前へ

17/06/03 Moissac(6:40)〜Auvillar(12:13) 20.5km 曇り

 朝寝坊をし、出発は予定より40分遅れの6:40.。
 1時間ほど川沿いの道を進むと農道に入る。高低差150mほどの道を上がったり下ったりの連続。
 昨夜の雨で涼しく思ったほど汗をかかない。丘の上から見下ろすと、Garonne川が大きく蛇行して美しい。川沿いに平野が広がる。不確かな記憶だが、ローマ時代にGaius Julius Caesarもこのあたりまで来たかと思いをはせる。3j時間余り休憩なしに歩き続ける。ひまわり畑ととうもろこし畑が広がる。いつか行った中国の貴州省の風景を思い出す。
 教会の鐘の音が連打して聞こえる。丘を降りると教会の前には喪服を着た人が集まっている。先日の結婚式のシーンが頭をかすめる。
 しばらくすると、Garonne川沿いの運河にでる。両岸に大木となった街路樹が美しい。ピクニック気分だ。40分も歩くと通行する船のための水位調整プールがあり、水門が開いて船が入ってきた。およそ1.5m程の水位差を8分ほどで調整し、何事もなく出て行った。きょう半日は、涼しさといい、風景といい、別世界に来たようだ。
 きょうのGITEは空き家になった民家を活用したものらしく、個室でバスルームがあり、これで1人6ユーロ。

18/06/03 Auvillar(5:30)〜Lectoure(13:20) 31.5km 曇り

 4:30起床、5:30出発。日中の暑さをできるだけ回避しようという魂胆だ。しかも、31km先のLectoureまで昼食抜きで。4km/時で8時間。18kgの荷を担いではちょっときつい。
フランスの夜明けは遅い。5:30では、まだ、薄明かりだ。朝の風は涼しくて気持ちいい。6時を過ぎても太陽は顔をださない。むしろ、雲が広がっている。遠くに巨大な花瓶を逆さにした2つの建造物からもくもくと水蒸気を吹き上げている。原子力発電所だと思う。異様な風景だ。涼しくって、丘陵地帯を歩くピッチもあがる。見渡すかぎりのひまわり畑、時折、麦、とうもろこし、葡萄とあるが圧倒的にひまわりが多い。きのう、きょうと見慣れた風景だが見飽きない。牧場はまったく見かけなくなった。ところどころに小さな村があるが、たいてい丘の上にある。
 Lectoureには、ほぼ、予定どうり13:20に到着。予備の水筒も使わずじまい。
 L
ectoureは主要街道の街と言った感じ。いろんな店もあり賑わいを見せている。もちろん、ここにも大きな教会がある。すこし、考えさせられたのが、40分ほど中にいましたが入ってきたのは1組だけ。巡礼者風の人はいなかった。有名な教会には人は訪れるがそうでない教会には訪れないのでしょうか。信者でもない私が言うのですからあてにならないが、この1ヶ月近くの間に訪れた教会で宗教的雰囲気を感じたのは2つだけだった。

19/06/03
Lectoure(6:12)〜La Romieu(11:09) 19km 快晴

 街の名前は”La Romieu”。4ユーロの入場料を払って入った教会の案内書を見ると1062年にローマへ巡礼に行って帰ってきた修道士が”La Romieu”と”Romaeus”の2つの候補の中から選んでつけたそうだ。当時のローマにたいする強い憧れを感じさせられる名前である。教会の外には回廊があり、柱の彫刻が見事だ。中には、柱の太さが半分ぐらいにまで朽ちたのがあったり、それでいて、管理が十分されていることが分かる。教会の奥の左手から狭い螺旋階段を上がると塔の先端に出る。見下ろすと丘陵地帯のひまわり畑の緑と麦畑の金色のモザイク模様が見える。予想もしなかっただけに、われわれにご褒美をくれた感じだ。この街はLectoureから明日泊まる予定のCondomには大きく回り道になるため、巡礼者たちもあまりこないようである。
 教会の前で食べた昼食もとてもおいしくて満ち足りた気分にさせてくれた。
 GITEhはひとり8ユーロ。きょうの泊まりは夫婦連れとドイツ人の4人連れ熟年グループとわれわれだけだ。日本人は初めて泊まったそうだ。

