基 本 的 法 則

── 」の法則(1) ──



『奇跡を求めて』byグルジェフ p.128〜    

人間を研究しないでおいて、宇宙のシステムを研究することは不可能だ。
同時に宇宙の研究なくして人間の研究は不可能である。
人間は世界の似姿だ。
彼は世界全体をつくったのと同じ法則によって作られているのだ。

自己を知り、理解することによって、
彼は全世界と、世界をつくり支配しているすべての法則とを知り、理解することができるのだ。
また同時に、
世界とそれを支配している法則を研究することによって、
彼は自己を支配している法則を学び、理解することができる。

この点に関して言えば、
いくつかの法則客観的世界を研究することによってより簡単に理解されるのだ。
が、その他の法則自分自身を研究することによってしか理解できない。
したがって、
世界の研究と人間の研究は、一方が他方を助けながら並行して進まなければならない。



*     *     *


<絶対>すなわち、<すべて>が一つの<全体>を構成している事物の状態は、いわば事物の根源的状態であり、そこから分割と派生によって、我々の観察する現象の多様性が生じるのだ。

人間はこれらすべての世界の中で生きているが、ただその生き方が違うのだ。
これはつまり、人間は第一に彼がその部分を構成している最も近い世界、彼に隣接する世界から完全に影響されているということだ。さらに離れた世界もまた、隣接する世界を通して同様に直接に人間に影響を与えているが、それらの作用は、両者の隔たりや、それらと人間との違いが増すにつれて減少する。

<絶対>の直接の影響は人間には届かないのだ。しかし、隣接した世界の影響や運勢会の影響は科学には全然知らせていないが、人間の生活にすでに完全な明瞭さで現れている。




これらの影響と、<単一体>から<複数体>への変容を吟味する前に、我々は全宇宙のあらゆる多様性あるいは単一性のなかでさまざな現象を生み出している基本的法則を調べなくてはならない。


これは<三の法則>、あるいは三原理の法則または三つの力の法則というものだ。
これは、分子から宇宙的現象に至るまで、いかなる規模で、いかなる世界で起ころうとも、あらゆる現象は三つの異なった相対する力の結合あるいは交流の結果であるというものだ。現代の思想は二つの力、すなわち、力と抵抗、プラス磁気とマイナス磁気、陽電気と陰電気、男性細胞と女性細胞、等々の存在と、現象を生み出すためにはこれら二つの力が必要だということは認識している。しかしこの現代思想は、これら二つの力でさえ、常にあらゆるところに見ることはない。第三の力についてはいかなる意見も提出されたことがなく、またもしされたとしてもほとんど相手にされなかった。

真実の厳密な知識によれば、一つないしは二つの力は決して現象を生み出すことはできない。第三の力の存在が必要なのだ。なぜなら、第三の力を借りてはじめて最初の二つの力は現象と呼びうるものを──いかなる領域でもかまわない──生み出すことができるからだ。



『奇跡を求めて』p.130〜








▼ 我々の住んでいる世界法則 




創    造    の    光

序列

法則数

世界

人間

説           明

第一序列

1

絶対   ★<絶対>の中でも3つの力(能動的・受動的・中和的力)は活動している
★<絶対>の中では、すべてのものはその本姓そのものによって一つの全体を構成しているために、3つの力もまた一つの全体を構成している
★一つの独立した全体を形成する際に、3つの力は完全で独立した意志、完全な意識、そして自分自身と自分のするすべてのことに対する完全な理解をもつ
★接合の瞬間と場所とはただ一つの意志によって決定される
★同体的、不可分的三位一体(3つの力の調和)
  ヒンドゥー教の三神一体/ブラフマン・ヴィシュヌ・シヴァ等
第二序列

全宇宙

星雲界の集積
 

★<絶対>の意志によってつくりだされた世界
★3つの力は自らの意志と決断によって分離、あるいは統合し、
その接点において現象あるいは<世界>をつくりだす
★自らの存在に関するあらゆることにいて、完全にこの意志に依存している
★3つの力はそれらの中では単一の全体を形成しない(一部にすぎない)
★3つの意志・3つの意識・3つの統一体になっている
★3つの力の合流点ではそれぞれただ一つの原理(能動的・受動的・中和的)の中の一つだけを現す(自らの内に3つの力すべての可能性を包含しているが)
★この3つの力が集まると、新しい現象を生みだす三位一体を形成する
(<絶対>の中のものとは異なり、分割され、接点は違った性質になっている)
★力の発生点は他から独立したバラバラの意志によって決定される
⇒その接点は偶発的あるいは機械的なものになってしまう
★<絶対>の意志は第二序列の諸世界を創造し支配している
だが、それらの創造的活動や、そこに現れる機械的要素までは制御しない

