衝撃のジャズ・ギター・ブック
 発行 :シンコーミュージックエンタテイメント 2007年1月19日
《jazz guitar book》は「総力特集/ウェス・モンゴメリの衝撃」として大いに興味ある内容
で刊行した。
表紙のグラビア印刷は1965年ウェスが渡欧先のロンドンで撮影されたものですが、やはり特集
を組む上で当事者で飾るというのは快いインパクト感がありますね。
読者としてはそれだけでも満足感を得られるという、何か得をした気持ちにさせられます。
ウェスがトップに飾られた書籍等は欧米を始め日本でも見受けられるが、生前に使われた例は
少なく知る限り、ロンドンに出版局を持つバンジョ・マンドリン・ギターの月刊総合誌
《B.M.G 1962/4》が最初で以下《Down Beat 1964/7》《MUSICA JAZZ 1965/spring》
《JAZZHOT 1965/5》《JAZZ MONTHLY 1965/5》《GIBSON GAZETTE 1965/summer》
《JAZZ 1966/11》《FRETTS 1967》《WES MONTGOMERY JAZZ GUITAR METHOD 1968》の9回
(詳細は本サイト内、ウェス関連書籍を参照)です。
意外にも本国のダウンビート誌はたったの一回、死後に使われたのが二回とは全くけしからん
事実である以上に創刊1947年という我が国最大の専門誌S社では皆無??(本誌の読者人気投票
では1961年から69年まで連続1位に輝きながら)ようやく近年になって二回というお粗末さで
ある。
現在は版権からみで使用料の高騰も理解できるが、今や誰しもが認めるジャズ・ギターの先君、
先見の目を働かせておけばもっとファンを喜ばせたに違いないと感じた。
創刊より12号目にしてやっとウェスが採り上げられた特集が「ウェス・モンゴメリの衝撃」、
遅すぎると思うが最近話題に挙がらなかった事でのヒットを狙ったにせよ、潤いの一冊である。
パット・マルチーノ、ラリー・コリエル、宮之上貴昭氏のインタビューや奏法の分析・解析な
ど読みどころ満載に加え驚きの記事があった。
高内春彦氏の「第11回 HARU流 ウェス・モンゴメリ養成ギブスを公開」の解説で、『エド・
サリバン・ショー』のTV出演したときのVTRでウェスを観たというのである。
《ゴーイング・アウト・オブ・マイ・ヘッド》でグラミー賞を獲得した頃と言うから、1966年
頃の事になる。
『エド・サリバン・ショー』は絶えず時の人気者が出演しており、他国のビートルズは当然な
がら、日本からも何人かの何グループかが出演しており、確かブルーコメッツが出演したVTRを
後年日本のTV局で放送したのを観たことがある。
当時からこの『エド・サリバン・ショー』にウェスは出演しなかったのだろうかと思っていた
が、やはり出演していた。
こうなれば発掘し易いですね、ひょっとしたらマニアの間で既に出回っているのかな。
それよりオフィシャルに働きかけて頂きたい願いである。
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