柳州を食い尽くせ

     AM8:30定刻通り出発したバスは柳州へ向かって南下。
    バスはゆっくりと山道を走っている。「あーこの風景も見納めなのか。」と僕は窓を全開にして、山々に囲まれた村や棚田の風景を見つめていた。

     バスは快調に走り続け、やがて龍勝、三江でよく見かけていた木造家屋が姿を消し、土壁の家屋が目に付くようになった。道路も2車線になってくると、赤レンガの家屋に変わっていった。

    しかし眼下に広がる田園風景は変わることもなく、水牛達がのんびりとしております。
    さらにバスは走り続け、龍勝、三江よりも大きな街、融安を通過。
    この辺りから、遙か彼方に奇峰が見え始め、僕にとっては懐かしい風景が現れだした。

     そしてバスは三江を出発してから、約5時間後、柳州のどっかの道沿いのバス停に到着。
    ちゃんとバスターミナルまで行ってください。現在位置が分かりません。
    僕は数人の柳州市民に聞き、現在位置を確認して、中国銀行を目指して、歩き出した。
    現在の所持金は76元。中国の宿は前金制(デポジット)なので、この所持金では宿泊出来ません。
    やっと大きな中国銀行を発見して、両替。上海の時と比べると、40元ほどレートが良い。

    柳州の街

     さあ、お次は、宿探しです。僕はガイドブックを頼りに繁華街を目指すつもりですが、この辺り、バスターミナル周辺もメッチャ繁華街です。この辺りの旅社でもいいかな?と思いましたが、初めて柳州に来た僕としては、柳江大橋を渡ってみたかったので、久しぶりの快晴の中、重いリュックを背負って、柳江大橋を渡り、デパートやビルが多い、繁華街に到着。

     ガイドブックに載っている安そうなホテルを探すが、どのホテルもランクアップしており、僕には手が届きません。
    今回の旅ではガイドブックに裏切られっぱなしなので、早々にあきらめて、バイタクの兄ちゃんやタクの運ちゃんに「安いホテルはありませんか?」聞いてみた。

    聞くのも一苦労。聞き取るのも一苦労。
    何を言っているのか、ほとんど理解できず、ただオッチャンが指さす方向に向かって歩いていると、やがて大きなホテルが、僕の前に立ちはだかった。
    しょうがない。もう同業者に聞くしかありません。僕は中へ入った。
    ウッ!ここも三つ星ですか。僕はレセプションへ行き、「1泊=100元くらいの所ありませんか?」と聞く。
    さすが三つ星です。対応が良い。快く教えてくれました。
    教えてもらったホテルに行くと、「対不起(ごめんなさい)ここは外国人は宿泊できないの。」だって。
    僕はもう1時間半も重いリュックを背負って歩いていたので、とても疲れていた。


     もう一度、さっきの三つ星ホテルに行って、聞いてみようと、再び澤豊大酒店へ。
    僕は柳州は都会なので、100元のホテルはあまりないと思い、150元まで値を上げて聞いてみると、「有(有る)」と言う。「何処?」と聞き返すと「ここよ。」って言うではないですか。
    僕は「本当にここ?1泊=150元?1泊=250元って書いてるやん。」と聞き返した。
    「YES!」と再び返ってきたので、そしたらここに1泊します。と言ってチェック・イン。

    前金は三つ星ホテルらしく、豪華に500元も取られてしまいました。
    あらまぁ、また両替に行かなければ。僕は係りの人に部屋に案内された。
    とてもキレイです。8階なので景色も良い。電気系統も故障がなく、ベッドの側の台のリモコンでピピッって感じ。
    もうここは僕にとっては5つ星級でございます。僕はしばらく、この豪華な部屋でボーッと。
    「あーやっぱり金持ちっていい気分なのね。」と実感する。

     やっと僕は外出して、昼食と安ホテル探しに出かけた。
    1軒のホテルへ行き、1泊いくらですか?と訪ねると、98元だった。
    僕の予定では柳州に3泊の予定なので、豪華三つ星ホテルだと450元。
    明日、宿をここにした場合は346元です。100元の差額にあっさりと極楽気分を捨てることにして「また明日」と言って、僕は街をブラブラ。

    柳州にて。右の写真は、スイカです。

     柳州は夜になると、屋台や市場が出るところが、いくつかあります。
    昨日は、魚峰公園近くの夜市で、アヒルの足首と青蛙の炒粉を食べました。
    バッチシ皮まで着いています。青蛙って、骨が多いのですね。初めて食べた。
    今夜はバスターミナル近くの夜市へ行くことにした。
    繁華街の夜市は、食べ物屋台が少なく、果物ジュース屋と服屋が多かったが、ここは食べ物屋台が多く、みんな簡易テーブルと椅子をだしている。

     僕はこの活気が大好きです。毎日、こんなことやっているのかと思うと、とてもうらやましい。
    なんで、日本では、こんなことは出来ないのでしょうか?
    僕は「ニーハオ」と言って、一軒の屋台へ。
    今晩のメニューは豚足と白飯そして、中国野菜炒めです。
    青蛙はもういりません。他の奇妙な食材も食べてみたかったのですが、もうお腹いっぱい。

    他の店には、犬肉や兎肉を扱っているところもありますが、これらの肉って、思っていた以上に値段が高い。
    柳州を食い尽くせ!と意気込んでおりましたが、たった3日じゃ、無理です。
    でも中国に来て、こんなに多種多様な食材を見たのは、柳州じゃないでしょうか?
    他の街でも、驚くくらいの食材がありましたが、僕が印象に残っている、食材豊富な街は柳州です。
    明日は柳州を去り、とりあえず玉林に行く。


    屋台の食材