THE THUMB (Transcribed by GIBSON BOY)
今回は、典型的な12小節のBluseのナンバーから“The Thumb”のメロディーステイツメントと
アドリブのコピーをご紹介します。
“The Thumb”はVerve から66年にリリースされたアルバム【Tequila】(V6-8653)の中で
演奏されています。
このアルバムはストリングスをバックに配し、ややポップス色の曲が多い中、唯一この曲でハ
ードバップのJazzを演奏しています。編成もコンガがはいっているもののピアノレストリオの
ような編成です。(Gt,Bs,Ds,Cog)
WESのギタープレーの特徴の一つに太く暖かい音色があります。それはまさしく彼の親指
(Thumb)から爪弾かれる音です。
“The Thumb”とはWESの楽曲としてはこの上なくふさわしいタイトルではありませんか!



【Ad-libの分析】 このBluseのKeyはGです。アドリブプレーはオクターブ奏法とブロックコード奏法で演奏されて います。 WESの特徴である裏コードの使用(soloBの4Bars目のG7を裏コードのD♭7にしUm7―X7に分 解)が少々ありますが、後は仕掛けも何もないストレートなBluseです。 ピアノのバックがない分、アドリブメロディの間にコードをカウンターで挿入したり、ブロック コードは、カウントベイシーのナンバー“スプランキー”の中に出てくるフレーズをもじって演 奏したり、ユーモアーを感じさせます。(soloG〜)又、別の効果としてコードをカウンターで いれることにより(soloC〜)、スイング感をより強調でき、更に同一音を4分音符で1拍づつ、 3小節半にわたり演奏する(soloA 9〜12Bars)ことでスイング感を効果的に出す等、そのアイ デアは多いに参考になります。


オクターブ奏法とブロックコード奏法の良い勉強になるナンバーです。                                      GIBSON BOY