「Bi-Dir」モードにすると、Gainは落ちますが、いわゆる「8の字」の2方向ビームになります。正反対の2局とラウンドQSOする時などに便利ですね。 (写真は、Retract Mode でエレメントを巻き取った状態の表示。)
【キャリブレーション】
「設置が長引いたのは、コントロールの初期出しが難しいせいでしょうか?」との質問がありました。設置工事の長引いた最大の原因は、敷地の割りにアンテナがデカかったことです。とはいえ、タワーを建てるスペースがなく屋根馬に上げている方もいるそうですから、独特の構造を事前に充分に把握して着手すれば、スムーズに上がるのではないかとも、思います。
初期設定は、そんなに難しい操作を必要とはしていません。7MHz&10MHzオプションの初期設定と、周波数ごとのキャリブレーティングが必要ですが、最近のモービル用トランシーバーの操作の方が、私にとってははるかに難しいです。Hi
元々周波数に合わせて伸縮する構造ですから、SWRはそんなに高くはなりません。7MHzなど初期設定だけで最初から限りなく“1”に近かったくらいですから。コントローラーのACコンセントを抜いたり、停電があった時、それにSWRが何となく高いな・・と感じた時に、キャリブレーションを行います。この操作自体はそんなに難しいものではありません。ボーリングで踏み切りの位置を再確認するようなものでしょうか。
【Create & Modify モード】
・全エレメントを個別に微調整する時。
・SWRが高い時、更なるファインチューニングをする時。
・アンテナシミュレーションソフトを使い、自分好みのアンテナ特性にする時。
このモードの操作を行うと、コントローラーにエレメント長が表示され、SWR計を見ながら、エレメント長を0.2インチ(約5mm)単位で変更できます。14MHzのSWRが少し高めなので、やってみました。とりあえずドライブ・エレメントだけですが、なるほど簡単にSWRが下がりました。この状態で“180°モード”でビーム方向を反転してみたら、SWRが高くなりましたので、 こちらでもCreate & Modifyをやり、別々にメモリーできることを確認できました。従来のアンテナでは、エレメントの長さを調節するには、その都度タワーに登らないと不可能です。SteppIRでは、これがシャックに座ったままで出来ます。高所恐怖症の私には、大変ありがたい構造です。
【Retract(格納)Mode】
このモードのもう一つの重要な役割。むしろ緊急時用より、こちらの方が本命かもしれません。
それは、クリスマスツリー状に他のアンテナを上げたとき、SteppIRのエレメントを巻き込んでおけば、他のアンテナへの影響を押さえられるんです。私の場合、いまのところ干渉しそうなアンテナは他にありませんので、関係はないのですが。