VERVE Records
ヴァーヴ・レコード(Verve Records)
1948年、マーキュリーと契約したノーマン・グランツは自身がプロデュースしたJATP(Jazz at the Phi-
lharmonic)のライヴ音源のリリースで1953年まで継続。
(1946年録音のJATPがリリースされたのが1947〜48年と思われる)
1951年 マーキュリーの契約を残したまま、グランツはクレフを設立。
1953年 もしくは1954年にマーキュリーの契約切れを機会にレーベル名も自身の名前をもじってノーグラ
ン(Norgran)とした。
1956年、グランツは12インチLP化にあたり、クレフ、ノーグランを統合しヴアーヴを設立。
1960年 12月、グランツはMGMに300万ドルで売却。
(自身はスイスへ移住し絵画蒐集の傍らアメリカのミュージシャンを迎えプロモートしながらに
もエラとピーターソンのマネージメントは継続していた。)
1961年 4月、ABCよりクリード・テイラーがプロデューサーとして迎えられた。
(1964年11月、ウェス移籍後初の《Movin' Wes/Verve V6-8610》がレコーディングされた)
(1967年6月、テイラーはMGMを去ってA&M傘下にCTIを設立し、ウェスを迎え入れた)
1972年 MGMはポリグラムに売却されたが、Jazz部門は傘下のポリドールが一括。
(ポリグラム: 1962年オランダ「フィリップスの音楽部門」とドイツ「シーメンスの音楽部門」
の合併で誕生し、1972年にアメリカを本拠とし設立。ポリドールを傘下にする)
( 同年、ノーマン・グランツはパブロを設立しプロデューサーとして復帰。1987年に健康上の理
由で引退)
1980年 ポリグラムはデッカを買収、ヴァーヴはデッカのジャズ部門に入る。
1987年 合併したシーメンスが音楽事業から撤退。
1990年 ポリグラムはをA&M買収。
1993年 ポリグラムはモータウンを買収。
1998年 5月、ポリグラムはカナダの醸造会社シーグラムのユニヴァーサル・ミュージックに売却。
(翌年1月、既に買収されていたMCA、GRP、インパルスを統合しヴァーヴ・ミュージック
・グループを発足)
2005年 ソニーや投資銀行を中心とするコンソーシアムに売却された。現在は持株会社のMGMホールデ
ィングスがMGM Inc.を所有しその下にMGMスタジオ、MGMピクチャーズ、UA、オライオン
等の事業会社や著作権・商標管理会社が入る形態である。
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ウェスが年代的に登場するヴァーヴとは設立者ノーマン・グランツが映画会社MGMに売却した後というこ
とで、ラベル下部に "MGM RECORDS-A DIVISION OF METRO-GOLDWYN-MAYER, INC.-Made in U.S.A."と記載され
た"8600番台"から"8800番台"の黒地に銀色で中央に大きく"T" のアルファベットが特徴のラベルてあり、在
籍中にリリースされたアルバムは《Movin' Wes》から《The Dynamic Duo/Jimmy And Wes》までの7作品とア
ンソロジー(ヴァリアスアーティスツ)盤《Leonard Feather/Encyclopedia Of Jazz, Vol.1》です。
このアンソロジー盤は《The Dynamic Duo/Jimmy And Wes》から誤って〈O.G.D.〉の別テイクが挿入されたレ
ア盤とされる。それ以後のアルバムはウェスがA&Mへ移籍してからとか死後にリリースされたものとなる。
[release] [mono][stereo] [title]
1965年2月 V-8610 V6-8610 Movin' Wes/Wes Montgomery (*1)(*10)
1965年9月 V-8625 V6-8625 Bumpin'/Wes Montgomery (*1)(*10)
1966年1月 V-8633 V6-8633 Smokin' At The Half Note/Wynton Kelly Trio-Wes Montgomery (*1)(*10)
1966年3月 V-8642 V6-8642 Goin' Out Of My Head/Wes Montgomery (*1)(*10)
1966年8月 V-8653 V6-8653 Tequila/Wes Montgomery (*1)(*10)
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1967年2月 V-8672 V6-8672 California Dreaming/Wes Montgomery (*1)(*11)
