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■はじめに
21世紀になっていくつかエフェクター本が出版されるようになったのですが、
ロッキンfで育った私としては、まだちょっと満足していません。
私は立東社の「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」が今でも色々と参考になる
一番良い本と信じて疑わないのですが、中古価格が高騰する事を恐れて明言する事を避けてきました。
ただ、最近希望者が多ければ”復刊”させる事も可能だと言う事がわかったので、復刊のための応援コンテンツを作ろうと思ったのが今回の動機です。
たぶん著作権者が複数にわたる上に、立東社は倒産して”ロッキンf”の編集部も色々な出版社を渡り歩いているのでかなり難しいかもしれません。しかし、自作エフェクターブームの今だったら、復刊してもそれなりの部数がはけてペイするだろうし(オークションでかなり高額で取引されているようですし…)、優秀な電気/電子回路設計者を育てるという社会的意味も大きいのではないかと思います。
■「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」とは
1970年代後半、雑誌「ロッキンF」でエフェクターの自作記事が連載されており自作エフェクターのブームが起こりました。当時「立東社」がそれらの記事をあつめて1979年に出版されたのが「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」です。その後、いくつか記事の入れ替えがあり1981年に「だれにもわかるエフェクター自作&操作術'81」として再度出版されて、'84〜'86の間に更に新しいバージョン(だれにもわかるエフェクター自作&操作術V3.0(85年?)、V3.1(87年?))が出版されました。それぞれのバージョンには当時のエフェクターの流行が反映されていて百花繚乱の趣を呈しています。
最近のエフェクター本やWebから入手した情報ではカバーしきれない設計サイドから見た部品の代用方法、回路を応用/改造する時の計算方法、調整方法、溢れんばかりに豊富な関連するアイディア等がかなりしっかりと掲載されています。
また基板パターンもついているためそのまま、プリント感光基板も作れますし、回路図から基板レイアウトする時の参考にもなります。
■復刊リクエストのお願いm(__)m
上記主旨にご理解いただける方、および内容に興味がわいた方、是非とも復刊リクエストお願いします。m(__)m
復刊リクエストはこちらから↓
だれにもわかるエフェクター自作&操作術 Ver3.1 復刊リクエスト
■「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」(79年度版)
NAME:「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」(79年度版)
COMMENT:ちょうどOP-AMPが普及する時期に重なった頃で、消費電流や電源電圧の関係から
電池一個で動かすエフェクター以外にもAC電源等を使った物が多く見られます。
ただ、当時のMXRのインパクトはかなり鮮烈でコピー記事に始まり、エフェクターのコンパクト化に対するはしりが見られます。また一方で当時流行ったラックマウントシステムに対するアプローチもあります。
Project | Title |
コメント等 | |
Project 1 | ヘッドフォン・アダプター |
1入力4出力のパッシブパラボックス | |
Project 2 | フット・スイッチ・ボックス |
SEND RCV付きの2chスイッチボックス | |
Project 3 | デュアル・パワー・ユニット |
3端子レギュレータを使った+9V、±9V、±15Vのレギュレーター | |
Project 4 | FETパラ・ボックス |
FET1石ソースフォロアを使った2出力パラボックス | |
Project 5 | クォーツ・チューナー |
水晶を使って440Hzまたは880Hzを発振するオシレータ | |
Project 6 | ディストーション-X |
MXRディストーション+類似の回路 | |
Project 7 | C-MOSドライバー |
OP-AMPで増幅してC-MOS(14049)で更に増幅するエレハモHot Tube(旧)系のオーバードライブ | |
Project 8 | マルチ・サスティナー |
OP-AMP+FETで作ったコンプレッサーにC-MOS(4049)オーバードライブを追加した回路、COMP、Soft Distortion切り替え機能付き | |
Project 9 | ドクター・コンプレッサー |
MXRダイナコンプ類似の回路 | |
Project10 | ノイズ・ゲート |
VCA(3080)を使ったノイズゲート | |
Project11 | リング・モジュレーター |
平衡変調IC(LM1496)を使ったリングモジュレータ ST-75トランスとゲルマダイオード使ったミニ・リング・モジュレータの回路もある。 | |
Project12 | オクターブ・ボックス |
1/2、1/4の音程を混ぜられるオクターバー | |
Project13 | ロッキンVCF |
フォトカップラーを使ったステートバリアブルフィルターでミュートロンみたいな様々な動作をするオートワウ(AC電源仕様) | |
Project14 | トーキング・モジュレーター |
トランペットスピーカーのドライバーを使ったトーキングモジュレータ ヒーローの長沢博行が作ったトーキングモジュレータ付き | |
Project15 | パラメトリック・イコライザー |
ステートバリアブルフィルターを使って、LP、BP、HP出力を同時に得て出力をMIX | |