第三序列





全太陽/銀河系/星の集積

第四の体

★半機械的に働く3つの力によってつくりだされた世界(分割された力の接合)
★もはや<絶対>の単一の意志には依存していない
★そのかわりに3つの機械的な法則によっている
★ひとたびつくりださりると、それ自身の3つの新しい力を表現する
⇒第三序列で働く力の数は6つとなる

C主人(コーザル体)に相当する
太陽系に属さない星雲界の素材でできている
(太陽系の領域内で結晶化⇒この体をもって初めて太陽系の領域内では不死)

第四序列 12





太陽界 第三の体 Bメンタル体に相当する
太陽の素材でできている(アストラル体の死後も存在することができる)

太陽界の物質を知るために、太陽を調査する必要はない(我々自身の中にある)
第五序列 24





12

惑星界



Aアストラル体に相当する
惑星界の素材でできている(肉体の死後も一定期間生き残る/不死ではない)

世界 24の物質は、我々の物理や化学などの化学的観点からすれば、物質であると考えられることはほとんどない
第六序列
48





12

24

地球
第一の体
@肉体に相当する
肉体は地球の素材でできている(死ぬと地球に還る/塵は塵に還る)

自己を観察し、それから自由になることによってのみ研究できる(天文学の研究のように抽象的ではありえない)/人間が従属している法則は、それと闘う(それから自由になろうと努める)ことによってのみ学ぶことができる

★生活の機械的な部分は月に依存、従属している/地球をおおっている有機生命体の敏感な皮膜は、その活力を吸い取っている巨大な電磁石の影響に完全に依存している ⇒人間のとるすべての動作と行為は月にコントロールされている

▼地球⇒月/太陽と太陽系の他のすべての惑星と地球自体の共同活動によってエネルギーを生み出す⇒集められ、地球の表面に位置する巨大な蓄積機(=有機生命体)に保存される⇒月の生長のために送っている(月を養っている)
(全ての生物の死後、生命エネルギーの一定量を解放⇒月の磁力に誘引⇒◎)
第七序列
96





12

24

48

  ▲月⇒地球/地球の有機生命体にとっての巨大な電磁石のはたらき
★月の生長(月の発展・新しい支脈の組成)のためのエネルギーは地球から供給
★月はいまだに生まれていない惑星(生まれつつある惑星)/一般的に考えられているように、冷めてできたものではなく、次第に暖かくなっている

◎おそらく、一定量の意識と記憶さえもっている魂は、鉱物の生命の状態となる
(測り知れないほど長い遊星周期内の一般的進化以外には逃れる道がない状態/<末端>=キリスト教義でいう<そこで泣き叫んだり、歯がみをするだろう>
<外の暗闇>)

※ 世界の連鎖 (<絶対>─全宇宙─全太陽─惑星界─地球─月) は、我々自身もその中にいる
<創造の光>を形成している。創造の光は我々にとっては言葉のもっとも広い意味における<宇宙>なのだ。 が、もちろん創造の光は言葉の十全な意味における<宇宙>を含んでいない。 ・・・

 




世界の中で法則が少ないほど<絶対>の意志に近く、
また多ければ多いほどその機械性は強く、<絶対>の意志からはなれているのだ。
我々は48種類の法則に従った世界に生きている。
ということは、
<絶対>の意志から非常に遠い、宇宙のひどく辺鄙な暗い片隅に生きているということだ。
・・・ p.137 ・・・

1 <絶対>の意志
より速い





 振動 





より遅い

より低い





物質密度





より高い
3 近い▲









遠い












より機械的


より自由

1/2


1/2
自己の開放

1/2
6
12
24
48
96



人間には、しだいに機械的法則から自己を開放する可能性がある。
(一段階ずつ)もしこれらの法則の半分から自己を開放できれば・・・・・・
・・・ p.141 ・・・

もし我々が自らの内部で意識と意志を発達させ、
それに機械的な生活とあらゆる機会的な表現を従わせることができれば、
月の力から逃れることができるだろう
・・・ p.144 ・・・


*     *     *

以上のように、創造の光は、我々が宇宙における自分たちの位置を決定し、認知するのを助けてくれる。
しかし、おわかりのように、我々はまだ影響についての問題にまで進んでいない。
様々な世界の影響の違いを理解するためには、我々は三の法則、
そしてさらにもう一つの基本的な法則、
すなわち<七の法則>、オクターブの法則までしっかり理解しなければならないのだ。
・・・ p.137 ・・・


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