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02/8/03

Leon(8:30)〜Villar de Mararibe(14:43) 21.8km 晴れ

 前日、Leonの巡礼宿で「巡礼パスポート」を発行してもらったLeonスタート組もSun Marcos橋を渡っていよいよ300kmの巡礼の旅に出発。
Leonは大きな街だ。1時間歩いても街並みが続く、Virgen del Caminoを過ぎたところで道は二手に分かれ、左に道を取る。木陰ひとつ無い炎天の洗礼を受ける。しかし、800mを越える高度と時々吹く涼しい風のおかげであまり暑さを感じない。長田さんの先導でゆっくりしたペースで歩を進める。足に豆を作った人もいたが皆さん元気だ。昼過ぎに通りかかった村のBARで休み、きょうの宿泊地まであと4.3kmと聞いて大ジョッキーを2杯も空けた人もいた。
 巡礼宿に着いて宿泊をお願いするが、満室だという。すでに、2階の廊下にまでマットを敷きつめて昼寝をしている人がいる。次の巡礼宿のあるところまで12kmもある。初日からベッドがないとは。 せめて、4人の女性たちのベッドだけでもと思い、近くの民家に頼み込む。われわれの願いが通じたみたいでやがて巡礼宿の土間に8枚のマットを敷いてくれ、とりあえず寝床は確保できた。
 夕食はこの村唯一の食料品店が17:00に開店するのを待って仕入れた食品を持ち寄ってマットの上で疲れと、安堵感で満ち足りた夕食。酔いもまわり、長田さんがハーモニカを持ち出すと、歌が。そして、市川さんご夫妻、井上さんの3部合唱がはじまり21:00前まで楽しんだ。あすのことを考え、まだ、明るいうちに寝床につく。

03/8/03

Villar de Mararibe(6:00)〜Astorga(16:00) 29.0km 曇り一時雨、のち晴れ

 全員5時に起床、まだ寝ている人も多い。5時半から巡礼宿前面の歩道に座り込んでパン、牛乳等で朝食。6時きっかりに出発。寝れなかった人もいたようだが優秀だ。村を出ると真っ暗だ。曇っていて月明かり、星明りもない。それでも、10分も歩くと目が闇になれてくる。前方、遠くの方で時折光るものが見える。周りの風景も徐々に分かるようになった。一面、とうもろこし畑だ。大規模な散水施設もある。久しく見なかった光景だ。1時間も歩くと前方の光が稲妻だとはっきり分かるようになる。雷鳴も聞こえるようになる。 
 7:42後方を見ると朝日が登っている。雨粒がひとつふたつ体にあたるようになり、雨具の用意をすると雨が落ちてきた。後方の低い空から太陽光を受けながら雨の中を歩く。12km歩いたVilladangos del Paramoに着く頃には雨があがっていた。(10:00)
Astorgまで17kmある。時差、旅の疲れ等を考えここで泊まるか、いまの時間を考えAstorgaまで行く(ただし、明日は休養日とする)か協議し、Astorgaに向かうことに決定。このペースで歩くとAstorga着は16:00頃になる予定なので田村さん、保地が先発し、AstorgaのHostalを押さえることとする。後発組みは長田さんを先導に6名。
 巡礼道は自動車道に平行して付けられている。このコースの圧巻はSan Justo de la Vegaの手前の丘の上から見下ろすAstorgaの街、そして、ひときわ高くそびえているカテドラルとガウディ設計の建物。ガウディの建物はともかく、この光景を見て、過去、多くの巡礼者が旅の区切りしただろうと思いをはせる。
 後発組みがAstorgaに着いたのが、きっかり16:00。10時間の歩行、ほんとうにお疲れさん。

05/8/03

Astorga(6:00)〜Rabanal del Camino(11:42) 19.5km 晴れ、一時雨

 きょうはショートコース。なだらかな登り。ほぼ、1時間ごとに村があり、適当な休憩ポイント。宿泊地の高度が1149mと好条件にめぐまれピッチもあがる。みなさん驚いていたのは、1kmほど見通せる巡礼の道にほとんど途切れることなく巡礼者が歩いている。このような光景を見るのはピレネー越えの時以来だ。
 Rabanal del Caminoは1500mの峠越えを控えてここで泊まる人が多い。定数50名以上の巡礼宿が3つもある。われわれの泊まった巡礼宿も遅く着いた人は廊下等にマットを敷いて寝ていた。
 昼寝をしていると回りが騒がしくなったので起きて外へ出てみると、小指大のヒョウが降っている。この巡礼中、ヒョウを見たのははじめてだ。
 きょうの巡礼宿にはキッチンがあったので、それぞれ、おいしいものを作って食べてたみたい。
 夕食後、近くの広場で合唱。雨に追い立てられて9時過ぎに巡礼宿へ。真夜中にも激しい落雷に起こされる。山が近いからだろうか。

