執大象
天下往
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大いなる象(かたち)をしっかりつかまえたものは、天下を広がるように前進する。
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執
「手かせ+人が両手を出してひざまずいた姿」で、すわった人の両手に手かせをはめ、しっかりとつかまえたさまを示す。
往
王は、大きく広がる意を含む。往の原字は「人の足+音符王」の会意兼形声文字。往は、それにさらに彳(いく)を加えたもので、勢いよく広がるようにどんどんと前進すること。
往而不害
安平大
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前進しても、進行を止めるものはない。安らかで、穏やかで、大きい。
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害
「宀(かぶせる物)+口または古(あたま)」で、かぶせてじゃまをし進行をとめることを示す。
安
「宀(やね)+女」で、女性を家の中に落ち着かせたさま。
平
浮き草が水面にたいらに浮かんだ姿を描いたもの。萍ヘイ(うきくさ)の原字。また、下から上昇する息が、一線の平面につかえた姿ともいう。
たいらか。穏やか。起伏のないさま。やさしい。
執大象 天下往
往而不害 安平大
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大いなる象(かたち)をしっかりつかまえたものは、天下を広がるように前進する。前進しても、進行を止めるものはない。安らかで、穏やかで、大きい。
楽与餌
過客止
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音楽と(柔らかい)食べ物が、
通り過ぎようとする客を立ち止らせるものだ。
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楽
木の上に繭のかかったさまを描いたもので、山まゆが、繭をつくる櫟(くぬぎ)のこと。そのガクの音を借りて、謔(おかしくしゃべる) 嗷(のびのびとうそぶく)などの語の仲間に当てたのが音楽の楽。音楽でたのしむというその派生義をあらわしたのが快楽の楽。
餌
「食+音符耳(ねっとり、柔らかい)」。
米と肉を混ぜて柔らかく煮た食べ物。
過
咼は、上にまるい穴のあいた骨があり、下にその穴にはまりこむ骨のある形で、自由に動く関節を示す象形文字。過は「辶+音符咼」で、両側にゆとりがあって、するするとさわりなく通過すること。勢い余って、行きすぎる意を生じる。
客
各とは、足が四角い石につかえてとまった姿を示す会意文字。客は「宀(やね、いえ)+音符各」で、他人の家にしばし足がつかえてとまること。また、その人。
道之出口
淡乎其無味
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(だが)「道」のことが、口から(言葉によって)出る時、淡白でその味がない。
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淡
右側の炎はもと、火を三つあわせた会意文字。淡は、水にそれを単なる音符としてそえた字で、火が盛んにもえるという原義には関係がない。澹と同じく、静かに安定して、刺激のないこと。
味
未は、細いこずえの所を強調した象形文字で、「微妙」の微と同じく、細かい意を含む。味は「口+音符未」で、口で微細に吟味すること。
視之不足見
聴之不足聞
用之不可既
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視ても見るに足るものでなく、聴いても聞くに足るものでない。(しかし)これを用いるのに、使い尽くすことができないものである。
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既
旡は、腹いっぱいになって、おくびの出るさま。既はもと「皀(ごちそう)+音符旡」で、ごちそうを食べて腹いっぱいになること。限度まで行ってしまう意から、「すでに」という意味を派生する。
つくす。つきる。食べつくす。…してしまう。
楽与餌 過客止
道之出口 淡乎其無味
視之不足見 聴之不足聞
用之不可既
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音楽と(柔らかい)食べ物が、
通り過ぎようとする客を立ち止らせるものだ。(だが)「道」のことが、口から(言葉によって)出る時、淡白でその味がない。視ても見るに足るものでなく、聴いても聞くに足るものでない。(しかし)これを用いるのに、使い尽くすことができないものである。
▽ ちょっとシンプルな解釈!? ▽
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執大象 天下往
往而不害 安平大
楽与餌 過客止
道之出口 淡乎其無味
視之不足見 聴之不足聞
用之不可既
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大いなる象(かたち)をしっかりつかまえたものは、天下を広がるように前進する。前進しても、進行を止めるものはない。安らかで、穏やかで、大きい。音楽と(柔らかい)食べ物が、
通り過ぎようとする客を立ち止らせるものだ。(だが)「道」のことが、口から(言葉によって)出る時、淡白でその味がない。視ても見るに足るものでなく、聴いても聞くに足るものでない。(しかし)これを用いるのに、使い尽くすことができないものである。
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