Floyd Dixon/His Complete Aladdin Recordings
アルバム名 : Floyd Dixon/His Complete Aladdin Recordings
アルバム番号: Capitol CDP 8 36293 2
リリース国 : USA
リリース年月: 4/1996
メディア  : CD


Sonny Parker(vo) Walter Williams(tp) Al Grey(tb) Johnny Board(as) Gene Morris(ts) Floyd 
Dixon(p) Wes Montgomery(g) Roy Johnson(b) Ellis Bartee(dr)
                                               Radio Recorders, Los Angeles; Sep.7,1949
          Sonny's Blues              [2:52]                        

  "アラディン" というレーベルと契約していたのはソニー・パーカー ではなくフロイド・ディ クスンであり、その彼のコンプリートCDがリリースされたことにより今まで未発となっていた 〈ソニーズ・ブルーズ〉が日の目を見た。 フロイド・ディクスンは1929年2月にテキサス州マーシャルに生まれたが、1942年ロスに引っ越し た。 彼も独学でゴスペルとブルーズからすべての影響を吸収し、ジョニー・ムーアの "Three Blazers" というバンドで歌手兼ピアニストとしてクール・ジャズ的なナイト・クラブでギグを重ねる間に、 自身の名前を築きあげた。 1948年 "スウィング・タイム" というレーベルで最初のレコーディングをおこない、1949年にアマ チュアのコンテストで優勝したあと "ピーコック" や "アラディン" というレーベルに多くの録音 を残した。 1950年にはタレント・コンテストでも優勝し "スペシャルティ" に移り良質のブルーズを残したが スロー・バラッドよりはミディアムのR&B感覚のものが得意とされている。 彼自身のトリオはこの1947年から1952年にみられるが、この間の "アラディン" にウェスとの共演 があった。と言っても、ブルーズ・シンガーのソニー・パーカーをリーダにしたいわゆる歌伴であ りウェスとしても珍しいレコーディングである。 1949年9月7日からの、そのセッションはハンプトン・バンド専属のシンガーであったソニー・パ ーカーを初め、ウェス・モンゴメリ、ジーン・モーリス等と、 "アラディン" と契約していたフロ イド・ディクスンとの顔ぶれであった。 彼等がどのような縁故でつながっていたのかよく分からないが、ただ "デッカ" レーベルと専属契 約していたのはハンプトンだけであり、ソニーやウェスはハンプトンの団員ではあるがどこの会社 とも専属契約していないので、彼のバンドから離れてレコーディングすることの規制はなかったと 書かれてある。 恐らくハンプトン一行がカリフォルニアへ巡業に来たとき、ソニーと親交(?)のあったフロイドの 発案で集められ、レコーディングされたものと思う。 その日、5曲がカットされSP2枚分の4曲がリリースされたため、当然この〈ソニーズ・ブルー ズ〉がお蔵入りとなった訳だが、何と聴いてみるとウェスのシングル・トーンによるソロが見事に 復元されている。 5曲のうち最も聴ける内容でありながら何故これがお蔵入りなのか・・ヴォーカルを上回るから? ・・理解しがたい。 このCDのライナー・ノーツには気がかりなデータが記載されている。 Sonnie Parker & His All-Stars includes: Sonnie Parker(vo) Wes Montgomery(g) Johnny Board(as) Gene Morris(ts) Al Grey(tb) poss. Douglas Duke or Gus Domerette(p) Roy Johnson(b) Ellis Bartee (dr) Radio Recorders, Hollywood, Los Angeles; Sep.6,1949 レコーディングが【9月6日】と1日早く、ピアノがフロイドでなく【ことによるとダグラスかガ ス】とある。 【9月6日】はまだしも、フロイドでなければこの "コンプリート・アラディン・セッション" と してリリースされた意味がない。 いまのところ何の根拠もないので参考として記載した。