Lionel Hampton(vib) Doug Duke(org) Wes Montgomery(g) Roy Johnson(b) Earl Walker(dr) *add
Jerome Richardson(fl)
N.Y.C.; Jan.26,1950
Where Or When [2:50]
There Will Never Be Another You* [2:28]
ディスコグラフィ的にはこの《ムーングロウ》を最後にウェスの姿をみることができなくなる。
その後のハンプトン楽団が演っている〈バーミンガム・バウンス〉や〈ピンク・シャンペン〉を聴
くかぎりあまり特筆するものはないが、ハンプトンのバンド・スタイルが変わろうとする前の総決
算としてみることができる。
デッカからMGMへ移籍し、レコーディングされたごく一部の曲が注目すべきスタイルを示してい
る。
〈ゲーツ・ステップス・アウト〉や〈レディ・ビー・グッド〉は、その技術的向上へ至るテスト・
チューンとなっており、かなりモダン的要素を含むものだがバックのリズム陣がたまに崩れること
がある。
ソロ・プレイヤーのベニー・ベイリー、アイダリース・サレイマン、それにアル・グレイなどはそ
れに伴う実力を充分備えているが、結局まわりのプレイヤーがついてゆけなくなってしまう。
そこで〈レディ・ビー・グッド〉ではアルトとテナー、ペットとボーンを巧く交互に使い、メリハ
リのつけたブラス・ワークで締め括っているが、他の多くのサウンドはあまりにも似かよったマン
ネリズムを感じ繊細さに欠け、時には不快感さえ覚えることになる。
結果において、ウェスはハンプトン楽団に2年弱在団したが、長期ロードの疲れや単身赴任の生活
苦を理由に退団した。
しかし、彼はハンプトンにおける一番よい時期の貴重な体験をしたと同時に、タイミングよい潮時
でもあったといえよう。
|