06/8/03

Rabanal del Camino(6:00)〜Riego de Ambros(12:39) 21km 晴れ、一時雨

 Albergueを出るとすぐ山道に入る。暗闇の山道は歩きにくい。朝の涼しさも手伝って着実に歩を進める。自動車道があらわれ、以降、山道と自動車道を交互に歩く。きょうは1515mの峠への登りだ。
 歩きながら、今朝の食堂見かけた情景を思って気が晴れなかった。5時20分ごろ食堂に入ると、昨夜の宿泊者が多かったようでフロアーにマットを敷いて寝ている人が数名いた。彼等の睡眠を邪魔しないように静かに食事をしていると7、8名のフランス人が入ってきて長テーブルを囲んで声高しゃべりはじめた。しばらくすると、私の横に座っていた茶色い僧侶の服を着た男(僧侶かも知れない)は土足のまま椅子の上に上がりテーブルに座って大きな声でしゃべりはじめた。彼のすぐ後では疲れてまだ休んでいる人がいるのにこの傍若無人のふるまい。注意をすると、素直にあやまったが...
 巡礼の道には相変わらず人の流れが途絶えない。
 峠に近づくと道端の石をひろって持って歩く人を見かける。峠には石が積み上げられ小山のようになっている。積み上げられた個々の石を見ると、何か書いている。中央の柱の根元にもいろいろの願い(たぶん)を書いた紙が貼り付けられてある。なにかどこかで見かけたような風景だ。
 道中一番高い峠を全員無事越えてほっとする。大きな山塊だ。
 峠からの急な下りを飛ばして行く自転車が多い。
 きょうの宿は、小さな村の小さなAlbergueだ。

07/8/03

Riego de Ambros(6:32)〜Cacabelos(15:02) 27km 晴れ、一時雨

 自動車道を下り切ると川越しに美しい村(Campo)が見える。大きな山越えを終え皆さんのホッとした顔。小休止し記念撮影。Campo村を抜けしばらく進むみ細い路地を突き抜けるとと大きな城壁が見える。Ponferradaの城跡だ。心残りながら先を急ぐため、小休止し出発。大きな街だ。
 街を抜けると、教会の塔など高いとこるにコウノトリの巣をよく見かけるようになった。日が高くなり暑くなってきた。道は農道に入りしばらく行くと、先方を歩いていた井上さんが畑仕事をしている人に何か話しかけている。トマトを15個ほどせしめていた。たしか、スペイン語はできないはずだが...
 きょうの宿泊場所はCacabelosの町を通り抜け、橋を渡ったところにある教会併設のAlbergue。2名1室でシャワー室も清潔だ。夕食まで時間があったので川に浸かったが、冷たく思わずみぶるいした。子供達は欄干から飛び込むなど元気なものだ。
 夕食は皆で町を出て感じのいいレストランでしたが、メニューがよくわからなかったので、ウェーターにゼスチャーで説明してもらい大笑いしながらおいしい食事を楽しんだ。

08/8/03

Cacabelos(6:02)〜Vega de Valcarce(13:28) 23km 快晴

 夜明け前の暗いなだらかな登り道を1時間ほど行くと、Villafranca del Bierzoの町。ちょっとした町なのでちょっと一杯とBARを探しながら歩いたが1軒もない。しかも、人どうりも無い。不思議な町だ。町を通り抜けると、道案内標識が二手に分かれている。左手が自動車道。われわれは右手の山道をとった。登れも登れも峠に出ない。左手のはるか下方を見ると楽々と歩いている。2度の小休止をとってもまだ終わらない。われわれに追いついてきたカナダ人に"You are storong man"と言うと、彼は"You are crazy"と言って大笑い。やっと下り道に入るとそこは見事なくり林。
 夕食はAlbergueで。宿泊料4ユーロ、夕食代6ユーロ。
 Albergueで休憩していると娘さんに刺青を画くので日本語を書いてくれとせがまれた。『高倉命』と書いてあげた。

09/8/03 Vega de Valcarce(6:04)〜Alto del Poio(13:29) 17km 晴れ

 きょうは巡礼道、最後の大きな登り。Cebreiroの峠、標高はわずか1300mだがセビレイロと聞いただけで胸がたかなる。2時間ほど登ったところにあるLa Faba村の電線のすずめには驚いた。どこから来たのかこんなにたくさんのすずめを見たのははじめてだ。さらに登りGALICIAの国に入ったことを示す道標を過ぎると峠はもうすぐだ。
 「ええ! ここがCebreiro?」雰囲気は六甲山頂。ドライブウエイがあり、観光バスが停まっている。われわれを見て写真を撮っていく人もいる。冷たい風で体を冷やすと早々に出発。きょうの宿泊地はここから7km先のAlto del Poio(1337m)。炎天下のドライブウエイをひたすら歩く。

 
10/8/03 Alto del Poio(6:00)〜Sarria(14:18) 29km 晴れ

 峠からの下りは自動車道をとる。闇の中に小さな光が見えたと思うと猛スピードで自動車が近づき通り過ぎる。ひやっとさせられる。
きょうは、長い下りと距離が待っている。2時間近く歩いた所で右方を見下ろすと四方山で囲まれたところが真っ白く見える。まるで大きな湖のようだ。自動車道をはなれ巡礼道に入り2時間ほど霧の中を歩くとTriacastelaの村だ。標高665m,700m近く下ったことになる。巡礼宿のほかBARが何軒もありにぎわっている。ここで飲んだ冷たいビールのおいしかったこと。
 ここからSarriaまで17km。村を出るとすぐ登り道、220mほど登る。20人ほどの子供づれの集団と出会い追いつ追われつのデッドヒート。追い抜くときは、お互いに"Hola ! Buenos dias"空荷だからこの村からハイキングでもするのだろう。お年寄りもいる。サポートの車もついている。
 Sarriaは標高420m,長い下り道で足を痛めたものもいる。Sarriaは旧市街を取り囲んで新しい街並みがある比較的大きな街だ。本日の宿泊所はホテル組と体育館組に分かれる。
お疲れさんでした。


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