Wes Montgomery(g) Melvin Rhyne(org) Jimmy Cobb(dr)
Plaza Sound Studios, N.Y.C.; Apr.22,1963
Besame Mucho (take 3) [6:28]
Dearly Beloved [4:49]
Days Of Wine And Roses [3:44]
The Trick Bag (take 2/5) [4:24]
Canadian Sunset [5:04]
Fride Pies (take 2) [6:44]
The Breeze And I [4:06]
For Heaven' Sake [4:39]
キープニュースは "モンゴメリ・ブラザーズ" 解散後、10カ月ぶりにNYでストリングス・セッ
ションを録ったが、どうやらその準備にかなりの時間を費やしていた。
そこで少ない時間を利用して、本アルバムが軽く息抜きのつもりでレコーディングされたが、旧友
メル・ラインとの気心の知れた進行にたったの5時間半で終了してしまった。
長い構想でのストリングス・アルバムより、周りの関心は専らこの息抜きトリオのレコーディング
に集中したため、1963年6月に本アルバムを先にリリースし≪フュージョン≫を年末まで遅らせる
ことにした。
1964年の思い出話でギタリストのスティー このアルバムの魅力は確かに写真家ジェーム
ブ・カーンは、「ウェスを初めて聴いたのは ス・ムーアによるナイス・ショットにもあり
17才のとき、私はロック・ドラマーを志して そういえば≪フル・ハウス≫の表ジャケット
いて南カリフォルニアのトップ・インストゥ のギターのアップ写真も彼によるもの( どち
ルメンタル・グループの "ザ・チャンタイズ らの写真もYシャツの袖口がダブルになって
" のリード・ギタリスト、ボブ・スピッカー いることから同時期、恐らく1962年に撮られ
ドがリハーサルの後で私を音楽部屋に連れて たもの) だが、選曲がとくによい。
いき、是非聴かせたいものがあるといった。 <ベサメ・ムーチョ>ラテンの名曲を初め、
その聴かせてくれたものの中に、ウェス・モ 当時の映画の主題曲であった<酒とバラの日
ンゴメリの≪ボス・ギター≫があった。 々>など、どちらかといえばポップス・ファ
私はジャケットを観たとたん、音楽よりもウ ンを狙ったかのようなリヴァーサイドでの隠
ェスと一緒に写っている彼の大きなギブソン れた名盤といえる。
L−5の形の美しさの方が印象に残った。 余談ではあるが、<ベサメ・ムーチョ>とい
外観というのは当時の私には大変重要であり えばこのウェスのプレイもさることながら、
、ウェスのプレイはただ速く頭上を通過して 私はグラント・グリーンの≪ラテン・ビット
いるように思えた。」と、≪グルーヴ・ブラ /Blue Note 4111≫でのあの熱〜いシングル
ザーズ/Milestone M-47051≫ のライナー・ ・トーンも愛聴盤となっている。
ノーツに記している。
|