1967年2月 V-8677 V6-8677 Leonard Feather/Encyclopedia Of Jazz, Vol.1 (*1)(*11)
1967年2月 V-8678 V6-8678 The Dynamic Duo/Jimmy And Wes/Jimmy Smith-Wes Montgomery (*1)(*11)
1967年12月 V-8714 V6-8714 The Best Of Wes Montgomery (*1)(*11)
1968年8月 ? V6-8757 The Best Of Wes Montgomery, Vol. 2 (*1)(*11)
1969年1月 / V6-8765 Willow Weep For Me/Wes Montgomery (*1)(*11)
1969年3月 / V6-8766 Further Adventures Of Jimmy Smith And Wes Montgomery (*1)(*11)
1970年 / V6-8796 Eulogy/Wes Montgomery (*1)(*10)
1971年 / V6-8804 Just Walkin'/Wes Montgomery (*1)(*12)
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1972年 / 2-V6S-8813 The History of Wes Montgomery (*2)(*12)
1974年 / V3HB 8839 Return Engagement/Wes Montgomery (*2)(*12)
1977年 / VE-2-2513 The Small Group Rcordings/Wes Montgomery (*3)(*4)(*13)
[MGM Label]-------------------------------------------------------------------------------------
1970年 GAS-120 Wes Montgomery/Wes Montgomery (*2)(*12)
[address on the label] ラベルに書かれた所在地
(*1) "MGM RECORDS-A DIVISION OF METRO-GOLDWYN-MAYER, INC.-Made in U.S.A." (写真1)
(*2) "MANUFACTURED BY MGM RECORDS, INC., 7165 SUNSET BOULEVARD, HOLLYWOOD, CALIF. 90046" (写真2)
(*3) "MANUFACTURED AND MARKETED BY POLYDOR INCORPORATED/810 SEVENTH AVENUE/N.Y., N.Y. 10019"
(*4) "MANUFACTURED AND MARKETED BY POLYGRAM CLASSICS, INC., 137W. 55TH ST., N.Y., N.Y. 10019"
[address on the cover] ジャケットに書かれた所在地
(*10)・ There is no description (記載なし)
(*11)・ "MANUFACTURED BY MGM RECORDS, INC., 1350 AVENUE OF THE AMERICAS, NEW YORK, N.Y. 10019"
(*12)・ "MANUFACTURED BY MGM RECORDS, INC., 7165 SUNSET BOULEVARD, HOLLYWOOD, CALIF. 90046"
(*13)・ "MANUFACTURED AND MARKETED BY POLYDOR INCORPORATED/810 SEVENTH AVENUE/N.Y., N.Y. 10019"
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(写真1) (写真2)
MGMレコード
1924年、3社の映画スタジオが合併したMGMは西海岸のカリフォルニア州ロサンゼルス郡カルヴァー市に
ハリウッド・キングと呼ばれる大物映画スターを専属に世界最大級の映画スタジオを設立した。
1947年初めに映画のサウンド・トラックを、翌年からはC&Wなどのリリースでレコード部門も広げていっ
た。
50年代初頭には自社にプレス工場を持ち、Columbia、RCA、Decca、Capitol、Mercuryなどと同じくメジャー
の仲間入りを果たした。
そして、1960年12月にノーマン・グランツが所有するヴァーヴを買収、最初のジャズ部門を誕生させた。
こまでは飛ぶ鳥を落とすがごとくの勢いで成長し続けた。
