ニュース速報 No.94(2009.3.8号)


不可解なリリース
WES MONTGOMERY ALL STARS /Live in Hamburg 1965
アルバム名 : WES MONTGOMERY ALL STARS /Live in Hamburg 1965 アルバム番号: JazzShots 2869089 リリース国 : Andorra リリース年月: 2/2009 メディア  : DVD
1965年のウェス欧州渡航映像がまたまた発掘されたのは誠に喜ばしいとされながらにも、今回 のリリースに関しては疑問を抱かせることがある。 先ずは、《WES MONTGOMERY ALL STARS /Live in Hamburg 1965》とタイトルされた3セッショ ンの収録映像を記載する。 @TV Broadcast, Hamburg, Germany, Apr.28,1965. Wes Montgomery(g) Hans Koller(as) Johnny Griffin, Ronnie Scotts(ts) Ronnie Ross(bars) Martial Solal(p) Michl Gaudry(b) Ronnie Stephenson(dr) NDR (Norddeutscher Rundfunk)TV Cast, Hamburg, W.Germany; Apr. 28,1965 Blue Grass [7:33]     JazzShots 2869089 Last Of The Wine [8:19] − West Coast Blues [4:55] Green Line VIDJAZZ39 − omit: Hans Koller(as) Ronnie Scotts(ts) Ronnie Ross(bars) Blue Monk [6:47] JazzShots 2869089 ハンブルグNDR-TVでのスタジオ収録から5曲観られるが〈On Green Dolphin Street〉はウェス は弾かずに煙草を吸っている。また、〈West Coast Blues〉はこれ以前の1991年《Americans In Europe Vol.2/Green Line VIDJAZZ 39》で既にリリースされていたので、正式には3曲が新 たな発掘となる。 ATV Broadcast, London, England, Mar. 25,1965. Wes Montgomery(g) Harold Mabern(p) Arthur Harper(b) Jimmy Lovelace(dr) TV'Cast, "Jazz 625", BBC-TV Center, London; Mar. 25,1965 West Coast Blues (opening solo Guiter) Yesterdays Jingles 'Round Midnight Twisted Blues Full House West Coast Blues (closing solo Guiter) この映像は1994年、パップが世界に先駆けて国内初リリースとして以来、各社各様でリリース され続けているベストセラーであるが、ここでの映像はオープニングに観られる "Jazz 625" が黒く塗りつぶされ "WES MONTGOMERY QUARTET" と上書きされてある。 B"Hollywood Palace" Los Angeles, July 1967. Wes Montgomery(g) with The Hollywood Palace Orchestra and The Tijuana Brass: B'Cast ABC-TV,"The Hollywood Palace TV Show", L.A.; Dec. 12,1967 Windy [2:45]     JazzShots 2869089 1967年7月放送と有るが12月12日としたのはアメリカの "Live Scores" というサイトのバート・ バカラツクのTV収録情報から得たものである。 ----------------------------------------------------- 総じて、これらの映像はインターネットの普及で2005年2月に設立された米ネットベンチャーYou Tube社が運営する、動画コンテンツ共有サイトで既に多くのファンが観ていた。 この動画サイトは著作権的に許される範囲のものなのかどうか分からないが、とにかく多くの動画 マニア等が投稿することで賑わっていることは確かである。 ですから、Aは論外としても@Bの映像も驚くほどの新鮮さには欠けていたことになり、更に不可 解なことがある。 どれもこれも画質音質が非常に悪い・・はっきり言って粗悪品・・何かの間違いではないだろうか と疑いたくなる。 特に映像は数回繰り返されたダビングテープよりDVDに起こしたと思われ、映像が滲んでいる。 更にBは動画サイトではカラーですが、モノクロ映像というお粗末さも伴っている。 これでもオフイシャルかと疑いたくなるのは誰しも感じることで、ネット販売の大手 "Amazon" "HMV" に問い合わせてみた。 "Amazon" の解答は「EFOR FILMSという会社から正当にリリースされている商品であり、万一、取 扱商品に問題がある場合につきましては、当サイトは随時対応させていただいておりますので、ご 安心ください。」とのこと、また "HMV" は「お調べ致しましたところ、私どもで確認が取れました のは弊社ではブートレッグ・アイテムは扱わないというルールがあります。 このアイテムもブートという認識はメーカーより頂いておりませんため正規品として販売させてい ただいております。」というものでした。 音楽的にオフイシャルだの正規品だのという言い回しは「公認されたもの」、つまり著作権がクリ アされている商品という認識が有りますが、このDVD、パツケージなどどこを観てもそれらしい表記 がなくブートレッグという疑いを掛けられても仕方ない装丁である。 聞いた話ですが「日本製のブートDVDを建前上はヨーロッパ製などとして販売しているが、主に東京 都に多数存在するコレクターズDVD店が製造、販売している」などと疑えばきりがないが、ここは大 手メーカーの話を信ずるしかありません。 前述の "EFOR FILMS" をインターネットで観ると、住所はアンドラ公国となっており1993年に独立し たばかりのスペインとフランスに挟まれた人口5万人〜7万人とかいわれる内陸国で、映像作品や比較 的珍しいCDを配給している。 ここまで判明した範囲で記載致しましたが、他に情報が入ればその都度報告致します。