泉州に再住一天

     泉州は現在、高層マンションやホテルの建築ラッシュです。
    人々は、どんどん近代化に変貌してゆく泉州をどう思っているのでしょうか?
    僕は何故か居心地が良い泉州にもう1泊することにした。
    ホテルの受付へ行き、「再住一天」と言って、僕は外に出た。

     昨日は朝から泉州の街をブラブラ。
    泉州は福建省の東南沿岸部に位置する街で、かつては海のシルクロードの起点として、世界中からの貿易商人が集っていたこともあり、町中にはモスクもある。
    『清浄寺』というのが、それであるが、あいにく一枚も写真を撮っておらず、日記にも「行った。」としか書いていないので、よく覚えてはいない。

    他には、『関岳廟』や『天后宮』へ行ったりと、どれもサラッと見学。寺に行くのも、もう飽きました。
    俺は別に寺院巡りが好きで行っているわけではない。
    散策の目標地点として、ここからここまでを歩いてみよう。
    というふうに歩いているだけなので、メインは寺院や公園ではなく。
    その途中の行き当たりばったりに入っている、脇道小道だったりする。

    泉州街風景

    でも寺に行っても、おもしろい光景を見ることもありますが。
    昨日行った『銅佛寺』は境内が、じいちゃん&ばあちゃんで埋め尽くされて、麻雀サロンとなっていたり、『泉州府文廟』の周辺は古い家が再建されて、異国情緒があって、良い雰囲気だったりと、新鮮な気分になることもあります。
    そして、『開元寺』周辺も、またゴチャゴチャしていて楽しかったです。

    『開元寺』は、とても広くて、東西の塔も立派で見応えがありましたが、塔の真下は、鳩のウンコがたくさん落ちていたので、少し離れて見学しました。
    この寺を出たのが、4時くらいだったと思う。
    もう、これくらいの時間になったら、あとは行き当たりバッタリです。
    とりあえず、宿の方向へ向かって、路地裏へ入ったりとブラブラ。
    日も傾き始め、古い民家の土塀が夕日に照らされ、鮮やかな黄金色になってきた。

    泉州府文廟
    銅佛寺の境内

    写真もたくさん撮りたいが、カメラを向けると、ほとんどみんな逃げてしまう。
    お婆ちゃんなんか、家の扉を閉めてしまい、それっきり出てこなくなってしまった。
    無邪気に遊んでいる子供達もカメラを向けると逃げてしまう。
    何か、ものすごく俺が悪いことをしている気分になってしまいます。
    たまに撮らせてくれる人がいるのが、せめてもの救いですが、やっぱり逃げられたりすると、ショックです。

     中国へ来て、泉州が、もう5つ目の街。
    最初こそは、上海の高層ビル群に圧倒され、驚いてはいたが、移動をして新しい街へ行くたびに、大通りに面する表面的な、見栄っ張りのような街並みよりも、人間の息づかいを感じることが出来る
    路地裏を歩いている方が、当然だが、中国へ来たなと感じる。

     昨日は、そんな路地裏ばっかり歩いていたが、今日は街中から少し離れた、老君岩という風景区(景勝地区)に行きます。
    ちょっと自然が恋しくなってきました。
    早点(朝食)屋台を探しながら、ブラブラと歩いていると、東湖公園まで来ていたので、ちょうど近くに出店していた屋台で朝食をとることにした。
    何かのスープに具を選ぶらしいので、僕は卵にしてもらい、そして油条(ヨウテイアオ)を注文した。
    油条とは、油っこい揚げパンです。

    左:泉州関岳廟にて 上:泉州路地裏にて

     東湖公園の前のバス停へ行き、老君岩へ行くバスがあるかどうか確かめてみた。
    こういう時、中国は便利です。なんてったって漢字ですから。
    15番と30番のバスが老君岩まで行くことがわかり、どちらかのバスがくるまで待っていた。
    15番のバスが先にやって来たので、それに乗り、集金係の人に地図を見せて”老君岩”を指し、2元払って切符を購入。2元(約30円)で老君岩までいけるのか。これは嬉しい。

     老君岩はヒゲの爺さんの岩ですが、これを見るだけで15元もかかってしまう。
    僕の予定は、今日1日ここの風景区をハイキングしながら、周辺の寺などを見学する予定だったのに・・・
    その場合は45元もかかってしまうので、金のない僕はハイキングコースを途中まで歩くことにした。
    山を登るにつれて、徐々に景色が良くなっていく。少し霞んではいますが、いい眺めです。
    冷たい風も、汗をかいている僕にはとても気持ちがいい。
    寺まであと何メートルという道しるべが、現れたので、集金所の手前までは行き、金を払っていない僕は下山することにした。

    僕はまた15番のバスに乗って、東湖公園前まで帰って行った。
    またブラブラと宿まで歩いて帰ろうかなと、僕が中国ですっかりハマッテしまった、
    台湾生まれの飲み物、珍珠如茶(ゼン・ツー・ナイ・サー)というゼリー状の玉が入った、コーヒー飲料を飲みながら、ブラブラと宿へ帰った。

    老君岩

     まだ日があるうちにホテルに戻ることが出来、少し休んでから夕食を食べに出かけた。
    今晩の食事は、昨日、ホテルの裏にある美食街で見かけた、土鍋の中身を喰うことだ。
    昨日の夕食後、ここを歩いた時に発見して、気になっていた一品だ。中身はなんなのだ?
    一軒の店へ入り、「この土鍋の中は何?」と聞くと、店員は土鍋の蓋を取って、俺に中身を見せてくれた。
    土鍋の中は、鳥が一匹、煮込まれています。うまそー!
    でも、ちょっと量が多いかも。

     しかし!海外旅行において、食に対しては常にチャレンジャーでいたい俺は、量が多いなんてことで引いてられません。
    俺は意を決して、その料理と青菜と白飯を注文した。
    さぁ!鳥一匹に挑戦だ。大量のショウガで煮込まれた鳥はとてもおいしい。
    半分くらいは、おいしく食べることが出来ましたが、もういい。くどい。
    でも28元もしたのだから、がんばって食べなければ。野菜もまだ残っている。
    白飯と野菜炒めは、頼むんじゃなかった。と後悔するが、もうダメ。
    ゲップとギブ・アップ。鳥の頭部を残し、野菜も少し残し、お茶をズッズーと。
    お腹いっぱいで動けない俺は、お茶のおかわり。

     夕食を食べた後、宿へ帰り、部屋でゴロゴロと福州で買ったピスタチオを食べながら、ダラダラとテレビを見る。

    海外旅行に来ているというのに、すっかりだれてしまってます。
    さらに安酒を飲んでしまい、完全にやる気無し。
    でも、明日は是非行ってみたいと思っていた街、廈門へ行きます。
    楽しみ。楽しみ。