Far Wes(Transcribed by GIBSON BOY)
前回の〈Wes' Tune〉と同じアルバム、《Montgomeryland/Pacific Jazz PJ-5》からWes
オリジナルの〈Far Wes〉をおおくりします。

【テーマ】
〈Far Wes〉はWes作曲のオリジナルですが、ややスローのミディアムテンポ(4分音符100
〜102ぐらい)でゆったりとそして3連の乗りで、とてもノリやすく快い名曲です。
コード進行はUm7-X7-TMaj7のケーデンが頻出し、そのケーデンスユニットの連結ですが、
ユニット毎にKeyの転調となり変化に富んでいます。(テーマのコード進行をご覧ください)


【Ad-libの分析】 アドリブフレーズも3連フレーズが多く出てきますが、1拍の8分音符のノリも所謂「ツクタ 、ツクタ」と3連を感じながらのり、そのグルーブ感を感じとってください。 (WesのSolo、出だし引っ掛けの後、1小節〜4小節目や9小節〜12小節目の3連音符、8分音 符、4分音符を使った、ゆったりとしたGroove感はなんとも快いです。) アドリブのフレーズは、分散和音を巧みに使い、歌心にあふれたすばらしいフレーズばかり です。又Um7-X7-TMaj7のよい勉強になります。 前半22小節目くらいまでは、3連音符を中心に8分音符を絡ませ、3連のGrooveをたっぷり聞 かせます。 23小節目からは、16分音符中心のフレーズです。ここでも分散和音を巧みに使い、しばしば そのコードフォームがビジュアルな形となって見えますし、コードとコードの連結において 各コードフォームは「この形のコードフォームを使って繋げている」と納得させられます。 (例えば、23小節目のEm9のコードフォームから24小節目のE♭m9のコードフォーム、そして 25小節目のD♭Maj7 のコードフォーム等) 又技術的には分散和音においてもかなりワイドレンジの音域を使っている箇所もあり(Wesは お得意のフレーズの一つですが)、これを16分音符で弾くにはかなり難しいです。 指使いも含めて研究してみてください。 (例えば、26小節目のF♯m9の分散和音や29小節目のDMaj7の分散和音) 尚、テーマのコード進行とアドリブのコード進行は最終部分で若干違います。 それぞれテーマ譜、アドリブ譜の上にコードネームを付っていますので参考にしてください。 GIBSON BOY