アルバム名 : Lionel Hampton
アルバム番号: Milan Jazz MV015
リリース国 : France
リリース年月: 1992
メディア : VIDEO
ハンプトン時代のウェスについて新発見というものではなく、1992年に発表された映像ですが、いろ
いろと判明したことで内容を書き改めてみました。
Wendell Culley, Duke Garrette, Benny Bailey, Leo Shepherd, Walter Williams(tp) Al Grey,
Lester Bass, Jimmy Wormick, Benny Powell(tb) Johnny Board, Bobby Plater(as) John Sparro-
w, Billy Williams, Gene Morris(ts) Ben Kynard(bars) Lionel Hampton(vib.dr) Albert Ammons
(p) Wes Montgomery(g) Roy Johnson(b) Earl Walker(dr)
Including: William "Curley" Hamner(tap-dancing.dr), Sonny Parker, Lorene "Betty" Carter
(vo), Kitty Murray(comic dancer), little Lawrence and Lillian Williams (lindy-hoppers),
Joe Adams(disc jockey)
Fox Theatre, Detroit. MI.; Mar.11 to 17,1949
Air Mail Special [3:20] Milan Jazz MV015
Curley's Dance (tap dance: Hamner, disc jockey: Adams) [1:11] ー
Hamp's Gumbo (vo: Parker, Carter) [2:30] ー
Jay Bird (comic dance: Murray) [1:07] ー
Flying Home (as: Hampton, swing dance:lindy-hoppers) [3:10] ー
1992年フランスのSEPAMという出版社がVHSヴィデオでリリースしたものですが、著作はアメリカの
ユニバーサル・インターナショナルで歌とダンス、それに時事風刺劇などを組み合わせた《Name
Band Musical》という短編シリーズに、ライオネル・ハンプトン・オーケストラのレヴューをフィ
ーチャーしたものとなる。
まさに、ハンプトンの演奏スタイルそのものがショーとしてその多才ぶりを発揮していたことから
の起用のようにも感じる。
年代的には1949年3月12日にフィラデルフィア・トリビューン(The Philadelphia Tribune)という
アフリカ系アメリカ人の日刊紙に紹介された、とあることから映像もほぼこの頃と察する。
場所もペンシルバニア州の、もしかしてフィラデルフィアのどこかの小さな劇場かもしれない。
おそらく、ハンプトン一行のツアーの途中に立ち寄ったものでしょう。
短編ショーということで僅か15分足らずの映像ですが、簡単に内容を紹介します。
最初の〈エア・メール・スペシャル〉のテーマ部分では若干アレンジを施した見事なアンサンブル
を示すが、トロンボーン、アルト、テナーに続きウェスの16小節のソロ、映像で確認できる最古の
ものとなる。

Gibson "ES-300" P-90仕様 45-49年のモデルと思われる。べーシストはロイ・ジョンソン。
次はカリー・ハマーですが、名前にちなんだ〈カリーズ・ダンス〉では見事なタップダンスを披露
する。
カリーは1945年から58年までハンプトン楽団のドラマーとして在籍するが、ディスコグラフィ的に
は見かけなくて、才能あるショーマンとして53年のパリでもダンサーとして活躍していた。
演奏が終わるとドラムセットを持ち出し、カリー・ハマーとハンプトンはドラムバトルを始めた。
ハンプトンはカリーを抑えていつもの曲技打ちのパフォーマンスで拍手を誘い込んでいる。
ブルーズ曲〈ハンプス・ガンボ〉ではディスクジョッキーのジョー・アダムスが登場し曲目を紹介
した後、ソニー・パーカーのヴォーカルが始まり、途中よりベティ・カーターが加わる。
この曲はパーカーのレパートリー中、特に多く聴かれ、彼の18番と思われる。
4曲目の〈ジェイ・バード〉ではキティー・マレーのコミック・ダンスに、ハンプトンも一緒に踊
りだす愉快さ、本当に楽しそうです。
最後の〈フライング・ホーム〉ではサックスがステージに踊りだしソロを演じると、バンド席から
ステージにむけアルトが投げられると、受け取ったハンプトンがその多才ぶりを披露するなか、幼
い兄弟のスイング・ダンサー、リンディホッパーズのローレンスとリリアン・ウィリアムスのスイ
ング・ダンスでクライマックスを迎え、終演となる。
このステージ・ショーかYouTubeで観られる。
LIONEL HAMPTON & HIS ORCHESTRA (1949)
2019.4.追記
ハリウッドにあるユニバーサル・インターナショナルが1949年
当時作成したオリジナル・ポスター(104×69p)が見つかりまし
た。
ハンプトンはこの年、ミシガン州デトロイトにあるフォックス
劇場に3月/11日〜17日の一週間出演したという記事を
The Concert Databaseで見つけました。
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