Project16 | グラフィック・イコライザー |
7バンドイコライザー、最高音のバンドはシェルビングタイプ | |
Project17 | フェイズ・シフター |
FETを使った4段フェイザー | |
Project18 | ステレオ・フランジャー |
MN3001を使ったステレオ入力、ステレオ出力フランジャー(遅延回路は1chのみ) | |
Project19 | ヴォーカル・フランジャー |
MN3006を使ったフランジャー、制御回路が豊富で12個(゚O゚;もつまみが付いている | |
Project20 | BBDアナログ・エコー |
MN3005を使ったアナログディレイ(AC電源仕様) | |
Project21 | ステレオ・リバーブ |
リバーブタンクを2台使用したステレオ・リバーブ 3000円前後で作れるステレオ・スプリング・リバーブ付き(AC電源仕様) | |
Project22 | ステレオ・ボックス |
フォトカップラーをつかったオートパンポット | |
Project23 | フライング・パンポット |
松下の専用IC(AN829)を使った波形コントロール付きオートパンポット(AC電源仕様) | |
Project24 | Σ2チャンネル・ミキサー |
OP-AMPを使った正相、反転出力つき2チャンネル・ミキサー | |
Project25 | Σ4チャンネル・ミキサー |
4chミキサー(AC電源仕様) | |
Project26 | 本格的録音用6chミキサー |
各chにSND/RCV、4ch分にEQ、パンチインパンチアウトのセレクター付き(AC電源仕様) | |
Project27 | アナログ・シーケンサー |
1ch8ステップのアナログシーケンサー(AC電源仕様) | |
Project28 | ICミニギターアンプ |
OP-AMPによるプリアンプ+EQの出力をLM380で増幅 LM380を使ったスモーキーアンプ風の回路有り。 | |
Project29 | ラック・マウント・プリアンプ |
3chパラメトリック・イコライザー+フォトカップラーによるリミッター+C-MOSオーバードライブによる入力回路(どことなくVestaのJ-Tの仕様を感じさせる)1Uラック・マウント・プリアンプ(AC電源仕様) | |
Project30 | 200Wパワー・アンプ |
サンケンのダーリントンTrを使用した100W、2chアンプ(AC電源仕様) | |
Project31 | FETブースター |
アレンビックストラトブラスターのコピー | |
Project32 | ICトーン・コントローラー |
シェルビングタイプのバス、トレブルがついたギター内蔵用プリアンプ 反転出力、正転出力の2種類の作例がある。 | |
Project33 | ギター・トランスミッター |
2石FMトランスミッター |
■「だれにもわかるエフェクター自作&操作術'81」
NAME:「だれにもわかるエフェクター自作&操作術'81」
COMMENT:YMOブームの頃でヴォコーダー、ドラムシンセ、ギターシンセなどのシンセ系の作例が増えています。またEEWのシステムや高中正義のシステムなどノックダウン+αの記事もあります。
Project | Title |
コメント等 | |
Project 1 | ロッキン・ヴォコーダー |
NE570をVCAに使った10バンドヴォコーダー(AC電源仕様) | |
Project 2 | SYNTHESIZER DRUM |
LM3900、3080を使った4chドラムシンセサイザー(AC電源仕様) | |
Project 3 | マイクロ・ギター・シンセサイザー |
4046をVCOに使ったギターシンセサイザー、 | |
Project 4 | DIGITAL SEQUENCER |
RAM(5101)を使用したディジタルシーケンサー、最大256音のシーケンス可能(^◇^;)通称ドクター・メロディー”DM-55!!” | |
Project 5 | シーケンス・プログラマー |
RAM(5101)を使用して上記のDM-55に記憶したフレーズを再生するための128小節プログラマ通称”PM-55!!” | |
Project 6 | エフェクター・プログラマー |
4ループ、4パッチのエフェクター・プログラマー | |
Project 7 | ディストーション-X |
79年度版参照 | |
Project 8 | オレンジ・クラッシュ |
ダン・アームストロングのオレンジ・スクイーザーのコピー | |
Project 9 | ドクター・コンプレッサー |
79年度版参照 | |
Project 10 | C-MOSドライバー |
79年度版参照 | |
Project 11 | マルチ・サスティナー |
79年度版参照 | |
Project12 | ノイズ・ゲート |
79年度版参照 | |
Project13 | ロッキンVCA |
3080を使ったエンベロープ・モディファイアー BOSSのスローギアみたいなヴァイオリン奏法を自動でするエフェクター | |
Project14 | ステレオ・ボックス |
79年度版参照 | |
Project15 | フライング・パンポット |
79年度版参照 | |
Project16 | マルチ・フランジャー |
79年度版ヴォーカル・フランジャーをMN3009、MN3101を使って、組み直した回路、やっぱり12個(゚O゚;もつまみが付いている。 | |
Project17 | コーラス・フランジャー |
MN3007を使ってディレイタイムをコーラスに使える位まで延ばしたフランジャー | |
Project18 | フェイズ・シフター |
当時売っていたイシバシのFETを使った4段フェイズシフタのキットを使ったフェイザー | |
Project19 | BBDアナログ・エコー |
79年度版参照 | |
Project20 | パラメトリック・イコライザー |
