー
OP-AMP+FETで作ったコンプレッサーにC-MOS(4049)オーバードライブを追加した回路、COMP、Soft Distortion切り替え機能付き
Project 9ドクター・コンプレッサー
MXRダイナコンプ類似の回路
Project10ノイズ・ゲート
VCA(3080)を使ったノイズゲート
Project11リング・モジュレーター
平衡変調IC(LM1496)を使ったリングモジュレータ
ST-75トランスとゲルマダイオード使ったミニ・リング・モジュレータの回路もある。
Project12オクターブ・ボックス
1/2、1/4の音程を混ぜられるオクターバー
Project13ロッキンVCF
フォトカップラーを使ったステートバリアブルフィルターでミュートロンみたいな様々な動作をするオートワウ(AC電源仕様)
Project14トーキング・モジュレーター
トランペットスピーカーのドライバーを使ったトーキングモジュレータ
ヒーローの長沢博行が作ったトーキングモジュレータ付き
Project15パラメトリック・イコライザー
ステートバリアブルフィルターを使って、LP、BP、HP出力を同時に得て出力をMIX
Project16グラフィック・イコライザー
7バンドイコライザー、最高音のバンドはシェルビングタイプ
Project17フェイズ・シフター
FETを使った4段フェイザー
Project18ステレオ・フランジャー
MN3001を使ったステレオ入力、ステレオ出力フランジャー(遅延回路は1chのみ)
Project19ヴォーカル・フランジャー
MN3006を使ったフランジャー、制御回路が豊富で12個(゚O゚;もつまみが付いている
Project20BBDアナログ・エコー
MN3005を使ったアナログディレイ(AC電源仕様)
Project21ステレオ・リバーブ
リバーブタンクを2台使用したステレオ・リバーブ
3000円前後で作れるステレオ・スプリング・リバーブ付き(AC電源仕様)
Project22ステレオ・ボックス
フォトカップラーをつかったオートパンポット
Project23フライング・パンポット
松下の専用IC(AN829)を使った波形コントロール付きオートパンポット(AC電源仕様)
Project24Σ2チャンネル・ミキサー
OP-AMPを使った正相、反転出力つき2チャンネル・ミキサー
Project25Σ4チャンネル・ミキサー
4chミキサー(AC電源仕様)
Project26本格的録音用6chミキサー
各chにSND/RCV、4ch分にEQ、パンチインパンチアウトのセレクター付き(AC電源仕様)
Project27アナログ・シーケンサー
1ch8ステップのアナログシーケンサー(AC電源仕様)
Project28ICミニギターアンプ
OP-AMPによるプリアンプ+EQの出力をLM380で増幅
LM380を使ったスモーキーアンプ風の回路有り。
Project29ラック・マウント・プリアンプ
3chパラメトリック・イコライザー+フォトカップラーによるリミッター+C-MOSオーバードライブによる入力回路(どことなくVestaのJ-Tの仕様を感じさせる)1Uラック・マウント・プリアンプ(AC電源仕様)
Project30200Wパワー・アンプ
サンケンのダーリントンTrを使用した100W、2chアンプ(AC電源仕様)
Project31FETブースター
アレンビックストラトブラスターのコピー
Project32ICトーン・コントローラー
シェルビングタイプのバス、トレブルがついたギター内蔵用プリアンプ
反転出力、正転出力の2種類の作例がある。
Project33ギター・トランスミッター
2石FMトランスミッター

その他にも

といった内容です。

「だれにもわかるエフェクター自作&操作術'81」
NAME:「だれにもわかるエフェクター自作&操作術'81」
COMMENT:YMOブームの頃でヴォコーダー、ドラムシンセ、ギターシンセなどのシンセ系の作例が増えています。またEEWのシステムや高中正義のシステムなどノックダウン+αの記事もあります。


