Doujie(Transcribed by GIBSON BOY)
第八回目になる今回のTranscription は〈Doujie〉のTake-7を採譜しました。
この曲は聴いていて「あれ!どこかで聞き覚えのあるコードの流れだなあ・・・。」と思
われる方も多いのではありませんか?
そうです!C.Parker の〈Confirmation〉のコード進行とまったく同じです。
ウェスはこの曲のコード進行を元に〈Doujie〉を作曲したわけです。
さしずめウェスの〈Confirmation〉といったところです。
この曲の魅力のひとつに聴いていてとても気持ちの良いコード進行にあると思います。
Be-Bop特有の細分化された2拍毎変わる4度進行のU−Xの連続などその特徴で、それにそ
ってとるアドリブはBe-Bop語の良い勉強になるとおもいます。
ウェスがBe-Bop語をどのように解釈し具現化したか、その軌跡も伺えます。


【Interlude(間奏)】
テーマとソロ、ソロとソロのつなぎに12小節のインタールド(間奏)を挿入しています。
ここではバックがC9susの響きでペダルポイントを取り入れてます。
そのサウンドに沿ってソロの序盤を形成し、頭のF△7に突入していきます。
*ウェスはここの部分をGm7-C7的な感じでソロを行っています。


【ad-lib ソロ】
続いてテーマのコード進行におけるソロは、冒頭の5小節、まずT△7から平行単調のUm7
♭5-X7の進行、5小節目のW7をトニック7thに見立て解決するU-X-Tの進行となって
います。
なんとも気持ちの良い進行ではありませんか!コードを鳴らしているだけでメロディーが
出てきます。
そのあとも少々変則な進行はあるもののVm7♭5-Y7-Um7-X7-Tとなっています。
サビはB♭MajのUm7-X7-TとD♭MajのUm7-X7-Tからなっています。
【B】(リハーサルマークB)の5小節目のE♭m7(9)は、ウェスの常套句のフレーズでもあります。
      m9の分散和音を巧みに使った、お得意のフレーズです。それと続く5小節目の4拍目裏の
    8分音符の引っ掛けから始まるA♭7そしてD♭△7への解決のフレーズは珠玉ものです。
【C】の6小節目はF音の同音異弦を巧みに使ったヒップなフレーズ(ここのフレーズはチャ
    ーリー・クリスチャンが使うような雰囲気のフレーズ)を弾いています。これをきっかけに
【D】2コーラス目の冒頭の6小節間を同じくF音の同音異弦を巧みに使ったフレーズを弾いて
    います。
このフレーズ等もなんともグルーブで聞き手を惹きつけますね。
今回の曲も総じてUm7-X7-Tが頻出しています。
ウェスのソロはとてもロジカルでありますが、なんと言っても歌心あふれるフレーズはと
てもよい勉強になると思います。
                                                                       GIBSON BOY