お世話になっております。 9/28/2021
古民家事務所、マンション管理士池間 一徳事務所です。
(当事務所の業務)
①マンション管理士として、 管理組合、区分所有者のいろいろな相談に対応する業務(相談、援助、助力業務)
上記①に加えて、 昨年度より、
②中古マンション売買の媒介(仲介)を業務に加えました。
追加した理由: 区分所有者の権利を守るためです。 区分所有者が将来の計画修繕の費用として、積立てた金銭(修繕積立金)を区分所有者の財産として保護するためです。
◇なぜ、修繕積立金を区分所有者の財産として保護する必要があるのか?
転勤、介護、療養、その他いろいろな理由で、マンションを売却しなければならない事由が生じた区分
所有者の積立てた修繕積立金が、管理組合の財産となってしまっており、区分所有者の権利主張を認め
ていない。 不合理な取り扱いが行われています。
修繕積立金は区分所有者が長期修繕計画に予定された計画修繕工事(大規模修繕工事を含む。)の費用
として積立てた金銭であり、 管理組合はその金銭を管理組合名義の口座で預かり、 計画修繕工事実
施の際に、総会決議を経て、その口座より、取り崩して支出することになります。
1.計画修繕工事実施前の区分所有者の権利:
修繕積立金が、管理組合の口座に蓄積されており、 修繕・改修の効果はまだ現実化されていない状態で
す。 修繕・改修の効果は、 安全性、耐久性、利便性、美観などの効用の向上につながり、 マンショ
ン全体の資産価値をアップさせます。 修繕・改修工事実施前は、 区分所有者はその期待権を有する段
階です。 修繕積立金は区分所有者の有する期待権の一つの側面です。
2.計画修繕工事実施前に区分所有者に転出事由が生じたとき:
転出事由が生じたたしても、 区分所有者の有する積立金上の権利が消滅することはありません。消
滅するとする規約は、標準管理規約にも、8団地管理規約にもありません。 期待権も従前のままです。
然るに、中古マンション売買の流通市場では、 修繕積立金は管理組合の財産と見做されてしまってお
り、転出区分所有者の権利を認めていない不都合な現実があります。
標準管理規約(単棟型)第60条第6項は、『組合員は納付した管理費等及び使用料について、その返
換請求又は分割請求することができない。 8団地管理組合規約にも同様の規定があります。(8団地管
理組合規約第64条第5項)
上記の規約の定めは、組合員(の財産)を拘束するもので、非組合員(の財産)を拘束する規定ではあ
りません。 管理費等とは積立金を含むと解されています。
組合員であった時代に納付した積立金についても、 財産権が保管者である管理組合(8団地管理組合)
に移転すると解することはできない。 財産権は憲法で保護されています(憲法第29条)
不都合な現実を替え、区分所有者の権利を守るためには、 区分所有者自らが権利を主張しなければ
なりません。
区分所有者、特に転出が予定されている区分所有者には身近な問題として起こります。 毅然と自己の
権利を主張してください。
売却を考えておられる場合でも、 自己の有する権利は主張してください。 その権利主張が売却条件
に反映してきます。 【修繕積立金は、25年先、30年先、或いはそれら以上の期間にわたる修繕・改修費用を、 毎月積立てている準備金である】ことを主張する。 具体的には宅地建物取引業者、宅地建物取引士に、原状(自己の積立てた積立金の額、 今後の修繕・改修予定等)を説明するとよいでしょう。
団地管理組合の場合は、団地積立金と各棟の積立金があります。 両方の金額を算出し、計画修繕を説明します。
3.計画修繕工事実施の効果
計画修繕工事(大規模修繕工事を含む)の修繕・改修の効果を受ける者は、 修繕・改修工事実施時の
区分所有者、 区分所有権が売買されている場合は、前区分所有者からマンションを買い受けた特定承
継人になります。 修繕・改修工事の実施により、 マンションは安全性を増し、 耐久性能、 利便
性、美観性も向上し、 マンション全体の資産価値も上がっていきます。
長期修繕計画は25年、30年以上の期間を以て作成していきます。 期間中には区分所有者の交替も数多くあり、積立金の負担者と修繕・改修工事の効果利益を受ける者が一致しない場合もあります。 相互の衡平を図る必要があります。
◇◇旧組合員から新組合員への引継ぎを確認する
今日まで、管理組合は転出区分所有者の積立てた積立金を管理組合の財産としてきましたが、 組合
員であった者の財産を拘束(差押)することを可とする規定はなく、 どのように処理できるか、弁護士
を入れて検討すべきことと思います。 管理組合設立から今日までの転出、入居の履歴を作る必要があ
るかもしれませんね?
今日から未来に向かってのアクション、私たちができることを記します。:
転出区分所有者の積立てた修繕積立金は、マンション売買の重要事項説明書に記載することとします。
棟の積立金と団地積立金があるはずです。 規約通りです。
通常、マンション売買の重要事項説明には売買の当事者と夫々をサポートする宅地建物取引業者(それ
ぞれの宅地建物取引士)が同席されます。この重要事項説明の場に管理組合の同席を求め、 管理費、修
繕積立金制度を説明する。 積立金については旧組合員から新組合員への引継ぎが必須であることを説
明し、 引継ぎを確認する。 転出区分所有者の積立てた修繕積立金は売買価格の中に組み込まれ、 新
区分所有者(組合員)に引き継がれる。 修繕積立金に欠損を生じることはありません。 計画に従って
修繕・改修工事を実施することができます。 転出区分所有者、宅地建物取引業者と綿密な連絡を取り合
って、重要事項説明に同席することで、 不具合な慣行を修正することもできるでしょう。 区分所有者
の信頼を得、 活き活きした管理組合活動を取り戻すことができるはずです。 組合員を騙したり、 組
合員の無知に乗ずることはタブーです。
8団地の棟の管理規約に次の条項を追加する。 (Ex. 39号棟)
規約化することで、 引継ぎの確実性と区分所有者の権利を認めそれを保護することが目的です。
8団地39号棟管理規約
第○○条
『転出組合員の権利・義務が新組合員に確実に引継ぎされるために、 39号棟の管理組合は39号棟の
マンション売買の重要事項説明会に出席して、 管理費、修繕積立金等について説明しなければならな
い。
2.説明すべき事項は以下の通り。
一 39号棟の積立金の総額
二 団地積立金の総額
三 転出組合員から引き継いだ棟の積立金の額及び団地積立金の額
以上。 Vol.11 9/28/2021
池間 一徳 (39-401)
ps: マンション管理士池間一徳事務所からのお願い
①各棟の管理組合の世話人を求めています。 一人以上。 棟の総会は棟の組合員5分の1以上の賛成が必要です。 コロナ禍の下、棟の管理組合を動かすためです。
②ポスティングできる方(アルバイトになりますが)を求めています。 全て開封の封書です。
6団地、7団地、8団地宛て。 1戸当り@¥10.-でお願いします。
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