60年代中頃になるとビートルズやローリング・ストーンズ等が次々に新しい音楽スタイルを築くなか、ポッ
プスなのかロック・バンドになるのかラヴィン・スプーンフルで一時成功するものの1968〜69年に流行した
アシッド・ロック(ドラッグ、つまり幻覚剤によってもたらされたサイケデリック色の強い音楽)にも手を広
げ、大規模な宣伝でデトロイト・ロックの成功に続こうとしたが失敗し、1800万ドルの損失をもたらせた。
あまり知られていないが、同じく1967年にプロデューサのクリード・テイラーがMGMの傘下にフォーク・
ミュージックのレーベル、ヴァーヴ・フォアキャストを設けたが、この年の6月にテイラーがA&Mに移籍
したことで経営は益々悪化の一途をたどった。
しかし、1970年バブルガム(子供向け)タレントとしてサミー・デイヴィス・ジュニア、ペトラ・クラーク、
オズモンド・ブラザーズらが活躍し、レーベルの財政を建てなおしたのもつかの間、1972年にMGMはドイ
ツで新設された複合企業ポリグラムに買収された。
この後、ヴァーヴ・レーベルとしての新作は中断され、もっぱらコンピレーション盤などのリリースでつな
いでいた。
思うにいつの時代も巨大企業となった会社は手を広げすぎ、持ち堪えられなくなって集約、合併、倒産など
という憂き目を見ている。
ラベルについて:
ヴァーヴ・ラベルのMGM製作は1965〜74年までにリリースされた全16タイトルで、ラベルとジャケットに記
載された住所については、下記に分類される。(72年にポリグラムに買収された後も、引き続きMGMでプレ
スされたものも含む)
@65年の《Movin' Wes》から66年の《Tequila》までラベル、ジャケット共に所在地の記載無し。
A67年の《California Dreaming》から69年の《Further Adventures of Jimmy and Wes》までのジャケッ
トにニューヨーク住所が記載されている。
B71年の《Just Walkin'》から74年の《Return Engagement》まではカリフォルニア住所となる。
また、ポリグラムでリリースされたヴァーヴ・ラベルは。
C74年の《The Small Group Rcordings》では再びニューヨーク住所となる。
巷ではラベルの溝について【溝有】【溝無】のコレクター評価がされている。
これにおいて【溝有】が《1st.プレス》、【溝無】は《2nd.プレス》という評価と、一方は【溝有】は《西
海岸プレス》、【溝無】は《東海岸プレス》、さらにプロモーション盤に関しても【溝有り白色ラベルのプ
ロモ盤】は《西海岸プレス》、【溝無し黄色ラベルのディスクジョッキー盤】は《東海岸プレス》という分
類でいずれも《1st.プレス》とされる。
例えば、《California Dreaming》のラベル記載が(*2)になっていた場合、本来(*1)でなければならないこと
から溝の有無に関係なく確実に2nd.プレスと判断してよいと思う。そうではなく(*1)のラベル記載でありな
がら【溝有】【溝無】が存在するということです。
これらを考えてみるにプレス工場の違いということになるが、[MGMレコード]で説明したとおりMGMは
本拠地西海岸のカリフォルニアには自社プレス工場を持っていたと聞くが、東海岸ニューヨークにもあった
という話は聞かない。在ったとしても不思議ではないが・・外注していたのか?
ノーマン・グランツ時代のヴァーヴもかなり大規模であったと思うが、然るに自社プレス工場を持っていた
とは聞かない。恐らくニューヨーク中心の外注であったと思う。1950年代のトランペツター・ラベルや"T"
ラベルに変化してからの8400番台のプレスにはくっきりと【溝有】が確認できる。
だから全てのレコード会社について《東・西海岸プレス》の溝有無が当てはまるということではなく、あく
までも限定された地域性というか、単にプレス工場の違いということになる。
確かに《Movin' Wes》から【溝有】を観察すると深くて溝幅もありレコード盤自体しっかりしている。
また【溝無】も同じく厚めで重さを感じるが、線状の小さな円がうっすらと確認できる。そこでこれらを
次のように分類しておく。
(a)【溝有】・・円の直径70mmで深さ幅の違いはあるものの確実に溝と判断できるもの。
(b)【溝無】・・円の直径30mmで薄い線状が確認できるもの。
《東・西海岸プレス》はかなり有力説ではあるが、納得しがたい部分もある。
《Tequila》までのラベル(*1)記載は良いとしても、ジャケットに所在地が書かれていないので本拠地がはっ
きりしない、が《California Dreaming》からジャケットに所在地が認められる。
それが、本拠地はカリフォルニアではなくニューヨーク住所とされるのは何故なのはか?
