ニュース速報 No.84(2007.1.30号)


北ドイツ放送局

北ドイツ放送局(NDR : Norddeutscher Rundfunk)という名を聞いたのは1992年、イタリアのフ イロロジィより《Wes Montgomery Live In Europe/Philology(It)W 97-2》がリリースされた 頃だった。 当時、プライベート・テープの入手は米国より欧州に関心があり、まだe-mailが拡大普及して いなくて手紙でコンタクトしていたことを覚えている。 フイロロジィ盤の録音データにハンブルクと記載はあるものの何時何処でという疑問から、ド イツ人コレクターに尋ねてみたら「ハンブルクにある放送曲ならNDRですね」と返事があった。 しかも驚いたことに「NDRが1965年4月30日にスタジオ録音したウェスの演奏を1965年6月20日 にラジオ放送したエア・チェック・テープを持っている」というのである。 DATにダビングされた1時間44分52秒全17曲はMCも入り、聴き入るにタイムスリップを感じ得ず にはいられなかった。 それにしてもドイツで録音されたものがイタリアからリリースされるなんて、どうなっている のか。 コレクターから聞き出したNDRの住所に手紙を出したら「経緯は知らないが、録音データを贈る よ」と言われ届いた4枚に感謝しながら見入っても、当然イタリアが係わったことなど書かれ ているはずがない。

2005年秋頃アメリカのオークションでタイトル《NDR/JAZZ WORKSHOP 65》というLPが出品され ていたが、高額で落札されてしまった。ウェスが参加しているとあったので気になっていた。 ところが2006年4月に今度はヤフオクに出品されていたので確実に仕留めた。 紛れもなくNDRがプレスしたオリジナルである。このレコードは一般にはリリースされなくて 関係者やその年に出演したアーティスト等にクリスマスの贈り物として限定200枚プレスされ たようである。ウェスにも贈られたのかな?