ステートバリアブルフィルターを使ってミドルレンジのFrequency、Width、Boost/Cutを可変するタイプのパラメトリック・イコライザー | |
Project21 | グラフィック・イコライザー |
6バンドイコライザー、今回のは電池1本で動作させるタイプ | |
Project22 | ロッキンVCF |
79年度版参照 | |
Project23 | トーキング・モジュレーター |
今回はフットスイッチタイプのボックスに作り込んだタイプ | |
Project24 | リング・モジュレーター |
79年度版参照 | |
Project25 | オクターブ・ボックス |
79年度版参照 | |
Project26A | ストロボ・チューナー |
LEDの光の流れで二つのピッチを比較する装置。Project26Bクロマチック・オシレーターと同時に使ってチューニングメーターになる | |
Project26B | クロマチック・オシレーター |
062を使ったクロマチック・オシレーター、スピーカー付き | |
Project27 | Σ2チャンネル・ミキサー |
79年度版参照 | |
Project28 | 本格的録音用6chミキサー |
79年度版参照 | |
Project29 | ステージ用8chミキサー |
各Ch CUE送り付き、3bandステレオEQ付きのラインミキサー あのP-MODELのリクエストで作ったという曰く付き | |
Project30 | ICミニギターアンプ |
79年度版参照 | |
Project31 | ラック・マウント・プリアンプ |
79年度版参照 | |
Project32 | 200Wパワー・アンプ |
79年度版参照 | |
Project33 | FETブースター |
79年度版参照 | |
Project34 | ICトーン・コントローラー |
79年度版参照 | |
Project35 | dbfノイズ・リダクション |
NE570を使って、ダイナミックレンジの圧縮、拡張を行う装置。 間にテープ・デッキを挟んで、テープデッキのダイナミックレンジの拡張を行うdbxみたいな装置。 | |
Project36 | ミニ・リング・モジュレーター |
PLL IC LM565を使ったリングモジュレータ | |
Project37 | ミニ・ノイズ・ゲート |
スケルチ用IC LM370を使ったノイズゲート | |
Project38 | マイクロ・コンプレッサー |
ミズホのVD-10と言うマイクロフォン・コンプレッサー・モジュールを使ったコンプレッサー | |
Project 39 | デュアル・パワー・ユニット |
79年度版参照 |
■「だれにもわかるエフェクター自作&操作術 V3.0」
Room246の方が、
ロッキンf別冊 エフェクター自作&操作術 VERSION3.0として、コンテンツをまとめていらっしゃっています。
'81との違いは、'81の「Project36以降のEASY CRAFT」が抜けて代わりに「4.NEO CRAFT」が
追加されたようです。
■「だれにもわかるエフェクター自作&操作術 V3.1」
松美庵さんの自作エフェクター掲示板で、復刊する場合のバージョンについて問い合わせたところ"wolf"さんから非常に貴重な情報を得られました。
wolfさんから転載許可をいただけたので転載します。
とりあえず、自分の持っているVersion 3.1(87年?) と'81版とのdiff - ミニ・リング・モジュレーター(Project36) - ミニ・ノイズ・ゲート(Project37) - マイクロ・コンプレッサー(Project38) - デュアル・パワー・ユニット(Project39) + プリセッタブル・コーラス・フランジャー(Project17を電子スイッチ化 + コーラス・フランジャー各々ポットを用意し切り替え可) + チューブディストーション(所謂タケチャンマン) + スーパーオクターバー(積分+ExORを使用したUpOct.付き) + リングモジュレーターII(基本的には1496リング+ノイズゲート) + VCAステレオボックス(13600使用) + TCコピー・プリアンプ + A・B・Cシステム・セレクター(4066を使った3ループ) + CASIO SK-1にMIDIを付けよう 以上です |
ロッキンf別冊 エフェクター自作&操作術 VERSION 3.1 昭和62年9月10日 (株)立東社 発行 <ENJOY ELECTRONICS> 特別企画 エレクトロニクスと仲良くなる基礎講座 <SPECIAL> このニュー・マシンがあればYMOもこわくない! Project 1 ヴォコーダー<EFFECTOR> ポピュラーなエフェクターの自作法をすべて収録! Project 7 ディストーションX <AUDIO> G・アンプから録音機材までプロフェッショナル! Project 27 2ch・ミキサー <NEO> ミュージシャン志向の新感覚エフェクター集合! Project 36 プリセッタブル・コーラス・フランジャー <ELECTRONICS CIRCUIT 101> 盗みの美学 製作のアイデア源101半導体回路集 <HANDCRAFT SEMINAR> CASIO SK-1にMIDIを付けよう |
■バージョンの違い
むかし、”エフェクター自作&操作術”を持っていたはずだけど、どのバージョンだったのか
記憶が定かではない場合があると思います。
そんな方に表紙の記憶でバージョンを見分ける方法なんぞを…
■最後に
まあ、「だれにもわかるエフェクター自作&操作術」を私は持っているわけですが、「コピーしてくれ」等の個人的な相談はお断りしますのでご了承願います。
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Last Up Date '06/09/09