仮に買収当初からジャズ・レコード部門のみ本拠地をニューヨークに移していたとするなら理解できる。
しかし、1968〜69年に進出したアシッド・ロックの失敗でニューヨーク住所は集約されカリフォルニア住所
となった71年の《Just Walkin'》あたりから溝そのものが急変している。
今まで(a)(b)の【溝有・溝無】として完璧に分類できるのは《The Best Of Wes Montgomery Vol.2》までで
《Willow Weep For Me》から《Eulogy》あたりまでの【溝有】は幅は狭いが【やや深い】もの【浅い】もの
などに変化しており、《Just Walkin'》になると筋というか【線状】になっている。そこでこれらを次のよう
に分類しておく。
(c)【溝浅】・・・円の直径70mmで幅は狭いが溝と判断できるもの。
(d)【線状】・・・円の直径70mmではっきりとした筋となるもの。
ところが、(b)【溝無】・・円の直径30mmで薄い線状が確認できるもの・・は《Eulogy》あたりまで確認できる
ことから《東海岸プレス》は外注で継続していたと思われるいっぽう《西海岸プレス》の自社プレス工場は
《Willow Weep For Me》をさかいに閉鎖され外注された可能性がある。
また、《Just Walkin'》からは溝はなくなり数種類の【線状】があり、リイシューにも使われている。
結果的に完璧に(a)(b)とされる《東・西海岸プレス》の分類はベストものを除くと《The Dynamic Duo》までの
ラベルに該当し、《Willow Weep For Me》からは《西海岸プレス》とするも(c)【溝浅】、《Just Walkin'》は
(d)【線状】という分類にした。
下表は1st.リリース時のラベルを対照にしたもの。
[mono][stereo] [title] [label] [VANGELDER] [promo] [ DJ ]
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V-8610 V6-8610 Movin' Wes (a) (b) ◎ × ×
V-8625 V6-8625 Bumpin' (a) (b) ◎ × ×
V-8633 V6-8633 Smokin' At The Half Note (a) (b) ◎ × (b)*
V-8642 V6-8642 Goin' Out Of My Head (a) (b) ◎ (a)* ×
V-8653 V6-8653 Tequila (a) (b) ◎ × (b)*
V-8672 V6-8672 California Dreaming (a) (b) ◎ × (b)*
V-8677 V6-8677 Encyclopedia Of Jazz Vol.1 (a) (b) ◎ (a)* (b)*
V-8678 V6-8678 The Dynamic Duo (a) (b) ◎ (a)* (b)*
V-8714 V6-8714 The Best Of Wes Montgomery (a) (b) × (b)*
× V6-8757 The Best Of Wes Montgomery Vol.2 (a) (b) (a)* (b)*
/ V6-8765 Willow Weep For Me (c) (b) (c) (b)
/ V6-8766 Further Adventures (c) (b) (c) (b)
/ V6-8796 Eulogy × (b) × (b)
/ V6-8804 Just Walkin' × (d) (d) ×
/ 2-V6S-8813 The History of Wes Montgomery × (d) (d) ×
----------------------------------------------------------------------- -------------
(* mono, ◎確認, ×未確認)

東海岸プレス【溝無】 東海岸プレス【溝無】Disc Jockey Copy

【溝無】プレスは中心より直径30mmの薄い線状がある。

西海岸プレス【溝有】 西海岸プレス【溝有】Promotion Copy
【溝有】プレスは中心よの直径70mmのはっきりとした溝がある。

サンセットラベル【線状】 サンセットラベル・プロモ【線状】
1972年にポリグラムに買収されて以後のラベルは本拠地カリフォルニアというより、(*2)サンセット
住所と呼ばれているラベルに変化する。
所在地から判断すれば《西海岸プレス》【溝有】となるが、溝というより【線状】のもが確認できる。
《Smokin' At The Half Note》を例にとると【線状】ブレスながら"VANGELDER"刻印のあるもの、ない
ものが存在する。

同じサンセット住所でも1974年の
《Return Engagement》になると
"VANGELDER"刻印もなくなり、ラベ
ルも黒色というよりやや灰色がかっ
