秋の親睦会
松伯美術館

西の京を訪ねて
平成16年11月20日(土)


松伯美術館
                   〒631-0004
                                   奈良市登美ヶ丘2丁目1番4号
                             電話:0742-41-6666
「上村松園・松篁・淳之」
開館10周年記念特別展
平成16年10月5日〜11月23日
上村松篁・淳之両画伯からの作品の寄贈と近畿日本鉄道からの基金で1994年開館され、上村松園・松篁・淳之三代にわたる作品、草稿、写生等、美術資料の収集と保管および一般公開されています。
上村松園(うえむらしょうえん)
明治8年(1875)〜昭和24年(1949)
京都に生まれる。鈴木松年、幸野楳嶺、竹内栖鳳に師事。1948年、女性として初めての文化勲章を受章。京都の風俗、歴史、謡曲の物語等に取材した気品ある格調高い女性像を描く。
上村松篁(うえむらしょうこう)
明治35年(1902)〜平成13年(2001)
京都に生まれる。母は上村松園。京都市立絵画専門学校に学び、西山翠嶂に師事。1948年、日本画団体「創造美術」の結成に参加。1984年、文化勲章受章。近代的造形、色彩感覚を取り入れた花鳥画で知られる。
上村淳之(うえむらあつし)
昭和8年(1933)〜
上村松篁の長男として京都に生まれる。京都市立美術大学に学ぶ。1995年、日本芸術院賞受賞。東洋独自の絵画表現を模索しながら花鳥画の新しい展開を求めて研鑽を重ねている。日本芸術院会員。京都市立芸術大学名誉教授。創画会会員。京都市学校歴史博物館館長。(財団法人 松伯美術館 館長)
松園さんの絵はとても美しい女性が描かれているが、現実の女性からは遠い。なぜか人形を描いているように感じられる。若い頃は、この人が描く女の人がとても好きだったのに・・。その点同じ美しいものでも、鳥の世界を追いかける松篁さんの絵はどれだけ、現実にはない美を追求していても、それは頭の中にある詩の世界と、理解出来るのだけれど。淳之さんの絵も松篁さんが出したことのない翳んだような、やさしい色を使っています。いつまでも眺めていたいような絵です。こうして眺めていると、『やはり才能とは遺伝するものかしら』と思わずにはおれません。(和)
かねてより念願でありました(私個人の)松伯美術館、薬師寺、唐招提寺へ、あらぐさ秋の親睦会で連れて行ってもらいました。ステキなお庭の中、その美術館は小じんまりした佇まいでした。折しも「上村松園・松篁・淳之」開館10周年記念特別展が開かれており、私達は上村松園親子三代の美を堪能致しました。松園の美人画はもとより、松篁・淳之の花鳥画は、繊細であり雄大であり、心を洗われるひと時でした。数年前宮尾登美子の小説「序の舞」で松園の生涯を知り(あくまで小説ですが)そんな思いもあり感慨もひとしおでした。(陽)
まず近鉄奈良線・学園前駅から奈良交通バスで10分足らずの「松伯美術館」へ。開館10周年記念ということで、上村松園・松篁・淳之画伯三代に亘る特別展を鑑賞しました。三人三様の繊細な線や色使いにしばし見蕩れて目の保養をさせていただきました。敷地内の手入れされた庭の松ノ木の切り株に腰をかけて、楽しいランチタイム。先ほどの芸術の秋から食欲の秋へと切り替わりの早いこと、と、これは私一人の苦笑い。(ア)
西の京 薬師寺
                     法相宗大本山
薬師寺
 
                           〒630-8563 奈良市西ノ京町457
                      電話 : 0742-33-6001
創建は天武9年(680)。天武天皇が菟野(うの)皇后(後の持統天皇)の病気平癒を願って発願。その後、持統天皇が持統11年(697)に本尊の開眼を行います。元々は飛鳥の藤原京に建立されましたが、平城京遷都に伴い、現在の地に移されました。ちなみに、元の場所は現在本薬師寺跡となっています。
 

玄奘三蔵院伽藍
平山郁夫画伯による、玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」は、玄奘塔北側にある大唐西域壁画殿にお祀りされています
薬師寺ではお坊様がいろいろ説明してくださり、建物や寺域の広さにおどろきました。
 ちょうど玄奘三蔵院伽藍・大唐西域壁画殿では平山画伯のシルクロード壁画が公開されており30年の歳月を費やした壁画のスケールに感動いたしました。(陽)
私は三回目のおとないでしたが、前回に来た時は彼の高名な故高田好胤師がご健在の頃で、再建中の西塔も後少しで完成という時期だったように記憶しています。ここでも特別拝観といういうおまけで、大唐西域壁画殿の平山郁夫画伯の大作をただ圧倒されて拝見させていただきました。同じ日本画でも上村松伯展の御三人の静寂な画とは、スケールも違い油絵を思わせるような画法(?)で、一日の内に二通りの絵画を鑑賞出来たことは大収穫でした。(ア)
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