不適切コンサルタントと管理会社が癒着したら管理組合は対抗できない

以下,廣田信子さんのブログから抜粋しております。

同氏は,公財)マンション管理センターの参与で、前の主任研究員です。
パソコン、インターネットにアクセスできる方は、「廣田信子のブログ」1/18/2018及び1/19/2018で索引してください。 最も最新の情報に触れることができるはずです。

8団地で起こっていることと相違するところもありますが、マンション管理の現場で起こっていること、 起こり得ることですので参考になります。。 

 

以下、廣田信子さんのブログの抜粋です。

『バックマージンなんて、どこの業界でもよくあることじゃないか。 昔から設計コンサルタントと施工業者はうまくやってきたんだ・・・』と言われ人もいます。

 本来ならば設計コンサルと施工業者は緊張関係がもとめられている。⇒この緊張関係が薄れ『うまくやる・・。』の結果が管理組合や関わった個人にどんな被害をもたらしたのか。

 ●高いお金を取られた

 ●施工の質が悪く、不具合が多々発生 (例.塗装が大きく膨らんで浮いている。 鉄部に錆が大量に発生する。

  漏水が始まる。 舗装の亀裂が発生し、拡大する。 etc。)

 

 ⇒新しく就任した修繕委員(設備担当)は施行業者にアフターサービスの対応を求める。

 ⇒施工業者は指摘された場所を表面的に直すだけで、何故そうなったのか原因の説明をしてもらえない。

  設計コンサルに聞いても、何の返事もなく、施工業者の味方ばかり。

 ⇒管理組合は、他の専門家に相談。

  手抜き工事、 材料の仕様違いがいくつも発覚。

 設計コンサルは何をしていたのか、 本当に工事の監理していたのか・・・・

 ⇒明らかに談合の痕跡があり、 最初からその業者に工事が落ちるようになっていた。 しかもその施工業者は、管 理会社のグループ企業で、実際の工事をしたのは別の施行業者。

 管理会社の取り分、 設計コンサルのバックマージンもしっかりのった金額を取られていいた。

 ⇒実際に工事をする職人には十分なお金は回っていない。 現場は投げやりの工事になりがち、 手抜き工事、仕様 違いは当たりまえ。 

 

 設計コンサルの態度が横柄になってくる。
管理組合は設計コンサルタントにとっては、、一見の客であり、信頼を失っても痛くも痒くもない。 他方、管理会社は、年間多数の工事を抱える大切なお客だ。 管理会社と組んで仕事をした方が何倍も利益になる。

 談合を仕切って管理会社に工事が落ちるようにすれば、 間違いなくバックマージンが取れる。 管理会社こそ大切なお客様です。  

 

 管理会社は思います。

責任感の強い修繕委員を何とかしたい。 この人さえ引きずり落せば何とかなる。 ⇒そこで管理組合の中で孤立させる。 人格攻撃が始まる。  あの人は変わった人。  何か個人的な目的があるのではないか・・・ そんなフェイク情報をさりげなくながす。  ほかの理事には、 自分も管理組合に逆らうと人格攻撃を受けるかもしれないという恐怖心も生じてくるので、 関わりたくない・・と。

 管理会社も設計コンサルも、責任感の強いものは、このマンションから出ていくのを待っている。  設計コンサルと管理会社がつながるという事はこういう事です。

 

 高いお金をとられ、

 まともな工事をしてもらえず、

 さらにまっとうな声を上げた人は、人格攻撃にさらされマンションから出ていかざるを得なくなる。

 管理組合の自主性も失われる。

 

 こんなことがあるとしても、それでも『バックマージンなんてよくあることじゃないか、 設計コンサルタントと施工業者はうまくやってきたんだ・・・』と許せるのでしょうか。

 

 幸いにも、「不適切コンサル問題が表に出たことで、いくつかのコンサルタントの団体ができて、問題をなくし、信頼を取り戻すために努力することになったようです。

 今後は、バックマージンや談合を正当化することはさすがになくなるでしょうか? そう信じたいです。
  (1/18/2018)

 

『隠し事が難しい社会では誠実さが勝つ』

 設計コンサルと施工業者の癒着があると、 まっとうな工事監理が行われない可能性があり、 瑕疵が発覚しても是正させるどころか、それを指摘した人間に対する人格攻撃が問題をうやむやにすることまで発生する。

 

 不適切コンサルタント問題が表に出たことで、 業界にもいくつかの団体ができ、 こういった状況をなくし、信頼をとり戻すために努力することになったが。 本当にこういった問題がなくなる方向に進むのか???

 

 インターネット社会は、情報が漏れやすい。 隠し続けることは難しいです。 隠し事がバレれば、証拠とともに

すぐに広がり大きなダメージを受けることとなる。 これを機会に本気で本来業務で成り立つように誠実に仕事をしようと決意するところが生き残っていくのではと思っています。 設計力、合意形成に対するコンサルタント力、そして工事監理能力を磨いて、それに見合う報酬をきちんともらえるようにする。 これが本来の姿です。

 施工業者の方も誠実なコンサルタントの元で、談合なしの本来の競争になっても、バックマージンを取られるより利益が残るという事に気づき始めているといわれています。

 

 見せかけの金額や派手さに惹かれる管理組合があるのも仕方がない。 それが管理組合の力量だから。

 

 誠実に仕事をしようとするコンサルが今は全体の30%だとしても、その30%が自分の方針を貫き、きちんと説明した上で、誠実な仕事をするのに必要な金額を堂々と提示していく。 それを理解して、自分にまかせてくれた管理組合に対して、誠実に仕事をする。

 きちんとプロの仕事をするコンサルの方が、施工業者にとってもプラスだと、 気づくようになる。

 

 廣田信子さんのブログを直接お読みなったほがベターです。  8団地管理組合の管理運営に参考となることがたくさん書かれております。 是非同氏のブログを読んでみてください。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年01月30日