ニュース速報 No.116(2014.6.21号)


'67年ニューポートのウェス
 Wes Montgomery / Live at Newport '67 アルバム名 : Wes Montgomery Live at Newport '67 アルバム番号: PARADOX 630930 リリース国 : EU リリース年月: 6/2014 メディア  : CD
2014年6月30日リリースと予告があったが、実際にはウェスの命日あたりで出回っていたよう である。 それにしても、毎回毎回リリース国について苦言を呈してきたが今回もただ "EU" とある。 ジャケットに使用している写真もありふれたものばかり、パクリと疑われても仕方ない装丁で ある。 おそらくオーストリアと思われ "パラドックス・レコード 630930" と、印刷されてある。 ブックレットが添付されており、そのライナーノーツにモンゴメリ・ブラザーズの紹介記事が あり「ギタリスト、ウェス/ピアニスト・ヴァイブラフォニスト、モンク/ベーシスト、バディ」 とお粗末な紹介である。 "モンゴメリ・ブラザーズ" バンドとしての結成は1960年2月で、62年4月に解散したがその 後もこのバンド名義での演奏は三兄弟が揃って出演した時に使われていた。 特にA&M時代になってからの67年からウェスが没するまで頻繁に出演した。 ただ、前面的にバンド名を名乗るということではなく、そのような気持ちで結成していたよう である。 この未発音源が当サイトのニュース速報、No.111(2013.1.1号) "大発見 !!" で報じた時、既に パーソネルの違いに気づいていたが、やはり訂正も修正もないままのリリースである。 WES MONTGOMERY LIVE AT NEWPORT '67 WES MONTGOMERY(g) BUDDY MONTGOMERY(p) MONK MONTGOMERY(b) GRADY TATE(dr) 14th. Newport Jazz Festival, Newport R.I.; July.3, 1967 01. Introduction by George Wein (0:39) 02. Naptown Blues (7:36) 03. Goin' Out of My Head (2:23) 04. Tequila (6:50) この録音データでは、冒頭のIntroductionでのMCは最後に「ウェス・モンゴメリとトリオ・・ ・凄いクウィンテット」と紹介していることから、クウォーテットではない事が分かる。 その証拠が4番目の〈テキーラ〉を聴けばコンガのソロが絡み5人であることが分かるはず、が、 誰も疑念を抱かなかったのだろうか。ただトリオとのMCはなんだったのだろう。 確かなパーソネルは次のとおりである。 Wes Montgomery(g) Buddy Montgomery(p) Monk Montgomery(b) Billy Hart(dr) Elvin Bunn(cga)                 14th. Newport Jazz Festival, Newport R.I.; July.3, 1967 Introduction by George Wein [0:39] Naptown Blues [7:36] Goin' Out of My Head [2:23] Tquila [6:50] 既にこの音源については、ニュース速報 "大発見 !!" で報じたとおりで、ネタ的にここで目新しい 記事はない。 この1967年のニューポート・ジャズフェスティヴァルでは、ウェスらの前日、7月2日に出演した ブッカー・アーヴイン・クウォーテットの音源が同じCDに挿入されたが、ジャズフェスは6月30日 から7月3日の4日間開催された。 初日の主な出演者は、カウント・ベイシー、ジョー・ウィリアムス、セロニアス・モンク、ディジ イ・ガレスピー、マックス・ローチ、MJQ・・。 2日目は、ディジイ・ガレスピー、ハービー・マン、ガボール・ザボ、バディ・リッチ、ゲイリー ・バートン、ラリー・コリエル、ニーナ・シモン、アール・ハインズ・・。 3日目は、面白い趣向があり "ヴァイブ・ワークショップ" という名目でミルト・ジャクソン、ゲ イリー・バートン、ライオネル・ハンプトン、レッド・ノーヴォ、ボビィ・ハッチャーソン、の競 演にビリー・テイラー・トリオが加わったのか、そして原信夫ひきいるシャープス・アンド・フラ ッツもこの日に出演している。 他にマイルス・デイヴィス・クウィンテット、マックス・ローチ・クウィンテット、ビル・エヴァ ンス・トリオ・・。 4日目にウェス・モンゴメリ・トリオとしての記録物がみられるが、ひょっとしたら今回の音源以 外にトリオでの演奏もあったのか・・どうか、それで前述のMCがそのように紹介したのだろうか。 この日はライオネル・ハンプトン・オーケストラも出演したが、ウェスはハンプトンと昔話を語り 合ったのだろうか。 「元気で演ってるかい、三兄弟揃って腕と人気をあげたな」・・なんて、イマジネーションばかり でエンジョイするのもファンならではのこと。 ウェスのフェスティヴァル出演の記録で、この後の1968年4月20日にカリフォルニアのバークレイ 大学で "U.C. Jazz Festival (University of California, Berkeley)" ではクウォーテットで参 加したという記録もあるが、果たして音源は存在するか。 (注: バークレイ大学は西海岸であり、東海岸にある音楽大学のバークリーと間違わぬよう)