「よ」の故事ことわざ                                                         

よい(はな)(あと)から 先走るものによいものはない。
すぐれたもの、りっぱなものは後から現れるということ。

始めに咲く花によいものはなく、美しい花は後から咲く意から。
「類句」大器晩成
「英語例」 The best is yet to come. (最上のものは未来に現れる) 
よく(およ)(もの)(おぼ) 人は、得意とすることではとかく自信過剰になるため、
かえって失敗を招くことがあるというたとえ。

泳ぎの達者な人は自分の力を過信するあまり、水をばかにして溺れることがある意で、
 「善く泳ぐ者は溺れ、善く騎る者は堕つ」から。
「類句」 泳ぎ上手は川で死ぬ 川立ちは川で果てる
「英語例」 Good swimmers at length are drowned. (泳ぎ上手もついには溺れる)
よく(まな)べよく(あそ) 立派な人間になるためには、勉強するときはしっかり勉強し、
遊ぶ時はとことん遊ぶべきだということ。

「英語」の All work and no play makes jack a dull boy.
    (勉強ばかりして遊ばない少年は愚鈍になる)から
()いうちから養生(ようじょう) 健康なうちからからだをいたわるのが、健康を保つ秘訣であるということ。
また、日ごろからの用心がよい結果を生むことのたとえ。
「類句」 転ばぬ先の杖
()(ざ」)めの(みず)甘露(かんろ)(あじ) 酔って眠り、のどが渇いて目覚めたときに飲む水は、
まるで甘露のようにおいしいということ。

「甘露」は中国の伝説で、王が仁政を行うと天から降るといわれた甘い水のこと
()いどれ怪我(けが)せず 酔っぱらいは、はたから見るとふらふらと足元が定まらず、危なげに見えるが、
案外怪我をしない。

人は、無心に何かやっているときは大きな失敗をしないものだというたとえ。
「英語例」 A drunken man seldom comes to harm. (酔っぱらいはめったに怪我をしない) 
(よい)()りの朝寝坊(あさねぼう) 夜更けまで起きていて、朝は遅くまで寝ていること。
また、それが習慣になっている人。

「朝寝坊の宵っ張り」とも言う。
「英語例」 Loath to bed and loath out of it.  (床に入るのも出るのも嫌い)
酔いに十の損あり 酒に酔って得することは一つもないということ。
「十」は十割、全部ということ。
「反対句」 酒に十の徳あり
宵寝朝起き長者の基 早寝早起きすることは、金持ちになる基本であるということ。
昔は灯火の油を節約するために、早寝をすすめたことから。
「類句」貧の宵張り長者の早起き 早起きは三文の徳
好い仲の小諍(こいさか) 仲が良すぎると遠慮がなくなって、かえって小さな争いが起こりやすいということ
「思う仲の小諍い」「思う余りの小諍い」「思う仲のつづり諍い」ともいう。
「類句」仲のよいで喧嘩する 
(よう)東西(とうざい)()わず 東洋・西洋の区別なく。 世界中どこでも
用に(かな)えば(たから)なり どんな物でも、いざというときに役立てば宝もののように貴重であるということ
用心は前にあり 失敗をしないように、事前に用心すべきであるということ。
「類句」転ばぬ先の杖 良いうちから養生
用心(ようじん)には(あみ)() 用心の上にも用心をせよということ
「用心には縄を張れ」とも言う。
「類句」念には念を入れよ 用心は臆病にせよ
用心(ようじん)臆病(おくびょう)にせよ 用心はしすぎるということはない
臆病なくらいに用心深くしてちょうどよいということ。
「類句」用心には網を張れ  浅い川も深く渡れ 
「英語例」 A man cannot be too wary.
用捨(ようしゃ)()(がい)五分(ごぶ)(そん) 相手を簡単に許したり、手加減したりすることは、
かえってお互いのためにならないということ。

