杉本篤彦氏ライヴのお知らせ
杉本篤彦氏と言えば、当サイトの【ウェス承継派ギタリスト】の項で彼の代表作のひとつ《ク
ラブ・モンゴメリ》を紹介している。
彼もまた多技にわたるテクニシャンでウェスのオクターヴ・ソロも朝飯前のことである。
杉本氏の師匠の広瀬文彦氏(ベーシスト)は宮之上氏のライヴやアルバムに参加していたという
話しを本人から伺いましたが、宮之上氏と杉本氏の共演はなかったように思う。
夢のオクターヴ・デュオというのも聴いてみたいですね。
ある日、杉本氏がご自分のサイトを開設された事から、当サイトを訪れメールで話すうち私の意
見「特にギターにはこだわりを持って、若いジャズ・ファンに慣れひたしんでもらいたいと願っ
てウェスのサイトを開設しました。」ということから、彼がウェス・ファン倶楽部のために熱っ
ぽく語っていただいた大変貴重な話しを紹介する。
「僕は90年代のクラブシーンでDJ達がジャズを取りあげたとき、ジャズが再びポピュラリテ
ィを取り戻せるのではないかと一人喜び、運にも恵まれ、それまでライヴ一辺倒での生演奏のこ
だわりを捨てて非難を覚悟で打ち込みとジャズ・ギターをミックスしたアルバムを作りました。
(ロニー・ジョーダンに先を越されましたが)また、ジャズ・クラブだけでなく、若者の集まる
いわゆる、 "クラブ" でたくさんライヴを演りました。
意外とジャズ・ライヴをはじめ、多くの方々に賛同いただいた事は大変感謝していますが、あの
クラブ・ムーブメントではジャズにとってはいまひとつ、市民権を得るまでにはいかなかった気
がします。
それは、僕の知っている範囲だけなので正しいかわかりませんが、DJをはじめクラブ・ミュー
ジックをやっているミュージシャン達のジャズ系のライヴ・パフォーマンスのレベルがあまりに
低かった事と、ジャズ・ミュージシャンが情報不足のためか、あまり積極的に参加できなかった
ところにあったと思っています。
ただ、若い人たちも聴くチャンスさえあれば、多くの人達がジャズを好きになると感じました。
ウェスの曲は一度演奏すると、本当に人気がありました。
また、ジャズにもロックやポップスと同じく、色々なスタイル(スウィング、ビバップ、ハード
バップ、フリー、フュージョンその他)があるということが伝わるのが大事かと思います。
ジャズというと難しい芸術めいたイメージを持ってしまっているのです。
一部の人の中にはジャズはこうだ!とか決めつけるのも自由だとは思いますが、じっくり聴いた
り、踊れたり、なごんだり、色々な選択肢があったほうがジャズのファンが増えるのではないで
しょうか。
そういった点であの時代でウェスのA&Mでのアルバムは本当に価値があると思いませんか!
また、GIBSONや山野楽器の知人が言っておりましたが、ギターが昔より売れないそうです。
若者がターン・テーブルのほうや、打ち込みの機械にいっているそうです。
今の話と逆行しますが、やはりギターはギターでもっと流行ってほしいですね。
ギターのインストでヒット曲を出すのが僕の夢のひとつなのですが、僕に限らず、また、ジャズ
ギタリストに限らず、色々なギターに関わっている人たちがもっとがんばって、ギター・ミュー
ジックがへたな歌ものよりもずっと心を豊かにするぞ、とアピールしたいものです。
僕の持論ですが、音楽だけが唯一耳を塞がない限り、自分の意志と関係なくかってに人の中に入
ってくる芸術です。
絵や彫刻その他は、観るという意志が必要ですから。
ですから、音楽を作る人間は非常に大変な責任を持たなければならないと常日頃、心に言い聞か
せているつもりです。場合によっては聴いた人の人生に良くも悪くも大きな影響を与えてしまう
のですから。
その点で日本の音楽業界の方向性には疑問を持っています。(僕は演奏の他にCMソングその他
を書いたりしているので偉そうな事は言えませんが)ウェスのみならず、偉大な先人の残した音
楽を紹介したり、発展、発達させるためにミュージシャンや、音楽制作者、リスナーが一体とな
って、すすんで行動していかないと、今の日本の音楽業界が非常にレベルの低いままで、世界に
取り残されてしまう気がします。(偉そうな事を言ってすみません)
こういう便利な時代でこそ、徳井さんのウェス・ファン倶楽部のように音楽だけでなく、ウェス
の人柄まで伝わってくる情報源はジャズのリスナーの心を掴んだり、広めるという点で非常に価
値あるものと思っています。」
そして「僕もがんばりますので、一緒に頑張りましょう」と、励ましの言葉を戴きました。
本当に前向きにそして謙虚に、こんな素晴らしいミュージシャンが頑張っているのです。
我々リスナーは日本のジャズ界を絶やすことなく応援する義務があります。
と言ったところで、少し長くなりましたが、杉本氏ライヴ情報をお知らせしますので、是非時間
をさいて観にいって戴きたいと思う。
7/5(木)赤坂 november-eleventh
宇崎竜童さん、阿木燿子さんの店(一ツ木通りの真ん中あたり、街灯番号21番の前)
〒107-0052 東京都港区赤坂3-17-8 都ビル2F TEL 03-3588-8100
Personel 杉本篤彦(Guitar) 阿部紀彦(Piano) 高橋教之(Bass) 菊地丈夫(Drums)
Open 18:00 / 1st Stage 19:00~ / 2nd Stage 21:30~
Admission ¥2,000(2ステージ通しの場合は¥3,000)
7/14(土)藤沢 OLD YES NO JACK
(藤沢駅南口、手広方面徒歩5分)
〒251-0055 藤沢市南藤沢4-11 第5榎本ビル2F
問:OLD YES NO JACK TEL 0466-22-1171
PERSONEL:杉本篤彦(Guitar) 石井康二(Bass)
OPEN 18:00 / 1ST STAGE 20:00〜 / 2ND STAGE 21:30〜
ADMISSION チャージなし
7/26(木)六本木 B1 SPACE
(六本木プリンスホテル、IBM 近く)
東京都港区六本木3-4-7 KY六本木ビル B1 TEL 03-3584-5570
Personel 杉本篤彦(Guitar) 阿部紀彦(Piano) 渡辺茂(Bass) 菊地丈夫(Drums)
Open 18:00 / 1st Stage 19:30~ / 2nd Stage 21:30~ Admission ¥2,000
7/28(土)横浜 Lazy Bones
(関内大道り公園、水の広場近く)
〒231-0048 横浜市中区蓬莱町3-104 トウセン関内ビル2F TEL 045-261-5040
Personel 杉本篤彦(Guitar) 増根哲也(Bass) 菊地丈夫(Drums)
Open 18:00 / 1st Stage 20:00~ / 2nd Stage 21:00~ / Admission ¥2,000
地図などの詳細は杉本篤彦氏オフィシャルサイト:LIVE INFORMATIONに載っています。
杉本篤彦氏オフィシャルサイト
☆ 月刊 TVガイド「B.L.T.」(6/26発売) 作家 増田晶文氏と対談記事掲載
|