Project Title
コメント等
Project 1ロッキン・ヴォコーダー
NE570をVCAに使った10バンドヴォコーダー(AC電源仕様)
Project 2SYNTHESIZER DRUM
LM3900、3080を使った4chドラムシンセサイザー(AC電源仕様)
Project 3マイクロ・ギター・シンセサイザー
4046をVCOに使ったギターシンセサイザー、
Project 4DIGITAL SEQUENCER
RAM(5101)を使用したディジタルシーケンサー、最大256音のシーケンス可能(^◇^;)通称ドクター・メロディー”DM-55!!”
Project 5シーケンス・プログラマー
RAM(5101)を使用して上記のDM-55に記憶したフレーズを再生するための128小節プログラマ通称”PM-55!!”
Project 6エフェクター・プログラマー
4ループ、4パッチのエフェクター・プログラマー
Project 7ディストーション-X
79年度版参照
Project 8オレンジ・クラッシュ
ダン・アームストロングのオレンジ・スクイーザーのコピー
Project 9ドクター・コンプレッサー
79年度版参照
Project 10C-MOSドライバー
79年度版参照
Project 11マルチ・サスティナー
79年度版参照
Project12ノイズ・ゲート
79年度版参照
Project13ロッキンVCA
3080を使ったエンベロープ・モディファイアー
BOSSのスローギアみたいなヴァイオリン奏法を自動でするエフェクター
Project14ステレオ・ボックス
79年度版参照
Project15フライング・パンポット
79年度版参照
Project16マルチ・フランジャー
79年度版ヴォーカル・フランジャーをMN3009、MN3101を使って、組み直した回路、やっぱり12個(゚O゚;もつまみが付いている。
Project17コーラス・フランジャー
MN3007を使ってディレイタイムをコーラスに使える位まで延ばしたフランジャー
Project18フェイズ・シフター
当時売っていたイシバシのFETを使った4段フェイズシフタのキットを使ったフェイザー
Project19BBDアナログ・エコー
79年度版参照
Project20パラメトリック・イコライザー
ステートバリアブルフィルターを使ってミドルレンジのFrequency、Width、Boost/Cutを可変するタイプのパラメトリック・イコライザー
Project21グラフィック・イコライザー
6バンドイコライザー、今回のは電池1本で動作させるタイプ
Project22ロッキンVCF
79年度版参照
Project23トーキング・モジュレーター
今回はフットスイッチタイプのボックスに作り込んだタイプ
Project24リング・モジュレーター
79年度版参照
Project25オクターブ・ボックス
79年度版参照
Project26Aストロボ・チューナー
LEDの光の流れで二つのピッチを比較する装置。Project26Bクロマチック・オシレーターと同時に使ってチューニングメーターになる
Project26Bクロマチック・オシレーター
062を使ったクロマチック・オシレーター、スピーカー付き
Project27Σ2チャンネル・ミキサー
79年度版参照
Project28本格的録音用6chミキサー
79年度版参照
Project29ステージ用8chミキサー
各Ch CUE送り付き、3bandステレオEQ付きのラインミキサー
あのP-MODELのリクエストで作ったという曰く付き
Project30ICミニギターアンプ
79年度版参照
Project31ラック・マウント・プリアンプ
79年度版参照
Project32200Wパワー・アンプ
79年度版参照
Project33FETブースター
79年度版参照
Project34ICトーン・コントローラー
79年度版参照
Project35dbfノイズ・リダクション
NE570を使って、ダイナミックレンジの圧縮、拡張を行う装置。
間にテープ・デッキを挟んで、テープデッキのダイナミックレンジの拡張を行うdbxみたいな装置。
Project36ミニ・リング・モジュレーター
PLL IC LM565を使ったリングモジュレータ
Project37ミニ・ノイズ・ゲート
スケルチ用IC LM370を使ったノイズゲート
Project38マイクロ・コンプレッサー
ミズホのVD-10と言うマイクロフォン・コンプレッサー・モジュールを使ったコンプレッサー
Project 39デュアル・パワー・ユニット
79年度版参照


以上のProject物とは別にEasy Craft Specialとして以下の小物を作っている。

  1. 簡単に作れて便利!アッテネーターの製作
    ライン→ギター用→マイク用のアッテネーター
  2. ES-345タイプバリトーン・ボックスの製作
    高周波用のチョークコイルを使ったバリトーン・ボックス
  3. 9Vアタッチメント用のレギュレータの製作
    78L09を使ったAC/DCアダプター
  4. 練習に不可欠!!電子メトロノームyの製作
    NE555を使った電子メトロノーム
  5. ヘッドフォン・アダプターの製作
    79年度版参照
  6. ノイズが激減!FETパラ・ボックスの製作
    79年度版参照
  7. システム・セレクターSWボックスの製作
    79年度版フット・スイッチ・ボックスと同じ
その他にも といった内容です。


「だれにもわかるエフェクター自作&操作術 V3.0」
Room246の方が、 ロッキンf別冊 エフェクター自作&操作術 VERSION3.0として、コンテンツをまとめていらっしゃっています。

