Sonny Parker(vo) Walter Williams(tp) Al Grey(tb) Johnny Board(as) Gene Morris(ts) Floyd
Dixon(p) Wes Montgomery(g) Roy Johnson(b) Ellis Bartee(dr)
Radio Recorders, Los Angeles; Sep.7,1949
Pretty Baby [2:43]
Sad Feeling [2:31]
I Want A Little Girl [2:38]
Gene Morris(ts) Doug Duke(p) Wes Montgomery(g) Roy Johnson(b) Ellis Bartee(dr) Sonny Pa-
rker(vo)
Fresno, California; Sep.1949
Rocking' With G.H. Rocking' With G.M. [2:57]
ジャケットをみれば判ることだが、このアルバムは一見なんの変哲もない4人のブルーズ・シン
ガーがそれぞれにレコーディングしたものを収めたアンソロジー盤である。
しかし、驚いたことに彼らのバックを務めるギタリストに思いもよらぬ人物が登場する。
ジミー・ラッシングのバックには、カウント・ベイシー楽団専属ギタリストのフレディ・グリー
ンが、しかしもっと驚いたことにソニー・パーカーのバックにはライオネル・ハンプトン楽団専属
ギタリストのウェス・モンゴメリの名前が刻まれていた。
1949年にレコーディングされたということは、パーカーもまたハンプトン楽団の専属ヴォーカリス
トとして各州をロードしていた最中であり、二人の関係は当然うなずけるものではあるがジャズで
はなくブルーズ・セッションだったということに再び驚かされる。
パーカーのキャリアは大半をハンプトン楽団で語ることができるが、惜しくも1957年に32歳の短
い生涯を終えた。だがここに聴かれる素晴らしいブルーズ・シャウト(ブルーズの叫び)が彼の芸
術性のよさを示している。ここでの4曲のうち、3曲はアラジン・レーベルにおけるパーカー名義
のレコーディングとなるが、〈ロッキング・ウィズ・G.H.〉はジーン・モーリス名義のレコーデ
ィングに彼ら二人が参加した形になっており、ウェスはハンプトンの束縛を逃れてかイントロにお
いて見事なソロを聴かせている。
そういえば、モーリスもまたハンプトン楽団専属のバンド・マンであったが、ハンプトン親分が寛
大であったのか、彼らがハンプトンの眼を盗んでスパイアーとアラジンの両レーベルにレコーディ
ングしたのか、その詳細は不明である。
何れにせよたいへん貴重なレコーディングを残しているが、アメリカでLP盤が再発されなくてフ
ランスでリリースされたということに、彼らの功績がフランスで認められたという何とも皮肉な話
である。
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