「用捨」は「容赦」のこと。
「類句」情けが仇
養生(ようじょう)()()せる 健康に神経を使いすぎたり、病気になったときの費用を心配したりして、
かえって痩せてしまうということ
(ようや)佳境(かきょう)() 話や文章がしだいにおもしろいところへ入っていく。
また、だんだん興味が深まること
(よく)道連(みちづ) 欲につられてすることのたとえ。
「欲と二人連れ」ともいう
(よく)()(くら) 欲のために理性を失い、善悪の判断ができなくなる。
「欲に目見えず」ともいう。
「英語例」 Avarice blinds the eye. (欲は目を見えなくする)
欲の世の中 世の中の人はすべて欲のために動いているということ。
「欲の世の中、利の世界」と続けていうこともある。「欲の娑婆」ともいう
(よく)熊鷹(くまたか)(また)()くる あまり欲張りすぎると、ひどい目に遭うというたとえ。
「熊鷹」は鷲の一種の大きな鳥。 二頭の猪を掴んだ熊鷹が、必死で右に左に
逃げようとする猪を、欲にかられてどちらも放さなかったため、
その股が裂けてしまったという話から。
「類句」 蛇は口の裂くるを知らず
横紙(よこがみ)(やぶ) 自分の思い通りに無理を押し通そうとすること。
また、そういうことをする人

和紙の目は縦に通っているため横には破りにくいものなのに、それをむりやり横に破ることから。
「類句」横車を押す
横車(よこぐるま)() 自分の思い通りにしようと、道理を無視し、強引に事を押し通すたとえ
車は前か後ろに縦に押すものなのに、むりやり横に押すことから。
「類句」横紙破り
横手(よこて)() 感じ入ったり、はたと思い当たったりして、思わず手を打ち合わせる
「横手」は両方の手のひらを打ち合わせること
(よこ)(もの)(たて)にもしない 横のなっている物を縦に向きを変えることさえしないように、
めんどうくさがって、なにもしないたとえ

「縦のものを横にもしない」ともいう
横槍(よこやり)()れる 他人の話や仕事に、かたわらから口を出して文句をつけるたとえ
戦っている両軍以外の一隊が、横合いから槍で突きかかる意から。
「英語例」 to butt in (人の話や仕事に口出しする)
(よし)(ずい)から天井(てんじょう)(のぞ) 狭い見聞やあさはかな知恵で、大きな問題を論じたり、判断したりするたとえ
葦の茎の小さな穴を通して天井を覗いてみても、ごく一部分しか見えないことから。
「類句」管を以て天を窺う 貝殻で海を量る 
世の中は三日見ぬ()の桜かな 世の中の移り変わりの激しくてはかないことを、桜の花が
あっという間に散ってしまうことに掛けていったことば。

「類句」有為転変は世の習い
世の中は九分が十分 物事は、自分の思い通りにいかないものだ。
だから、望んでいたことの九分までかなったら、満足すべきだということ。

「英語例」 Near enough is good enough. (十分近いは十分) 
世の取り沙汰(さた)は人に言わせよ 世間の人は、何かにつけて噂話をしたがるもので、止めようとしても
止められないから、したい者には勝手にさせておくのがよいということ。

「類句」人の口には戸は立てられぬ
「英語例」 Let the world wag. (世間を進み生かしめよ)
世は相持ち 世の中は互いに助け合うことで成り立っているということ。
「相持ち」は助け合う。
「英語例」 Live and let live. (自分も生き、人も生かせよ)
世は回り持ち 金銭や幸運などは、かわるがわる誰にでも巡ってくるものであるということ。
「類句」天下は回り持ち 禍福は糾える縄の如し 塞翁が馬
夜鷹(よたか)(じき)だくみ 実現できそうもない分不相応な計画を立てること。
大きな計画を立てても実現できないことのたとえ。