'81との違いは、'81の「Project36以降のEASY CRAFT」が抜けて代わりに「4.NEO CRAFT」が 追加されたようです。



「だれにもわかるエフェクター自作&操作術 V3.1」
松美庵さんの自作エフェクター掲示板で、復刊する場合のバージョンについて問い合わせたところ"wolf"さんから非常に貴重な情報を得られました。
wolfさんから転載許可をいただけたので転載します。

とりあえず、自分の持っているVersion 3.1(87年?) と'81版とのdiff

- ミニ・リング・モジュレーター(Project36)
- ミニ・ノイズ・ゲート(Project37)
- マイクロ・コンプレッサー(Project38)
- デュアル・パワー・ユニット(Project39)

+ プリセッタブル・コーラス・フランジャー(Project17を電子スイッチ化 + コーラス・フランジャー各々ポットを用意し切り替え可)
+ チューブディストーション(所謂タケチャンマン)
+ スーパーオクターバー(積分+ExORを使用したUpOct.付き)
+ リングモジュレーターII(基本的には1496リング+ノイズゲート)
+ VCAステレオボックス(13600使用)
+ TCコピー・プリアンプ
+ A・B・Cシステム・セレクター(4066を使った3ループ)
+ CASIO SK-1にMIDIを付けよう

以上です

V3.0にCASIO「SK-1にMIDIを付けよう」が追加された感じでしょうか?
ただ、名前からしていくつかの誤記訂正がかかっているかもしれません。




同じように松美庵さんの自作エフェクター掲示板で、 "プノンぺん。"さんが目次をアップして下さいました。
プノンぺん。さんの転載許可をいただけたので転載します。
ロッキンf別冊 エフェクター自作&操作術 VERSION 3.1

ロッキンf別冊 エフェクター自作&操作術 VERSION 3.1
昭和62年9月10日 (株)立東社 発行

<ENJOY ELECTRONICS>
特別企画 エレクトロニクスと仲良くなる基礎講座
<SPECIAL>
このニュー・マシンがあればYMOもこわくない!
Project 1 ヴォコーダー
Project 2 エレクトロニック・ドラム
Project 3 マイクロ・ギター・シンセサイザー
Project 4 ディジタル・シーケンサー
Project 5 シーケンス・プログラマー
Project 6 エフェクター・プログラマー
<EFFECTOR>
ポピュラーなエフェクターの自作法をすべて収録!
Project 7 ディストーションX
Project 8 オレンジクラッシュ(スクイーザー)
Project 9 ドクター・コンプレッサー
Project 10 C-MOS ドライバー
Project 11 マルチ・サスティナー
Project 12 ノイズゲート
Project 13 ロッキンVCA(Envモディファイヤー)
Project 14 ステレオ・ボックス
Project 15 フライング・パンポット
Project 16 マルチ・フランジャー
Project 17 コーラス・フランジャー
Project 18 フェイズ・シフター
Project 19 BBDアナログ・エコー
Project 20 パラメトリック・イコライザー
Project 21 グラフィック・イコライザー
Project 22 ロッキンVCF(オートワウ)
Project 23 トーキング・モジュレーター
Project 24 リング・モジュレーター
Project 25 オクターブ・ボックス
Project 26A ストロボ・チューナー
Project 26B クロマチック・オシレーター

<AUDIO>
G・アンプから録音機材までプロフェッショナル!
Project 27 2ch・ミキサー
Project 28 本格的録音用6chミキサー
Project 29 8chライン・ミキサー
Project 30 ICミニ・ギター・アンプ
Project 31 ラック・マウント・プリアンプ
Project 32 200W パワー・アンプ
Project 33 FETブースター
Project 34 ICトーン・コントローラー
Project 35 dbfノイズ・リダクション

<NEO>
ミュージシャン志向の新感覚エフェクター集合!
Project 36 プリセッタブル・コーラス・フランジャー
Project 37 チューブ・ディストーション
Project 38 スーパー・オクターバー
Project 39 リング・モジュレーターII
Project 40 VCAステレオ・ボックス
Project 41 TCコピー・プリアンプ
Project 42 A・B・Cシステム・セレクター

<ELECTRONICS CIRCUIT 101>
盗みの美学 製作のアイデア源101半導体回路集

<HANDCRAFT SEMINAR>
CASIO SK-1にMIDIを付けよう




バージョンの違い
むかし、”エフェクター自作&操作術”を持っていたはずだけど、どのバージョンだったのか 記憶が定かではない場合があると思います。
そんな方に表紙の記憶でバージョンを見分ける方法なんぞを…

です。

最後に
まあ、「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」を私は持っているわけですが、「コピーしてくれ」等の個人的な相談はお断りしますのでご了承願います。


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Last Up Date '06/09/09