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20/07/03 Puento Fitero(6:00)〜Villacazar de Sirga(12:29) 28.0km

きょう、巡礼の道で会った巡礼者は1組だけ。毎日100人以上歩いているのに、ちょっと宿泊地をはずすとこのとうり。見渡す限り人ひとりいないこの大地をひとりじめできる。この開放感。なんとぜいたくな。FromistaからVillacazarの間13km,j自動車道沿いに3m幅の未舗装の巡礼道が整備されている。なんと贅沢な巡礼の道。わたし1人が占有している。向こうからスピードを落として近づいて来るボクサーツインのライダーと親指を突き出してお互いに"Bueno camino"
Fromistaを過ぎたところにSantiagoまで475kmの標識を見る。
途中通る村々の教会の塔の上に大きな鳥の巣を見かけることが多くなった。屋根の上に大きな鳥を見かけることもある。子供時代に記憶を戻してくっる。
ここの巡礼宿は3時から受付。6km先に少し大きな街があるので素通りしてしまう。村の中心に大きな教会がある。1時前に中に入ってみると晴れ着を着た人でいっぱい。そう、きょうは日曜日なのだ。短パン、半そでの自分が恥ずかしく早々に退散。昨夜といい、きょうといい、土地の人が大事に守っているものを感じることができました。
今、17:53、外は焼け付くように暑い。BARの中では大ジョッキーとカテイサークを空けた横で、土地も人が賭けドミノゲームを楽しんでいる。
7時前にベルギーから来た親子連れ(お父さんは65才と言っていた。)教会へ行きませんかと、誘ってくれた。教会の中に入ると11人が集まっていた。ご夫婦で村の歴史、教会の歴史を話してくれる。夫がベルギー人とわたしのために英語に翻訳してくれる。ある種の接待だ。最後に司祭がスペイン語でわれわれの旅の無事を祈ってくれた。(のだろう。)
教会をでるととてもきれいな雲が流れていた。(今の時期、雲はスペインでは珍しいのだ。明日の写真)
Burgos以降、小人数を定数とする巡礼宿に泊まるようにしている。落ち着いていて、清潔で、とても感じがよい。
21/07/03

Villacazar de Sirga(6:00)〜Terradillos de los Templarios(13:21) 33km

きょうも、平坦な道を進む。周りはほとんど麦畑ばかりだ。ときたまひまわり畑がある。野菜の栽培はみかけない。高度800m台のところを歩くのだから午前中はほとんど汗をかかない。Calzadilla de la CuezaからLedigosの間、麦畑ばかりの17km、ノンストップであるく。途中、数日前からデッドヒートを演じているスペインの中年とスペイン語の講習やお返しに中国語の講習。日本は言葉が一つかと聞くので、「そうだと」答えると、スペインでは、バスク、バルセロナ....次々に地方の名前が出てきて言葉が違うと言う。片手では数えられない。ほとんど雨の降らないスペインで、こうもり傘を持っているのを見て冷やかされたり、そんな、たわいのない話をしながらお互いに気を紛らわす
単調な道、ザックが重い。でも、なにかこの満たされた気持ち。なんだろう?