た貧相なプレスとなる。
ヴァーヴ・ラベル最後のリリースとなった《The Small Group Rcordings》
は完全にポリグラムに買収されてからの2枚組リイシューですが、1st.プ
レスは(*3)の記載、追加プレスされたものが(*4)の記載となっていること
よりも、《Willow Weep For Me》からクラウス・オガーマンの編曲指揮が
かぶさった〈Willow Weep For Me〉〈Portrait Of Jennie〉〈Misty〉の3
曲でストリングスが取り除かれていることに注目。これは揃えておきたい
レア盤である。

(*3)POLYDOR (*4)POLYGRAM
ジャケットについて:
"Gatefold Cover"この見開きジャケットはクリード・テイラーがインパルス設立時からのもので、1967年
12月までの9タイトル全てに採用しているが、彼が退社したあとシングル・ジャケット装丁となる。
この見開きジャケットで極上の装丁が存在する。例えば初期の《Movin' Wes》はコーティングの上から薄い
ラミネートシールで覆われている。恐らくこのアルバムだけであろう、あとはコーティングだけの仕上げと
なっているがそれもリイシューを重ねるたび艶が薄れたり印刷の色合いが良くないような気がする。
音質について:
サウンド・マニアの間では、溝ありステレオ盤のバランスが良いとか、溝ありモノラル盤の音圧が優れてい
る等といわれていますが好みがあることから一概には言えないようです。
いちよう"VANGELDER"刻印があるプレスは音質が良いということで評価されている。
65年の《Movin' Wes》から67年の《The Dynamic Duo》までは《東・西海岸プレス》 (*1)に確認できるが、
それ以後の《The Best Of Wes Montgomery》からは (*1)に係わらず"VANGELDER"刻印が見あたらない。
(67年終わりまでには、ヴァン・ゲルダーはヴァーヴとの契約を解除したと思われる。
というのは、68年5月から6月に掛けてクリード・テイラーがCTI設立の準備で、ヴァン・ゲルダー
との新たな契約が控えていたとから一足先に辞めたと言う理由である。)
しかし《Smokin' At The Half Note》に例えるなら、ラベル住所(*1)で"VANGELDER"刻印なしのものがある。
また、(*2)の記載になっている2nd.プレスに"VANGELDER"刻印が有るものを確認した。
これらのラベルは【線状】のものであるから上記の表に当てはめるとすれば71年以降のプレスに該当するが
この矛盾さは理解できない。なお、2nd.プレスの"VANGELDER"刻印がある音質の評価もしがたい。
通販委託について:
ヴァーヴ・レーベルに統合した頃、通信販売専門のARS(American Rcording Society)を設けたこともあった
が、ただ1969年頃になってMGMの経営も芳しくなくなったことで通販部門の拡張を図り、大手のマーケテ
ィング部門に販売委託したようなレコードが存在する。
ひとつは、キャピトル・レコードの通販専門としたキャピトル・レコード・クラブに、もうひとつはタイム
・ワーナー社においてブツク・クラブを運営する"Book.of.the.Manth Club"略して"BOMC"に委託していた。
キャピトル・レコード・クラブから販売されたラベルのレコード番号は、SMAS-9****、MAS-9****、SW-9****
などで余白部分に"Mfd By Capitol Records, Inc. U.S.A." と書かれてある。
また、ブック・オブ・ザ・マンス・クラブから販売されたレコード番号はラベルには記載がなくジャケット
裏に"80-5610 BOMC"などと書かれてある。
これらはポリグラムに売却される1972年頃まで続けられたと思う。

キャピトル・レコード・プレス ブック・オブ・ザ・マンス・プレス
高音質レコードについて:
・MFSL(Mobile Fidelity Sound Lab)盤とは、1980年代中期米国モービル・フィデリティ社がリリースした高
音質レコードで、マスタ・テープを通常の半分のスピード(16回転)で再生させカッティングを行うハーフス
ピード・カッティングの技法を用いた。
マスタリングした後は最高のプレス技術を持つ日本のビクターで、ノイズや歪みを抑えたヴァージン・ビニ
ールを 使用しプレスしたという、手の込んだレコードです。
・MFSL社と双璧をなすのがオーディオ・フィデリティ(Audio Fidelity)社(旧名 DCC Compact Classics)が
1987年頃からリリースした高音質レコードで、同様にマスタ・テープからプレスしたものだが、90年代以
降は"24K Gold Disc"のCDをリリースしている。

MFSLプレス DCCプレス
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