THE GUITAR OF THE YEAR * ALSO THE GUITAR OF THE MONTH FOR JUNE:
☆年間最優秀ギター*および6月の月間最優秀ギター:
在庫番号83-7885、ウェス・モンゴメリが所有し使用していたギブソン1963年製L-5C (シングル
・ハンバッキング・ピックアップ)。
シリアル番号 #62876。ギブソンの茶色のリイシュー版ハード・ケース付き。
☆ほんとに稀に、心臓が止まりそうになるような貴重な楽器を見つけて売りに出すことがあります
(私たちにとっては、ロアーズ、カール・サンドバーグのOM−18、ギブソンのケニー・バレル
・モデル、オリジナル・オリビルの手工マンドリン、希有のアンジェリコ・ギター/マンドリン/
ウクレレのようなもので、半年に一度あるかどうか)。
このギターは20世紀において多くの人々に多大な影響を与えた、ジャズ界のイノベーターであるア
ーティストが所有していたものであり、彼がライヴやコンサート、あるいはレコーディングで使用
してきたお気に入りの楽器と言われています。
☆その出所はなんとも興味深いものです:
「30年間も行方不明だったこのギターは、ダメージを与えられた状態でインディアナポリスで見つ
かりました。
近くで起きた火事の影響で、高熱にさらされた状態でした。
完全に焦げたわけではなく、フィニッシュは点在的に焦げた状態でしたが、家具用除去剤でフィニ
ッシュを剥がそうとした際に失敗したため正常なフィニッシュまでがほとんど剥がれていました。
しかしピックアップ、フレット、エレクトロニクス、fホールのバインディング、力木 (ブレーシ
ング) はすべて無事でした。
発見者はギブソンに対して、修復作業をやってくれるとしたら最低限どのくらいの費用になるかを
たずねました。
それに対してギブソンは、修復作業をやることに同意しただけではく、修復後にプロモーションの
ためにそのギターを使わせてくれるならお金は要らないと答えました。
そしてギブソン・カスタム・ショップは奇跡の修復を行ないました。
これ以上伝統的なやり方はないというやり方で、モンゴメリの全盛期の楽器の外観を蘇がえらせた
のです。
エイドリアン・イングラム著による "ギブソンL5" の64頁には、ギブソンに持ち込まれた時のそ
のギターの写真が掲載されていて、ダメージの様子がわかります。
ギブソンはこの1963年製L5Cを、ウェス・モンゴメリが使っていた頃の自然に変色した状態に戻
しました。助かった金属部品には再メッキを行ないませんでした。
またフィンガーボードも削り直しませんでしたので、ウェスの指による摩耗痕を見ることができま
す。
テールピースのベース・エッジ部の上部はウェスの手首によって金メッキが摩耗しています。
この部分に自分の手首を乗せて、ウェスのDNA(さらにヴァルカン・ミンドメルドのソフトウェ
アをダウンロードして、このアーティストの才能までも)が取り込めるように祈ってみるのもよい
かもしれません。」
☆修復にあたって、フレット、チューナー、ハンバッキン・ピックアップ、ブリッジ、ボリューム
類ピック・ガードをサポートするL型ブラケット、トラス・ロッド・カバー、縁飾り(とくにfホ
ール周りなど)は、オリジナル・パーツが使用されました。
ギブソンの技術者は当時のピックガード(白い縁取りのある4層構造のもの)を再現しました。
また2つの金色のコントロールつまみは交換されました。
サイドのジャック部の両側にはヒビを修復した痕がありますが、これは頻繁に使われている楽器に
はよく見られることです。
そして新しいフィニッシュの下にバインディングと並行に濃いラインがあります。
多分、熱あるいは汗によるものでしょう。
☆1968年に世を去ったウェス・モンゴメリ、彼の弾き方ではピックガードで覆われていないフィニ
ッシュが傷みやすく、そのため彼はカッタウェイの下部の湾曲部分にハート形の真珠貝のインレイ
を嵌め込みました。
そしてこのインレイには彼の名前が彫られています。このインレイは無事でした。
トップ板から外れていましたが、元通りにきれいに嵌め込まれました。
このギターにはベルギーのテレビ番組出演時のウェス・モンゴメリのビデオなど、多くの資料が添
付されています。
アンドレ・ドゥチョイソイー著による "ギブソン・エレクトリックス" の 145ページに掲載されて
いるウェスがこのギターを演奏している写真が添付されています。
このギターギがギブソン社のカスタム・ショップの修理部に持ち込まれた時の預かり証も添付され
ています。1995年7月13日付の受領になっています。
また1995年7月19日付のギブソンの【修復とリペアの同意書】のコピーも添付され、この中で【ギ
ブソン社は本ギターを修復して元のコンディションに戻すのに要する一切の費用を負担..ただし
ギブソン社は修復過程のビデオ撮影、写真撮影、およびそれらをギブソンの広告宣伝に使用するこ
とが可能】と書かれています。
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