夜鷹が餌をとろうと夜に飛び回っても、蚊のような獲物しかとれない。そこで、
今度は夜寝て昼間に大きな獲物をとろうと決心したが、とりあえず空腹を満たすために
いつものように夜飛び回り、結局、疲れきって寝てしまったという寓話から。
「夜鷹の宵だくみ」ともいう。
「類句」梟の宵だくみ
夜長ければ夢見る ものごとが長引くと、なにか事が起こったりして、
平穏なままでは終わらなくなるというたとえ

夜が長く睡眠時間が長引くと、夢を見てうなされるという意から
夜道に日は暮れぬ 遅くなって、夜になってしまった帰り道に日が暮れるなんてことはないのだから、
慌てることはない

遅くなりついでだから、時間を気にしないで、のんびりやろうということ
夜を日に継ぐ 夜昼の区別なく、ぶっ通しで事をするようす
夜を昼につなげて続けて事をする意から
(よど)む水には(ごみ)()まる ものごとが停滞すると活気がなくなり、人心が腐敗しやすくなるたとえ。
流れがとどこおる所にはゴミがたまりやすく、水も腐りやすい意から
(よめ)(しゅうとめ)になる 年月のたつのが早いこと。 また、人の境遇が早く変わることのたとえ
つい最近嫁に来たと思っていたら、もうその嫁が姑になっているという意から。
「嫁が姑」ともいう。
「類句」昨日は嫁、今日は姑  渋柿が熟柿に成り上がる 
(よめ)(しゅうとめ)(いぬ)(さる) 嫁と姑は、犬と猿のように仲の悪いものだということ 
嫁と姑も七十五日 嫁入りしてきた当座は、珍しさから嫁と姑もうまくいくが、
日が経つと仲が悪くなるということ。
また、最初はぎこちない関係でも日がたてば慣れるということ
嫁の朝立ち娘の夕立 嫁が実家に帰るときは、喜びいさんで朝早くに出かけるが、
娘が実家から嫁ぎ先に帰るときは、夕方になってからいやいや戻るということ
読み書き算用は世渡りの三芸 読むこと、書くこと、計算することの三つは、よの中で生活するために
必要な最低限の技術であるということ
 
読むより写せ ものを覚えるときは、ただ読むだけではなく、
一字一字書き写すのが効率的だということ

「類句」十読は一写に如かず 
寄らば大樹の陰 どうせ頼るなら、大きくて力のあるものに頼ったほうが安心できるし、
なにかと得だというたとえ

「英語例」 A good tree is a goodshelter. (立派な木はよい避難所である) 
予防(よぼう)治療(ちりょう)(まさ) 何か問題が起こってからをうまく処理することよりも、
問題が起こらないようにすることのほうが大事だということ

「英語例」 Preveention is the best cure.(予防が一番いい治療だ)
「類句」転ばぬ先の杖 
()ぶより(そし) 人に用があるときは、わざわざ呼びに行くより悪口を言ったほうが、
手っとり早く呼び寄せられるということ
 
(よろこ)んで尻餅(しりもち)をつく しめた、と喜んで有頂天になると、とたんに尻餅をつくなどして、
思わぬ失敗を招きがちなもの

喜んで得意になるのもほどほどにせよということ 
()れば()(くず) 少しでもよいものを選ぼうと欲をかいて、あれこれ迷うと、
かえって悪いものを選んでしまうということのたとえ。

「類句」 選んでかすを掴む
(よわ)くても相撲(すもう)() 専門家であれば、その道で評価されていなくても、素人よりは優れているという事のたとえ。
どんなに弱い相撲取りでも、普通の人に比べれば格段に強いことから。
「類句」芸は道によって賢し 餅は餅屋 海のことは漁師に問え
(よわ)()(たた)() 困っているときに、さらに困ったことや、災難が重なって起こることのたとえ
弱って頭をかかえているときに、神仏の祟りまで加わる意から。
「類句」泣きっ面に蜂 傷口に塩 痛む上に塩を塗る
「英語例」 Misfortunes never come singly. (不幸は単独では決してやってこない)