流された街、梧州

     午前9時に柳州を出発したバスは、市街地を抜け、田園と奇峰がおりなす風景を走っている。

    僕は、そんな風景を眺めていると、いつの間にか眠ってしまい、目が覚めると、外の風景から奇峰が消えていた。
    バスは1回の休憩を入れ、午後1時40分(13:40)に玉林のバスターミナルに到着。

    「以外と早く着いたな。これだともう少し、進むことが出来るな。」
    僕は予想以上に早くに玉林に到着したので、広州行きのバスが有れば、それに乗るつもりだ。
    ビザの期限も今日を含め、あと5日しかありません。しかし、あいにく広州行きのバスは夜間に出発だ。
    どこか行ける場所はないだろうか?広州に近づくような。と
    僕がバス表を見つめていると、”梧州”という文字が目に入った。
    しかも出発は14:00です。これを逃すと次は16:00だ。よし!梧州へ行こう。と
    僕はすぐにバス切符を購入。梧州まで行けば、広州に近くなる。

     一度、訪れたことのある街に、再訪するのは、とても楽しみですが、梧州は先週、大洪水に見舞われてしまった(ニュースで知った)ので、少し不安。
    これは帰国後に知ったことだが、この辺りは、周辺の森林伐採のため、毎年この時期になると、川が氾濫して、水害が起こっているようである。

     バスは約3時間半後の17:30に梧州河西汽車站(バスターミナル)に到着。
    この辺りは、以前と同じだ。変わり有りません。
    川沿いの河東バスターミナルの周辺はどうなっているのだろう?
    僕は、以前その近くに宿をとっていたので、市バスに乗って行ってみることにした。

     川沿いの街へ着くと、街の色が全体的に土が乾いた色をしていた。

    川沿いの道は泥だらけで、作業員達がスコップで泥を取り払っていたり、消防車も数台出動して、街の清掃作業をしている。川沿いの店は、ほぼ全店が休業状態となり、
    頭上にあるはずの看板が、なくなったり、壊れたりしている。
    銀行の側にはボートが放置していたりと、洪水の爪痕が生々しい。

    僕は以前と同じ宿に宿泊しましたが、1階は段ボールが敷いてあり、ソファーなどは無くなっている。
    電気系統の復旧も急ピッチで進められている。

     以前行ったことのあるカメラ屋も天井まで水が流れ込み、壊滅状態。
    小さな商品棚に、数本のフィルムが置いてあるだけだった。
    周辺の住宅も1階は水没して、2階から出入りしていたのであろう。
    各家には梯子が、架けられている。そんな道ばたには家財道具が干されている。

     しかし、市場はやっていました。さすが梧州パワー!今日も活気でいっぱい。
    僕は地図をみることもなく、あっちへブラブラ、こっちへブラブラと、以前歩きまくった成果をここで発揮。
    懐かしいですね。市場やこの町並み。まだ1ヶ月も経っていませんが、色々行きましたからねぇ。
    気分的にとても楽です。落ち着きます。中途半端な街、梧州は。
    やっぱり来て良かった梧州に。

     翌日、僕は梧州の街散策のついでに散髪をした。
    蘇州のときよりか、ましです。
    そろそろ、今回の旅のゴールが見えてきました。