FANTASY Records
ファンタジー・レコード(Fantasy Records) 1940年代、マックスとソール・ワイス兄弟が経営するプラスティックの鋳型工場でレコード・プレスも手 がけるなか、最初の依頼人がデイヴ・ブルーベックであった。 そのブルーベックのレコードがローカルで成功したことで、ワイスはプレス工場をSF雑誌にちなんでフ ァンタジーと命名し、1949年レコード会社を創設した。 ブルーベックを初め、ジェリー・マリガン、カル・ジェイダー、ヴィンス・ガラルディ等と契約していくが、 ジャズ・ミュージシャン以外のジャンルとも多数契約した。 1951年に親会社ファンタジーのSF名にちなんでギャラクシ(銀河系)をジャズ専門部として設立。 (休止状態の期間や多くの変遷を経たが、トミー・フラナガン、レッド・ガーランド、ジョニー・グリフィ ン、ハンク・ジョーンズ、アート・ペッパーなど大物ミュージシャンを連ねて、1977年に再び活気づい た。) 1968年、ファンタジーのソウル・ゼインツ営業統括マネージャが率いる組織の投資家がファン タジーを購入。 その一年後にロックバンドのクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバルを前面に押し出したことで、 当時ヒッピー文化が全盛だったサンフランシスコで異色の存在として脚光を浴びた。 デビュー・レコードは1952年にベーシストのチャールズ・ミンガス、彼の妻セリア・ミンガス、ドラマーの マックス・ローチによってニューヨークに設立されたが、1958年にチャールズとセリア・ミンガス夫婦 が離婚。 セリアはまもなくサンフランシスコに移住しファンタジー・レコードのソウル・ゼインツのもとで働く(後に 結婚する)が、その小さながら強力なデビュー・カタログを1971年に買収した。 1970年以降は本拠地をバークレイに移し、ブラックバーズ(ジャズ・ファンクを主流とするメンバー 全員がハワード大学の出身者で、1973年には音楽学部で講義をしていたドナルド・バードがプロデュ ースに加わる)、スタンリー・タレンタイン、シルヴェスター、ルース・ブラウン、フレディ・コールの作品 をリリースする。 一方では映画の《アマデウス》や《イングリッシュ・ペイシェント》などサウンド・トラックでも成功を収め 最大手の独立系レーベルとなった。 1971年カリフォルニアのバークレイでエド・デンソンとギタリスト/教師のステファン・グロスマンにより 設立されたタコマ・レコードを、スチール・ギターというよりアコギ(カントリーやフォーク、ブルース等)を 主体としたジャンルの拡張で1995年に買収し、キッキン・ミュール・レコードを子会社とし、設立した。 しかし、2004年コンコード・レコードに売却、そのグループ傘下に入る。 1949年 マックス・ワイス、ソール・ワイスの兄弟によってカリフォルニア州サンフランシスコに設立。 1951年 最初の子会社、ギャラクシ・レコードを設立。 1968年 ソウル・ゼインツ営業統括マネージャが率いる組織の投資家がファンタジーの権利を購入。 1970年 本拠地をバークレーに移設。 1971年 グッド・タイム・レコード、プレスティッジ・レコード、デビュー・レコードを買収。 1972年 マイルストーン・レコード、ジャズランド、リヴァーサイド(ABCレコード権利)を買収。 1977年 スタックス・レコードを買収。 1983年 ジャズ専門レーベル、オリジナル・ジャズ・クラシックス(OJC)を設立、買収したレーベルよりリイ シューされる。 1984年 コンテンポラリー・レコードを買収、OJCよりリイシューし始める。 1987年 パブロ・レコードを買収、OJCよりリイシュー始まる。 1988年 90年までウェイヴと提携(ウェイヴはWJCシリーズをリリース) 1991年 スペシャルティ・レコードを買収。 1995年 タコマ・レコードを買収。キッチン・ミュール・レコードを設立。 2004年 コンコード・レコードに売却、そのグループ傘下に入る。 コンコード・ミュージック・グループは、最大手のインディペンデット・ジャズ・レーベルとなる。 ----------------------------------------------------------------------------------------- 1960年2月上旬、ウェスはシスコで活動する兄弟達と "モンゴメリ・ブラザーズ" を始動させた。       バティとモンクの "マスターサウンズ" は解散したがファンタジーとの契約は続けている。一方、ウェスもリ ヴァーサイドと契約していたことから、レコーディングに関しては両会社の話し合いでキープニュースが交互 に録るというようにとりまとめた。 結果として"モンゴメリ・ブラザーズ" は1962年4月に解散したが、それまでにファンタジーで2枚、リヴァー サイドで1枚、キャピトルとの絡みでリヴァーサイド・レコードの子会社ジャズランドに1枚を残している。 ディスクについて: そのファンタジー盤ですが、大きな特徴は一見して分かるが、モノラル盤のセンターラベルは赤色(正確に はマルーン、えび茶です)、ディスクは半透明の赤色です。ステレオ盤は同じ仕様での青色(正確にはダー クブルーです)です。 ただすべてがカラーディスクと言う訳でもなく、たとえばSP盤は黒、10吋盤になると、黒、赤、緑が入り混じり、 12吋盤(レコード番号3000番台)になってモノラル盤は赤いディスク、ステレオ盤(レコード番号8000番台及 び3000番台一部のステレオ化)がリリースされるようになって青いディスクが使われるようになった。 また、後年になって黒いディスクに戻ったということです。

1960年前後だったと思うが、東京芝浦電気(現:東芝)が、原材料の塩化ビニールに帯電防止剤を混入し エヴァークリーン(Ever Clean)と銘打ち、ホコリを寄せ付けないレコードとして発売したことがある。 その後、ビートルズのキャピトル盤などにも普及したが、この帯電防止剤が経年劣化を早め通常の黒い盤 よりも音質が悪くなるという話も聞いた。 当時、オートマチックのレコード・プレイヤーでこの半透明の赤盤を載せると、カートリッジがレコードの 縁部分に載らず戻ってくるという経験がある(半透明が原因?)。 たが、ファンタジー盤はエヴァークリーンとは聞いていない。見た目は同じ半透明ですが単に着色剤でモノ とステレオ盤の区分けを施しただけと思います。当然ホコリは着きますが、それにしても新品で大事に扱って もチリノイズが入り易い盤として評判はよくなかった。 12インチモノラル番号について: 3-201〜3-239までは千番と百番台の間がハイフンで区切られて入るが、例えば《Mulligan Quartet/The Paul Desmond Quintet》は3-220と3220ともに確認した。 他にも《Dave Brubeck Trio/3205》《Cal Tjader Quintet/RitmoCaliente!/3216》《Dave Brubeck Octet/ 3239》等など全てに存在するのかしないのか不明。3240〜3376までが3000番台のくくりと思われる。 12インチステレオ番号について: モノラル番号3342から頭番号を8として整理された8000番台が登場。これにより以前のものは番号の 統一性がなかった。8377からはステレオ盤のみリリースされた。 カラーディスクについて(追記): ディスク、ラベルとも赤の装丁は3350番あたりまでで、以降は黒いディスクに赤ラベルとなる。 ただ、2nd.プレスになると3350番まででも黒いディスクに赤ラベルも多く見られる。 また、すべてはないが、例えば《Re-Union/Desmond Brubeck/3268》は正規な装丁とモノジャケット(3268) にステレオディスク(8007)で赤いディスクの青ラベルというイレギュラー盤を確認した。 他にも《Concert In The Park/Paul Miller/3276》もイレギュラー盤がみられるが、とにかくこの頃の ファンタジは録音データも管理不十分で、コレクター泣かせなレーベルである。 ステレオについて、ディスク、ラベルとも青の装丁は8345番あたりまでで、これ以降は黒いディスクに青ラベ ルとなる。
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