カゼの漢方薬


カゼの漢方薬は、体がカゼと戦うのにベストな状態にしてあげるものです。
漢方医学では、西洋医学での病名で、漢方薬を決めません。
体の状態や症状に合わせて、色々な漢方薬を使い分けます。
病名でなくその人の今の状態で漢方薬が、決まります。
むしろ漢方薬名が、病名となります。
たとえば、葛根湯の症の方は、葛根湯病と言う事になります。
ですから症が、合っていれば、葛根湯は、肩こり、カゼ、下痢、麻疹、頭痛、急性・慢性鼻炎、その他
に、応用されます。おおまかですが葛根湯は、太陽病の実証で、頭痛、発熱、悪寒があって
汗の出る傾向は、まったくなく、首の後ろが凝る場合に用います。
症が、違うのに葛根湯を飲むと悪化することになります。
その時、状態や症状に合わせて漢方薬は、使いますので、食事や養生は、大事となります。
状態や症状は、今どの様に感じているか、どの様に見えるかで判断します。
たとえば、漢方での熱は、体温計での熱では、ありません。
自覚的に熱く感じるかどうかです。


葛根湯

カゼの引き初め、比較的体力のある人。
頭痛、発熱、寒気があって、首・肩・背が凝る場合に
その時、汗はかかない。
なにもしてないのに、汗が出ている場合は、桂枝湯
胃腸症状が、ある時は、柴胡桂枝湯にしたり、小柴胡湯を合わせて用いる
服用する時は、お湯または、生姜湯など温かいもので服用する。
その時30分位お布団に入り背中を温めてあげるとより良いと思います。
汗をかいたらタオルで拭いて着替えること


麻黄湯

カゼの初期で頭痛、発熱、寒気が強く、節々が痛む場合に
その時、汗はかかない。
短期間に用いる。体力のない人、汗のでる人には、用いない。
服用する時は、温かい飲み物で服用し体を冷やさないように


小青竜湯

頭痛、発熱、悪寒あり。
水っぽいクシャミ、薄い水のような痰や鼻水がでる。
体力的には、中ぐらいか少しおちるぐらい
服用する時は、温かい飲み物で服用し体を冷やさないように


銀翹散

カゼの初期で、寒気はなく身体がボーッと熱ぽい。
のどがイガイガと痛く、口(のど)が渇き、せき、頭痛のある場合


香蘇散

全て症状は軽いが、なんとんくすっきりしない、頭や胃の辺りにポーンとした膨張感がある。
気滞の感冒に
老人や小児の軽度な風邪、吐気や軽く下痢をともない胃腸が疲れている場合に


麻黄附子細辛湯

熱感はあまりない、とにかく体がだるくて、何もする元気がでない。
顔色血色があまりよくなく、生気がない。 微熱がある時もあるが、高熱はなく、フトン蒸しをすると気持ち悪い
体力の予備がなく低血圧症のひとが、かかり易いカゼで老人に多く、
子供に用いる機会はほとんどありません


小柴胡湯

普通カゼの後期に使い、熱感・悪寒ほとんどない
身体がしんどく、食欲がない、胸が気持ち悪く吐気がある。
症状が、胃腸や肝臓周辺に影響した場合。
風邪薬や医薬品などで胃を障害し、食欲がなくなった場合も使います。


柴胡桂枝湯

軽い微熱、頭痛、寒気あり、みぞおちの辺りにシクシクと鈍い痛み、
自然に汗ばみ、体力のない方の風邪、こじれた風邪に
症柴胡湯の症に微熱や頭痛などの表症のある方に


五苓散

体力的には、普通で吐気、下痢のある方に
単独で使うより他の漢方薬と合わせて使用することが多いと思います。
口が渇いて水をほしがる。小便が少なくなる。朝方ムクムなどの時に使う
また大量の水分の多い嘔吐で水性の下痢に使います。
私は、柴胡剤と使うことが多いです。


牛黄

血熱を下げるといわれています。
熱が、頭の中に、こもって苦しい時などに
他の漢方薬と合わせて使うことが、多いと思います。

最初に戻る