ふれあい文庫でてんやく絵本を作ってみたい方へ | |||
1. | てんやく絵本ってなあに? | ||
今から四半世紀前、見えない母親が見えるわが子と絵本を楽しみたいと思っても、利用できる絵本はほとんどありませんでした。そんな中で誕生したのがてんやく絵本です。このてんやく絵本とは透明な塩化ビニールシートに文章を点訳し、絵の部分も同じシートで形を切り抜き、絵本に直に貼り付けて、見える人と見えない人が一緒に楽しめるように工夫したものです。 てんやく絵本の利用者は年々多様化し、子育て中の視覚障害者だけでなく、視覚障害児がいる家庭での利用も増えてきました。さらには地域の読書活動に参加している視覚障害者、点字の読む練習を目的とした中途失明者の利用も増えてきています。 一方、点字の啓蒙という部分でも小中学校でてんやく絵本が教材として取り上げられることが多くなりましたし、大学の卒論のテーマとして取り上げた学生も何名かいます。 |
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2. | 点字をご存知ですか? | ||
てんやく絵本を作るためには、まず点字の基礎知識を身につける必要があります。そのためには地元で行われている点字の講習会を受講するか、どうしてもそれが無理な場合は、点字器やテキストを購入して独学で学ぶこともできます。ただし独学された場合は、ある時点で、点字に詳しい方の添削や、指導を受けることをお勧めします。 講習会に関する情報は広報などによく掲載されています。また、地元の社会福祉協議会や、ボランティアビューローなどでもその実施状況をつかんでいると思いますので、そちらにご相談ください。点字器やテキストの購入方法が分からない場合も上記の所か点字図書館にお尋ねください。 |
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3. | てんやく絵本を作るには | ||
点字には文字使いや分かち書きなど、さまざまな決まりがあります。それらの決まりを習得し、手紙程度の簡単な文章を正しく読み書きできるようになれば、てんやく絵本作りに取り組むことができます。 テキスト... てんやく絵本の作り方は、テキスト「点訳絵本のつくり方」(せせらぎ出版発行)と、DVD(ふれあい文庫発行、直販)で学ぶことができます。 テキストは、全国どこの書店でも購入できます。ビデオは、ふれあい文庫の直販になっています。詳しくは「図書の販売」のページをご覧ください。 テキストやビデオをお持ちの方につきましては、そのアフターケアとして、てんやく絵本の見本貸し出しを行っています。ご希望の方は電話かFAX、あるいは手紙でお申し込みください。 点字器... 点字器はレギュラータイプの木製の点字器でも、携帯用のプラスチック製点字器でも使用できます。ただし、長期的にてんやく絵本作りをなさる場合は、木製の点字器を使用されることをお勧めします。 透明なシート... 透明なシートは、扱っている業者によって厚さや材質、接着力などが違いますので、よく確かめててんやく絵本作りに適した物を選ぶ必要があります。詳しくはテキストをご覧ください。お近くで手に入りにくい場合は、ふれあい文庫でも販売しておりますのでご利用ください*)。最初のうちはどうしても無駄が出ますので、それを含めて1冊につき20枚程度必要になります。 *)てんやく絵本用シートの販売 2022年12月21日より、190mm×273mmのサイズで10枚600円(税込。送料無料)です。 2022年12月20日までは、190mm×273mmのサイズで10枚500円(税込。送料無料)です。 価格に関しては、「点訳シート 価格変更のご案内」を参照ください。 ご注文は下記口座にお願いします。なお、振替用紙の通信欄に品名(点訳シート)と数量を必ずお書き添えください。 振込先:郵便振替、00910−0−22479 |
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4. | 活動に参加するには | ||
ふれあい文庫では、図書室で貸し出しその他の業務を行う作業ボランティアと、てんやく絵本作りに取り組む点訳ボランティアを募集しています。ここでは点訳ボランティアについて説明します。 参加していただける方は点訳の基礎知識を習得されている方に限ります。基本的に郵送でやり取りしますので地域は問いません。なお絵本やシートなど、練習期間中にかかる費用はすべて自己負担となります。 |
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(1) | まず点字の習熟度を確認させていただくために、400字程度の点字文を送っていただきます。これは本や新聞などの点訳でもオリジナルメッセージでも、何でもけっこうです。それを見させていただいた上で、もう少し点字の勉強をしていただくか絵本に進んでいただくかを判断します。 | ||
(2) | 次にテキストやビデオをお持ちでない場合は、それらと合わせて点訳シートをご購入いただきます。それと同時に見本となるてんやく絵本を貸し出し、それを参考にしながら早速1冊作っていただきます。絵本はお手持ちのものがあれば、新たに購入する必要はありません。使用するシートは文庫で販売しているものに限ります。 | ||
(3) | 出来上がった絵本を文庫にお送りいただきます。こちらで一通り目を通し、必要と思われるところに具体的なアドバイスを書き添えてご返送します。 | ||
(4) | それを参考にして2冊目の点訳に取り組んでいただきます。2冊目は1冊目とは異なる形態の絵本を選んでいただきます。 | ||
(5) | この繰り返しで3冊程度練習していただきます。その時点で絶対にやってはいけないことと、最低やっていただきたいことがご理解いただけているかどうか判断します。 | ||
(6) | 不十分な場合は4冊目に取り組んでいただくこともありますが、練習が終了した時点で、文庫の点訳スタッフとして正式にご登録いただき、その後は文庫で用意した絵本とシートをお預けして点訳していただくことになります。 | ||
(7) | 絵本は3冊単位でお送りし、点訳期間は1冊につき1、2カ月程度で仕上げてくださるようお願いしています。完成したてんやく絵本は「点字郵便」として送料無料で文庫にご返送いただけます。 | ||
参加を希望される方は先に電話か手紙でご連絡くださるようお願いいたします。 | |||
ふれあい文庫の連絡先 | |||
〒550-0002 大阪市西区江戸堀1丁目25番35号 近商ビル2階 TEL/FAX (06) 6444-0133 電話によるお問い合わせは、年末年始および祝日を除く水曜から土曜までの、午後1時30分から4時30分までの間にお願いいたします。 |
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