22/07/07

Terradillos de los Templarios(6:32)〜Bercianos del Camino(12:18) 24km

「空海の思想について」
すっかりSiestaの友になった。分かるところは分かるし、眠たくなるところも同じだ。5回目になるが分からないところがそのままなのがいい。
『是の如き等の身は縦横重重にして、鏡中の影像と燈光の渉入との如し。彼の身即ち是れ此の身、此の身即ち是れ彼の身、佛身即ち是れ衆生の身、衆生の身是れ即ち佛身なり。不同にして同なり、不異にして異なり。』
きょうの巡礼宿も定数19名。半数以上が顔見知りだ。昨夜逢っているのに懐かしく握手を交わす。
ベッドルームは2階だ。木の床にところどころ穴が開いていて下が見える。お互いに顔お見合わせて笑う。涙がでるほどいい。寒村の巡礼宿。宿泊料はとらない。障害を持っている方が管理していおりとても感じがいい。
夕食は村の唯一のBARで。さそわれて同宿の巡礼者と合席となる。ドイツ人の学校の先生だ。お互いにスペイン語がよくわからないので牛肉料理を注文するのに頭に指で角をつくり「モー」と言って大笑い。BurgosからSantiagoまで歩くと言う。フランスでは教会の扉が開いていて中に入れたのにスペインではほとんどの教会が扉が閉まっていて残念だと言うと、彼等はかってスペインがイスラムに国土を攻撃された歴史があり、外部の人に対して閉鎖的だと思う、と言い。一部の教会が有料でミュージアムのようになっていることについては、ひとこと"Dead"と言って悲しそうな顔をした。
Sahagunを過ぎた橋のたもとで、自転車のグループが休んでいたので話しかける。2日前にEstellで二人の日本人を見かけたそうだ。特徴を聞いてみると二人に間違いない。

23/07/03

Bercianos del Camino(6:00)〜Mansilla de la Mulas(12:04) 27km 快晴

3日前から巡礼道のほとんどは自動車道に沿って付けられており、道の南側にプラタナスが植えられており、いい木陰をつくってくれる。もっとも、高度が800mほどあり、風も適当に吹き、起伏もほとんど無いので午前中に歩く限り、ほとんど汗をかかない。また、遠くに並木の頭だけが見え1時間歩いても、2時間歩いても村影ひとつ見えないこともある。そんな時、向こうから来た2人連れ。(写真)Santiagoからの帰りだと言う。Santiagoまででも約330km、パリまで歩いて帰るのだそうだ。
13:05 これからこの炎天下、17km先のLeonまで行くと言う。夫婦だろうか、恋人だろうか。聞きつけた巡礼者たちは見送りに広場に集まる。わずか十数日、顔を合わせただけなのに別れはつらい。もう、一生会うことはないだろう。彼等は英語を話さないので挨拶程度だ。人の輪から離れて静かに見送るつもりで、ベンチに座っていると、彼女が目ざとく見つけこちらへ近づいてくる。なんと言ったらいい、涙が出てきたらどうしよう。ほほとほほをつけるあいさつだ。よかった顔を見られずに。
きょうも、自転車に乗った2人連れの日本人に市川さん、山崎さんの様子が聞けた。2日前、Fromista手前の運河の水門のところで見かけたそうです。
24/07/03 Mansilla de la Mulas(6:32)〜Leon(10:28) 17.0km 晴れ

昨夜はしばらく見なかった人にたくさん会った。Leonへの最後の巡礼宿というのでがんばったのだろう。19時過ぎに着いた人もいる。
Leonスタートの6人の人達の宿泊先、San Marcos(パラドール)の予約を済ませ、街の散歩。5年前の記憶を頼りに歩くが何度も道を聞くはめに。時期と時間帯が違えば街の表情がこうも違うのかと驚く。(記憶力の問題の方が大きい?)前回入らなかったSan Ishidoroの礼拝堂やミュージアムを見たり、Catedralではパイプオルガンを聴きながらステンドグラスの数々を楽しみ、一応おのぼりさんをしました。Ishidoroのミュージアムは学芸員が施錠された部屋へ少人数ずつ案内してくれスペイン語と英語で案内してくれる。なかなか見ごたえがありました。鉄道の駅にも行ってみましたが、ピレネー越えからよく見かけた人が座っていたので、「ここでおしまい」と聞くと、「足が痛くて歩けない」と言ってしょんぼりしていたので、「また、来年ですね」と言ったら「そうだ」と返事をしてくれた。彼は15:00の列車に乗り、2回乗り継いで明日の朝5:00にフランスのBordeauxに着くそうだ。
19:00から巡礼宿の隣の教会で行われるミサに誘われて出席。説教はなく、ナースたちの澄んだ声の賛美歌の数々が心にしみました。

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