20/06/03 La Romieu(7:35)〜Condom(10:57) 16km 快晴

 きょうは、ショー・トコースなので、GITEで作ってもらった朝食を食べゆっくりと出発した。丘陵地帯にひまわり畑が続く。花の咲いた畑、背丈の低い畑、苗状態の畑があり、うまく出荷時期を調整しているのだろう。牧場はまったく見かけない。
 途中、川を堰き止めた池で小さなヨットの練習をしているグループを見かけた。サイクリングを楽しんでいるグループを見かけた。     Moissac以降は、それまでの、いかにも、巡礼の道と言う感じから土地の人が生活を楽しんでいる道に変わってきたことを感じる(わたしの心の変化だけかもしれないが)。
 写真の犬は首輪にSt.Jacues(帆立貝)を着けている。Grenobleから来た後夫婦でこの犬と3人連れでSantiago de Compostellaまで行くそうな。
ここまで来ると、スペインが近くに感じられる。市川さんはGITEのことをなんて言うのだろうと質問してきた。
 ここ、CondomのGITEは9人部屋。お金は、まだ取りに来ない。

21/06/03
Condom(5:52)〜Eauzu(14:18) 33km 快晴

 今年の日本の夏至はいつでしょうか? きょうあたりだと思うのですが。ここフランスでの日の出、日没の時間をお知らせします。日の出が6:23、日没が9:36、この間、雲ひとつない空で太陽ががんがん照りつけていただきます。快晴とは雲ひとつない空のことですね。
 写真は出発直後、6時過ぎの写真です。
 きょうは、二人とも調子がよかったので途中から予定を変更して、昼飯前の33kmに挑戦です。
 途中の街で、10時前だというのにビールをひっかけて進む。ここからは、ほとんどが廃線敷きだ。こうばいがなく、木陰があるのは助かるが、単調な道を4時間、ひたすら歩くだけ。Eauzuに着いた時はさすが喉が渇いてビールをたてつづけに4杯も飲んでしまった。GITEの上がり階段で酔っ払ってけつまついでしまって、この日、泊まった巡礼者から何度も足は大丈夫かとひやかされてしまった。

22/06/03 Eauze(6:11)〜Nagaro(11:58) 22km 晴れ

 きょうは、ショート・コース。周りの風景はひまわり畑から葡萄畑になった以外、変化はない。単調なコースを黙々と歩く。歩いている間は太陽に照らされて汗だくだが木陰に入ると風がとうり気持ちがいい。横になるとうとうとしてしまい40分も寝てしまった。
 ある街の手前で自動車道を歩いていると、前から来た若者が3〜4人乗った乗用車が嬌声をあげながら通り過ぎざま、ビンに入った液体をかけられた。たいした歓迎ぶりだ。
 GITEはNogaroの街外れの公園の中にある。公園の手前から車であふれかえっている。Camionのレースがあったそうだ。ポスターを見ると、毎月、オートバイだの、自動車だののレースがあるらしい。スペインからも参加していたと言うから田舎レースではなさそうだ。また、小型飛行機の練習場もあり、巨大スーパーもあったりして、この地方の中心的な街のようだ。翌日、公園の近くを散歩していると、公園の近くにオートバイのボクサーツインやドカのロゴの入ったCamionが停まっていた。

24/06/03 Nagaro(5:45)〜Aire-Sur-L'Adour(14:25) 28km 曇りのち晴れ

 今朝は調子がいい。1日の休養がとても効いたみたい。3時間45分、ノンストップで歩く。
 畑の作物は、とうもろこしが多くなった。一面のとうもろこし畑。晴天続きで水の問題をどうしているかというと、移動式の巨大な散水が活躍する。(おっと、巡礼の道を歩いていてフランスの農業事情もないもんだと思うが...新しい村々が多いせいか、Moissac手前まではあった道端の十字架や小さな村での教会がほとんどなく。ただ、暑い中、耐久レースよろしく距離をかせぐだけ)そんな時、見かけたのです。巡礼道の木陰に休憩用の椅子まで用意して、冷たい水をすすめてくれました。フランスの巡礼道でこのようなお接待を見かけたのはこれで2度目。
 Aire-Sur-L7Adourの街ではGITEがなかなか見つからず、キャンプ場でテントを張るはめに。
 こちらのキャンプ場はテントを持ち込んで張るケースはほとんどなく、オートキャンプが中心だ。1張り2.3ユーロ。日本人は初めて来たと言っていた。


つぎへ