GROOVE YARD (Transcribed by GIBSON BOY)
今回は、ウェスのアルバムの中から《Groove Yard/The Montgomery Brothers/Riverside 
RLP-362)より"Groove Yard"のメロディーステイツメントとアドリブのコピーをしました。
Montgomery Brothers はPacific 時代に《Montgomery Brothersa nd 5 Others》をはじめ
幾つかの吹込みがありますが、Riverside系では当アルバムと《George Shearing And The 
Montgomery Brothers/JAZZLAND》の2枚です。(詳しくは当HPのアルバム別紹介Riverside
録音等をご覧ください。)
当アルバムでのウェスの演奏は、バンドの特色であるグループのサウンドを重視(アレンジ)
してか、どちらかというと抑制感の効いた演奏を感じます。
そう熱く燃えるLiveとはすこし違った、室内楽的?調整の取れた感じがします。
しかし技巧、アドリブの内容はまったくウェスそのもので、やはり完璧でした。
良く歌い、ここではクールにグルーヴし、音楽的にも高度な内容になっています。
"Groove Yard"は名ピアニストC.Perkinsの代表的名曲で日本でも菅野邦彦トリオ(当サイト
でおなじみのウェス研究家の小泉清人氏はこのグループのレギュラーベーシストです。)や
フィニアス・ニューボーン等が演奏しています。
メロディーラインも美しいマイナーチューンで3連乗りのグルーヴィーな躍動感、そしてコ
ード進行もとても気持ちの良い曲です。
但し、このテーマをオクターブで演奏するのは結構難しいし、アドリブも16分音符主体で
しかもこの速さで親指で弾き切るには相当難しい技術です。
しかし綺麗なフレーズは、是非とも覚えたいものです。




【Ad-libの分析】 この曲のアドリブのポイントは、 @美しくかっこよいマイナーフレーズ(E♭m7-A♭7とE♭m7/B♭pedal) A5〜7と13〜15小節目とサビの21〜22小節目からのV7thの4度進行(A♭7-D♭7-G♭7-B7〜) のフレーズに尽きます。 V7thの4度進行におけるフレーズはウェスの思考が見事に具現化された最たる例です。 4小節目4拍目から5〜7小節目のV7thの4度進行は16分音符で細かくし、明らかに各V7thを Um7-V7に細分化してフレーズを作っています。 12小節目4拍目から13〜15小節目のV7thの4度進行は、先ほどとは違い8分音符等で音数は少 ないのですが、V7の6°、7°そして次のV7の♭7°に解決し、見事にV7thの4度進行を作り上 げています。                                      GIBSON BOY