ニュース速報 No.14(2000.5.20号)


本物はどれだ!!
beppo greenbeppo pinkbeppo blue-green
 A. beppo green    B. beppo pink     C. beppo blue

A. Special Broadcast Jam Sessions/Charlie Christian-Wes Montgomery/Beppo BE-KOG 14800 B. King Of The Guitar/Wes Montgomery/special broadcast jam session/Beppo BE-KOG 14800 C. King Of The Guitar/Wes Montgomery/special broadcast jam session/Beppo BE-KOG 14800 3種類のレコード、正式には上記のようにタイトル付けられている。 一般的に見られた《King Of The Guitar》の2種類のものに比べ、初めて見る左サイドのジャケ ットは偶然にも大阪の某中古レコード店で見つけた。 一瞬、自分の眼を疑ったが確かに挿入曲も同じであり、ボリス・ローズの私家盤である。 長〜い間ウェス・コレクションを続けてきたが、2000年5月13日本当に信じられない「未知との 遭遇」であった。 この信じられないプレスは、他の2種類に比べ違う点がある。 勿論、表面ジャケットのデザイン以外に、裏面には「Guitars of Greatness」として、E.S.Spoe という人物によるライナー・ノーツが記載されている。 ウェス、クリスチャンそれにテディ・バーン、ビリィ・バウアの説明がされている。 ジャケット3人目は恐らくそのテディ・バーンと思われる写真が載せられている。 いちばん気になるのは、リリース時期の問題である。私家盤とはいえ、一応オリジナルとしての 区分けが必要である。 これらのレコードは1970〜75年にリリースされているが、80年代に入っても挿入曲は同じで一見 ウェスのものとは全く関係のないイラストのようなジャケットも見うけられた。 オリジナルの定義として、先ず見分ける部分がレコードのセンター・ラベルの外側に存在するル ープになった送り溝のついたスペース部分の手彫りによる【レコード番号の刻印】である。 具体的に3枚のレコードを比較してみた。 A.beppo green : A面は【BE-KOG 14800 A】 B面は【BE-KOG 14800 B】 B.beppo pink : A面は【BE-KOG 14800 A】 B面は【BE-KOG 14800 B】 : A面は【BE-KOG 14800 A-2】 B面は【BE-KOG 14800 B-2】 C.beppo blue : A面は【BE-KOG 14800 A-2】 B面は【BE-KOG 14800 B-2】 【B.beppo pink】には2種類の刻印が存在したが、問題は赤字で記入した部分が"A"とは文字通 りA面で "1stプレス" を示し "A-1" と刻印されていることもある。 そして、 "A-2" と刻印されているのは正に "2ndプレス" ということである。 次に【B.beppo pink】【C.beppo blue】のジャケット右下に小さな縦書きが見られる。 これが何らかの謎めいた意味を含んでいる。 要は、「このアルバムはインディアナ州、インディアナポリスの "Kool Mastersounds"の兄弟関 係に置かれる。写真は "Kool Ray 2" によるもの。」と書かれてある。 ここでまた私の邪推が始まるが、【A. beppo green】は "1stプレス" としてボリス・ローズが リリースしたが、恐らく著作権のことでクレームがついたと思う。 そこで【B.beppo pink】を改めて、よく解らないが "Kool Mastersounds"という所と折り合いを 着け "1stプレス" として再リリースした。 完売したところで "2ndプレス" として、また【C.beppo blue】の "2ndプレス" としてリリー スされたと推測する。 普通、1回のプレスは千枚とされるがこのクレーム盤は完売以前に回収されたのでは、とも思わ れ日本にもほんの僅かしか輸入されなかった、と更に推測する。 ただ、私が "1stプレス" として感じるのは、他のプレスに比べジャケットの装丁がまぁまぁい いのである。 しかしながら、懸念することもある。レコード番号の【BEPPO-KOG 14800】のKOGは "2ndプ レス" のタイトルである《 King Of The Guitar 》の一部頭文字でもあった場合 "1stプレス" にはこのタイトル文字がどこにも見当たらない。 今後、ディスコグラフィでもこちらの【A. beppo green】のジャケットをオリジナルとしたいが この件で何か情報を持っておられる方は是非連絡して下さい。 追記 6月1日 邪推のことでもうひとつの見方なんですが、【A. beppo green】と【B.beppo pink】のレコード を聴き比べた結果、雲泥の差で【B.beppo pink】がよい。 この事から、クレームがついたのは内容が良いにも係わらず余りにも音質というか粗悪な品質で あったため、回収(したかどうかは不明だ)し、【B.beppo pink】としてリリースしたとも考えら れる。それにしても、私家盤でこれだけ色んなジャケットが存在するのも珍しく "売れた" とい う証でもある。 ちなみに、ボリスによる裏面にE.S.Spoeなる人物のライナーが記載されたレコードは他にも確認 できた。 "Chazzer" "Mopaque" などのレーベル。 ボリス盤のコレクターや識者に確認したところ、やはり初期のものはライナーが記載されたもの が多く、ジャケットのデザインもよく変えられていたという情報をいただいた。 時代別アルバム紹介の関連記事も変更しました。