Road Song/A&M SP-3012
アルバム名 : Road Song/Wes Montgomery
アルバム番号: A&M SP-3012
リリース国 : U.S.A.
リリース年月: 11/1968
メディア  : LP


Wes Montgomery(g) with orchestra arr. & cond. by Don Sebesky:
Bernard Eichen, Charles Libove(vln) Emanuel Vardi(vla) George Ricci(cel) Harvey Estrin, 
Don Hammond(fl.reco) Don Ashworth(ob.reco) Berrard Krainis(reco) Walter Kane(basn) Marv-
in Stamm(tp) Hank Jones(p.hpsc) Richard Davis(b) Grady Tate(dr)
                                  Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, N.J.; May 7,1968
          Fly Me To The Moon                [2:50] 
          Yesterday                         [3:25] 
          I'll Be Back                      [2:30]
          Scarborough Fair                  [4:50]


Wes Montgomery(g) with orchestra arr. & cond. by Don Sebesky:
Bernard Eichen, Charles Libove, Marvin Morganstern, Tosha Samaroff(vln) Emanuel Vardi(v-
la) Charles McCracken, George Ricci, Alan Shulman(cel) Harvey Estrin, Don Hammond(fl.re-
co) Don Ashworth(ob.reco) Berrard Krainis, Shelley Grushkin, Eric Leber(reco) George Ma-
rge(fl) Stan Webb(ob.reco.cl) Morris Newman(reco.basn) Bernie Glow, Marvin Stamm(tp) Wa-
yne Ander, Paul Faulise(tb) James Buffington(frh) Sivert Johnson Jr.(hpsc) Herbie Hanco-
ck(p) Richard Davis(b) Ed Shaughnessy(dr) Ray Barretto, Jack Jennings(per)
                                  Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, N.J.; May 8,1968
          Road Song (aka:OGD)               [3:50]
          Greensleeves                      [2:02]
          Green Leaves Of Summer            [4:00]
          Where Have All The Flowers Gone?  [3:00]


Wes Montgomery(g) with orchestra arr. & cond. by Don Sebesky:
Bernard Eichen, Charles Libove(vln) Emanuel Vardi(vla) George Ricci(cel) Eric Leber(hps-
c.reco) Don Ashworth(fl.ob.cl.engh) George Marge(fl.ob.cl) Stan Webb(fl.ob.cl) Morris N-
ewman(reco.basn) Marvin Stamm(tp)
                                  Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, N.J.; May 9,1968
          Serene                            [3:05]


Puritan Baptist Church  このアルバムがリリースされたのはウェスの 死後であり、遺作とされている。 が、前作の《ダウン・ヒア・オン・ザ・グラウ ンド》がリリースされたのは1968年の5月であ ったから、リリースされたことは知っていたと 思うがウェスは6月15日(土)午前11時、インデ ィアナポリスの自宅で心臓発作を起こしメソデ ィスト病院へ運ばれたが、45歳の生涯を閉じた。       写真提供/成田正

地元6月19日付けの新聞 "インディアナポリス・スター" の1面は、【キャノンボール、デイヴ・
ベイカー、インディアナ大学のジャズ科の講師を含む2400人以上のウェス・ファンが最期のお別れ
をした】、と大きく報じた。
葬儀はパプティスト教会 (ウェスの家の通りから2〜3分のところ) で2日間にわたりとり行われ
17日(月)は2千人のファンが弔いに訪れており、18日(火)は遺族、友人等4百人で厳かに行われた
のちニュー・クラウン墓地に伏された。
その葬儀の模様や追悼の記事がダウンビート誌やSJ誌の1968年8月号で特集されていたので紹介
する。

先ずダウンビート誌では【ウェスに捧ぐ】とし追悼記事を載せている。
「ウェス・モンゴメリに関するインタヴュー記事がダウンビート誌6月27日号に掲載されていたの
は、誠にに時宜をえたことでした。
しかし私がこの記事を読んだのは彼の死後であったが、彼のキャラクターやものの考え方について
の洞察が示されており、彼のデヴューと成功の事実関係だけを報じたインディアナポリス新聞には
今までみられなかった内容であった。
6月18日は晴天の暑い火曜日にも係わらず、白いコンクリートのパプティスト教会に着くと、既に
百人ぐらいが屋外で沈黙していた。
葬儀は予定より20分早く午後1時に始まり、私は教会の前の白い鉄製のフェンス脇で棺が霊柩車へ
運ばれるのを待っていいると、ある人が中に入るよう勧めてくれたので、言われたようにするとマ
イクを通して聖歌が聴えてきた。
それはジョン・クローク牧師によるもので、最初から聴き逃したことを後悔したものです。
付添人が棺を抱えながら階段を降りて行くのを見たとき、彼の死と言うものの現実を感じ彼の兄弟
やメンバー達が悲しみと喪失感を表情に浮かべているのが同時に眼に映った。
彼とは直接会ったことはなかったが、先の5月22日にこのコロシアムで彼のクウィンテットを観た
ばかりだというのに・・同郷であることを誇りにおもっている。」サリー・スチュアート記/イン
ディアナ州インディアナポリス。

「ウェス・モンゴメリが本誌のカヴァー (訳注: ダウンビート誌6月27日号) に用いられることを
彼自身知っていたのが何より嬉しい。
過去私は彼の演奏を2度聴きに行ったことがあり、最初はセントルイスにある誰もが巨大と感じる
キール講堂ですが、演奏中でも掛け時計のチクタクが聞えるほど広いものである。
そして1ヶ月前にはサン・フランシスコの "エル・マタドール" で彼を見かけて思ったことは、と
ても人を楽しませてくれる人物で、絶えず指を鳴らす音、手を叩く音、沸き上る笑い声の中心にお
り、自分の本分を見事に果たしていた事に感動を覚えた。
・・彼は確かに命を含めた限界のことを意識しており、それは彼の墓碑銘にも見られる予言的な言
葉が物語っていた・・でも憂鬱さは感じられなかった。
生前、ウェスの演奏に行ったとき握手を交わしながら私が彼の音楽にのめり込んでいる話をしたも
のですが、ここ近年多くの人が亡くなっている。
ジョン・ケネディ、ロバート・ケネディ、キング牧師、ビリィ、ダイナ、それにコルトレーンのこ
とを忘れることは無いでしょう。
だが、実際に会った事のあるウェスの記憶は彼等とは違った形で残ると思う。
憂鬱さや哀しみを伴うことなく、あのクールな笑顔、いともたやすくこなす演奏振り、 "エル・マ
タドール" でのスウィングにスウィングを重ねたあの夜の記憶は、私の心の奥深く生き続ける事で
しょう。」ロイ・ロット記/カリフォルニア州サン・フランシスコ。


ニュー・クラウン墓地  インディアナポリス市の中心はインディアナポリス国際空港 から車で約30分ほどの位置にあり、そこに34エーカーの広大な "ウェス・モンゴメリ・パーク" があり市民の憩いの場となっ ている園内には野球場やプールが整っている。 ここから少し離れたところに "モンゴメリ・ロード" (1998年 に名づけられた通り)が設けられた前が "ニュー・クラウン墓 地" となり、ウェスの墓碑 (横約80cm、縦約40cm) がある。 「愛用のハートのL5があしらわれた墓碑の放つ威光は圧倒的 であり、それは、30年以上の月日を経てもまったく風化する事 のない、ウェス・モンゴメリの力を照らし出しているように見 えた」という。           写真提供・談/成田正