A Day In The Life/Wes Montgomery/A&M SP-3001
アルバム名 : A Day In The Life/Wes Montgomery
アルバム番号: A&M SP-3001
リリース国 : U.S.A.
リリース年月: 12/1967
メディア  : LP


Wes Montgomery(g) with orchestra arr. & cond. by Don Sebesky:
George Marge, Romeo Penque, Joe Soldo(bfl) Stan Webb(bfl.wowi) Phil Bodner(wowi) Ray Al-
onge(frh) Julius Brand, Peter Buonconsiglio, Mac Ceppos, Lewis Eley, Harry Glickman, Ha-
rry Katzman, Leo Kruczek, Gene Orloff, Tosha Samaroff, Sylvan Shulman, Harry Urbont, Ja-
ck Zayde(vln) Harold Coletta, Emanuel Vardi(vla) Charles McCracken, Alan Shulman(cel) M-
argaret Ross(hp) Herbie Hancock(p) Ron Carter(b) Grady Tate(dr) Ray Barretto, Jack Jenn-
ings, Joe Wohletz(per)
                           Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, New Jersey; Jun.6, 1967
          A Day In The Life                 [5:30] 
          California Nights                 [2:35]

same personnel:
                                  Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, N.J.; Jun.7,1967
          Angel                             [2:46] 
          Eleanor Rigby                     [3:00] 
          Windy                             [2:20]
          The Joker                         [3:00] 
          Watch What Happens                [2:37] 
          When A Man Loves A Woman          [2:48]
          note: According to the memo of Creed Taylor, there is no recording on June 8. 
                Probably. June 8 is recording of only the orchestra. 

same personnel:
                                 Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, N.J.; Jun.26,1967
          Willow Weep For Me                [4:35] 
          Trust In Me                       [4:23] 

                          

 初めてこのジャケットを見た時タイトルといい写真といい斬新というのか常識外れというのか、 とにかくジャズ・アルバムとしては今までにないものであった。 先ずアルバム・タイトル《ア・デイ・イン・ザ・ライフ》は知ってのとおりビートルズ・ファンで なくとも音楽を愛する者なら1967年彼等の大ヒット作であることは言うまでも無い事である。 藤宗会員にこの曲の経緯について調査していただいたので報告する。 「ビートルズ・ファンの知り合いに昔の雑誌等を調べてもらった結果〈ア・デイ・イン・ザ・ライ フ〉について次のことが分かりました。」   1月19日 〈ア・デイ・イン・ザ・ライフ〉のレコーディング開始   2月10日 オーケストラ部分のレコーディング(ヴィデオが撮られ業界に出回った模様)   5月19日 BBCが放送禁止とした(ということはラジオでは流されていた?)   6月1日 LPがイギリスでリリース   6月2日 続いてアメリカでリリース   6月3日 ジミ・ヘンドリックスが早くもライブでレパートリに使う 「というわけで、C.テイラーも、D.セベスキーも2月の時点で〈ア・デイ・イン・ザ・ライフ〉 を聴いており、ウェスを迎え入れる準備とファースト・アルバムの構想は着々と進められていたこ とになりますね。」 このように12月になってビートルズのヒット作ををそのまま新作のタイトルとしてウェスを売り出 したのが功を奏し、ジャズ・アルバム (ジャズでないと言い張る人のためにイージィ・リスニング ・ジャズといっておく) としては今までになかった20万枚以上、ビートルズも羨む?ヒットを飛 ばし続けることと成った。 なかでも挿入曲の〈ウィンディ〉はポップ・グループの "アソシエーション" がヒットさせたもの で、当アルバムからもシングル・カットされたほどである。( ジャケット左上の赤いシールに書か れてある) そして、このジャケットを見た時なんと "汚らしい" と感じただけでなく、あの消しタバコの独特 のいやな臭いまで漂いそうであった。 実は "A&M" の3作品に限らず、ウェスの死後も "CTI" として独立したあとの全てのジャケ ット(確認した訳でもない)が写真家ピート・タナーによる撮影が使われている。 勿論今となればこの "吸殻ジャケット" も味わい深いものがあり、なかなか素人では及びつかない アングルである。 やはりタバコと言えばウェスの代名詞ともいえるもので、生涯彼がジャズとタバコをこよなく愛し たものの彼の死因がタバコの吸い過ぎも一因と囁かれたのも皮肉な話しである。 ピートによると "吸殻ジャケット" のタバコとウェスが吸っていたものとは何の関係もなかったと いうが、実際ウェスが吸っていたタバコの銘柄について調べてみた。 私自身吸わないのでよく解らないところもあり "吸殻ジャケット" に写っているのは "ラッキー・ ストライク" と女性が吸った2種類のようですが、評論家の成田正氏に聞いた話しによると。 marlboro 「アロンゾ・ジョンソン (1950年中頃モンゴメリ兄弟が結成した、モンゴメリ/ジ ョンソン・クウィンテットは《モンゴメリ・ブラザーズ・アンド・5アザーズ》に 参加したインディアナポリスの友人) はウェスの命日前後になると墓石は "マルボ ロ" の山で埋め尽くされるというし、NY在住でジミィ・コブの愛弟子 (邦人ドラ マーで "ハーフ・ノート" セッション時にコブの使ったトップ・シンバルを所有) がウェスの墓参りに行ったとき "マルボロ" を供えたと想い出を語ってくれました」、とのことで ある。ただ、成田氏が1998年の同時期に訪れたときはなかったそうです。 私は雑誌などで掲載されたウェスの写真を見る限り、どうも後年吸っていた銘柄を変えたのではな いかと思う。 つまり《ソー・マッチ・ギター》《プリティ・ブルー/2枚組》それに《ギター・オン・ザ・ゴー》 などのジャケットに写っているタバコの吸い口のフィルターが茶系なんです。これが恐らく "マル ボロ" ではないかと思われる。 しかし、SJ誌1985年7月号に掲載されたチャック・スチュアートによる撮影をみるとフィルター が白系、もっともモノクロなんではっきりとは断言できないが他の銘柄のように思う。 この写真は2枚組アルバム《グルーブ・ブラザーズ/Milestone M-47051》にも使われているが、肝 心の左手に持っているタバコ部分が枠外となっており確認がとれない。 想像するならば、ウェスが亡くなる少し前に健康のことを言われニコチンやタールの少ない銘柄に 変えたのでしょうが、いずれにしても成田氏が言うようにウェスの愛煙は "マルボロ" が定説のよ うである。