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09/07/03 Puente la Reina(5:45)〜Estella(1:12) 21km 晴れ

 道は穂刈の終わった麦畑の中をたんたんと進む。村々の間隔はおよそ3〜6km。次の村が見えてから30分も歩く。村の広場にはベンチと水場が用意されていて適当な巡礼者の休憩場所となっている。Gracias。先日は部外者と言ってごめんなさい。教会は相変わらず閉まっているが、土地の人は自分たちの宗教環境を大事にしているのだろう。
 途中、崩れかけた石造りの橋ががあったが、たぶん、昔の巡礼道だろう。それにしても、道端にも、教会の塔の上にも十字架が無い。市川さんは巡礼の道らしくないと嘆いている。
歩いている人は圧倒的に若者が多い。彼等は教会には見向きもしない。歩くことを楽しんでいる。捕虜収容所の生活を苦にもしていない。うらやましいぐらい健康そのもの。 日本には巡礼の道が「巡礼」ということで誤まって伝えられているいるような気がする。
 四国と全然違う。
 シャイなんですね。こちらから若者たちのに声をかけるとらは彼等はにっこりして返事をしてくれる。
10/07/03 Estella(5:45)〜Los Arcos(11:52) 20km 快晴

 ほんとうにスペインらしい。ここは400mあまりの高度だが起伏があまりない。村が見えて到着するのに50分もかかる。この間、農家は全くない。刈り取りの済んだ麦畑、ブドウ畑、日陰がほとんど無いところを進む。歩いている人は多い。親子連れ、熟年グループもあるが、圧倒的に若者が多い。
 途中の村でTヶ所だけ教会の扉に鍵がかかっていなかった。中に入ると暗さに目が慣れるまでしばらくかかる。わずか正面の細長い光取りから明かりが入ってくだけで、飾りが全く無い。シンプルそのもの。
 Los Arcosの巡礼宿に泊まるためには、あらかじめ調査票に氏名、住所、出発地、手段、パスポートNO.等を記入して、巡礼用のパスポートと一緒に受付へ提出する。1人の手続きにおよそ1分ほどかかる。暑くて早く休みたいのにいらいらする。本日の宿泊者は定員いっぱいの72名、それに対してトイレと同室のシャワー室が3ヶ所しかない。順番待ちがたいへんだ。薄暗い室内は2段ベッドがぎっしり。暑くて昼寝もできない。散歩に出ると、近くの教会の回廊が日陰をつくっていたので、冷たい石の上でぜいたくなsiestaをしました。

11/07/03 Los Arcos(6:00)〜Viana(11:03) 19km 快晴

 道は相変わらず刈り取りの終わった麦畑、ブドウ畑を進む。村と村の間が1時間、時に2時間以上かかる場合がある。この間、1軒の農家のない。巡礼の道はほぼ自動車道に平行してついておりよく整備されていて歩きよい。フランスのように大きな迂回路もなくストレスがない。道端に十字架がないのは相変わらず。市川さんがここは巡礼の道ではないという。四国遍路とぜんぜん違うという。ただ単に歩くだけの道だという。
 Sansolの村の広場で休んでいると、市川さんのところへ女性が近づいてきて、カメラを持ち出してわたしに写真を撮れという。市川さんを問い詰めると、昨日の巡礼宿でシャワー待ちの時に親しくなったそうだ。その人の名はカルメン。
 Vianaは比較的巡礼者に好意的で道をたずねると案内してくれたり、夕涼みに外へ出ると話しかけてきたりする(スペイン語しか話さないのでほとんど聞き取れないが)。9時過ぎだというのに(こちらでは、まだ、宵の口か)大勢の人が夕涼みをしている。巡礼者の仲間も10時前まで教会裏の広場で輪になって、お国自慢の歌を歌っている。山崎さんも民謡をうたっていたが、皆さんの手拍子・合いの手が「ありがとう、ありがとう」とは。

12/07/03 Viana(6:00)〜Navarrete(12:29) 21km 快晴

 写真は、Estellaの巡礼宿から見かけているスペイン人の親子。写真には写っていないが、もう1人息子さんも一緒だ。彼はとても人懐っこくてわれわれに近づいてきて片言の英語で話しかけてくる。
 歩いている人を友達かなと思って見ているとあくる日は別の人と歩いていたり、グループかなと思って聞くと、こちらへ来て知り合ったとか、案外、こんなケースが多いようだ。
 スペインでもありました。「お接待が」。  LogronoとNavarreteの中間の大きな池のほとりで。男の人が3人、休んでいけという。巡礼パスポートにスタンプを押してもらうと、テーブルの上の杏とサクランボを食べという。ひとつつまんで食べると、手に持ちきれないほどにぎらせてくれる。かわいた喉にはとてもおいしかった。ありがとう。
 前日のVianaでは楽しみにしていたレストランでの夕食をたべそこなった(その店は21:30以降でないと開かない)ので、Navarreteでは昼食をたべようと2時半ごろにレストランに入った。コース料理をたのみ、飲み物はビール。ビールを何度も勧めにくるので、もう1杯たのみ。勘定をしてもらうと7.5ユーロ、ビールを大ジョッキーに2杯も飲んだというと、料金に含まれているという。ラッキー。
 きょう、通りがかりに100数十人に"Buenas dias"と挨拶をした。無言の1人を除いて"Hola Buenas dias""Buenas dias""Buenas dias bueno Camino""Dias"と答えて(笑顔で)くれるようになった。"Donte este hombre?"「フランス人か?」聞かれたこともある。先日のイギリス人といい???

13/07/03 Navarrete(6:30)〜Najera(10:24) 14km 快晴

 navarreteの巡礼宿は朝食つきで4ユーロ。青年が1人で運営している。きびきびした動きで気持ちがいい。
 巡礼の道は相変わらずブドウ畑と麦畑の中によく整備されついている。あたらしく整備されたようでもあるが、Puente la ReinaからEstellaの間にくずれかけた石造りの橋があったり、Nsvarreteの手前では道路沿いに巡礼者の救護院の遺跡があったりして、当時がしのばれる。ここに来てブドウ畑が多くなった。ワインの醸造所も見かけた。
きょうは、遠くに見える山の形が観音さんの寝姿に見えたり、小規模だが石を積んだ塚がある賽の河原のようなところを通ったり。里心?どうしたのでしょう?
 食事はうまいし、歩くことは苦にならないし、いろんな国の人との出会いは楽しいし、ただ一つの不満はビールの大ビンがないことくらいなのに。
 台湾とコスタリカから来た青年と一緒になりました。コスタリカもスペイン語は母国語ですし、台湾人もスペイン語が得意らしく、お店の人の話を中国語に翻訳して教えてくれました。
 写真(右側の建物)は、きょうの巡礼宿。
この街では教会の見学ができた。正面に十字架があり、薄暗い室内を教会の塔から強い光のすじを落としているのが印象的でした。

つづく