Nat Adderley(cor) Wes Montgomery(g) Bobby Timmons(p) Sam Jones(cel) Percy Heath(b) Louis
Hayes(dr)
Reeves Sound Studios, N.Y.C.;Jan.25,1960
Work Song [4:09]
Sack Of Woe [4:21]
Scrambled Eggs [3:15]
Nat Adderley(cor) Wes Montgomery(g) Bobby Timmons(p) Sam Jones(cel) Keter Betts(b) Louis
Hayes(dr)
Reeves Sound Studios, N.Y.C.;Jan.27,1960
Pretty Memory [3:50]
Nat Adderley(cor) Wes Montgomery(g) Bobby Timmons(p) Keter Betts(cel) Sam Jones(b) Louis
Hayes(dr)
same dates
Fallout [4:46]
omit: Bobby Timmons(p)
same dates
My Heart Stood Still [6:20]
Nat Adderley(cor) Wes Montgomery(g) Keter Betts(b) Louis Hayes(dr)
same dates
Mean To Me [4:55]
Nat Adderley(cor) Wes Montgomery(g) Sam Jones(b)
Reeves Sound Studios, N.Y.C.;Jan.28,1960
I'v Got A Crush On You [2:50]
Violets For Your Furs [3:44]
レコーディングにおけるマラソンセッション ウェスは25日に〈ワーク・ソング〉〈
といえば、誰しもマイルスがプレステイジに決 サック・オブ・ウォー〉それにサム・ジョー
着をつけた4部作を思い起こすであろう。 ンズ作による当日まで無題だった〈スクラン
全25曲を2日間で録られた話はあまりにも有 ブルド・エッグズ〉に参加したあと、26日
名だが、実はウェスもマイルスとは幾分事情が は自己のレコーディング、27日は再びナッ
違うか゛4日間にわたり自己のアルバム《イン トのレコーディングに参加したが、2曲目の
クレディブル・ジャズ・ギター》とナット・ア 〈フォール・アウト〉に入った時アル中のテ
ダレイの要請で参加した本アルバム《ワーク・ ィモンズが酔い潰れたため、録りなおしはピ
ソング》にハードなスケジュールをこなしてい アノ・レスになったことからこの曲名がつけ
た。 られた。
キープニュースの回想によれば、『当初ウェス 以後このハプニングがウェスにとって最後ま
の第2作《インクレディブル・ジャズ・ギター で負担となり、実際のマラソンをする以上に
》を計画していたところ、ナットが自己のアル 苦しい結果を招いた。
バムにありきたりのギタリストではなくウェス
を加えたいといってきたので、両方のレコーデ
ィングをスタジオの(実際は経費の)都合もあ
ったが1週間で同時進行させることにした。』
という。
それは、その日の残り曲〈マイ・ハート・ストゥッド・スティル〉と〈ミーン・トゥ・ミー〉がピ
アノ・レスに編曲されたことから、ウェスが他のプレイヤーのソロの後ろでコンピング(伴奏)させ
られたことにあった。
このことは、彼が演りたくないことのひとつだったが、翌28日に録られたナットのバラッド〈アイ
ヴ・ガット・ア・クラッシュ・オン・ユー〉と〈ヴァイオレット・フォー・ユァ・ファーズ〉でのバ
ックとは別の問題である。
これは、ナットのバラッドがいつも決まってトリオ演奏であったためである。
ナットとの約束も果たし疲れきっていたが、その日、更に自己のレコーディングが残されていた。
ナット・アダレイのモンゴメリ談
このアルバムの楽器編成は偶然にできた、 ウェスとは何年もいい友達でインディアナポリ
(訳注:とはいっても前述のティモンズの泥 スに寄るときは必ず彼の家でご馳走になったん
酔によるハプニングが原因)もので、実際に だが、奥さんは子供が多いからいつもたくさん
はコルネットとチェロだけをフロントライン の料理を作っていたみたいで、子供があと1〜
にしようと思っていたらしい。 2人増えても何てことはないみたいだったよ。
『ウェスの参加により思わぬ成果が得られた ウェスはとても素朴で無口な人柄でありながら
よ。それに何といっても驚いたのは、リハー 音楽に関してはものすごい才能を持ったプレイ
サルを一度しただけでウェスは初めての曲で ヤーだった。
も1回で覚えてしまったんだ。 もうこれ以上、上手くなれないというのか、彼
他にも凄いことは、彼のオクターヴ・ソロが が他の楽器とどのようにマッチし、どのように
本当に素晴らしくて、とに角速かったという 演っていたのか考えたことはなかったが、とに
ことだ。』とナットはいう。 角上手かったよ。
『その後もウェスとは1〜2度演ったが、彼 彼が活躍したのは、ジャズにおいてもギターに
は僕よりも少し年上で大家族を抱えていたた おいてもほんの一時期だったが音楽と楽器のイ
め、昼間は溶接工で働いていた。 ノヴェイターだったことには間違いないと思う
(訳注:ウェスの音楽以外の仕事が確認され よ。』
ているのは、P・R・マリローズでバッテリ
や大型ラジオの溶接工、ポウプス・ミルク・ =12枚組CDライナー=参考
カンパニーで牛乳の運搬など。)
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