Fusion!/Wes Montgomery With Strings/Riverside RM-472
アルバム名 : Fusion!/Wes Montgomery With Strings
アルバム番号: Riverside RM-472
リリース国 : U.S.A.
リリース年月: 12/1963
メディア  : LP


Wes Montgomery(g) With orchestra arr. & cond. by Jimmy Jones:
*add Phil Bodner(wowi) Gloria Agostini(hp) Gene Orloff, Harry Lookofsky, David Nadien, 
Winston Collymore, Mac Ceppos, Arnold Eidus, Leo Kruczek, Raoul Poliakin, Isadore Zir(v-
ln) Alfred Brown, Burt Fisch(vla) Charles McCracken, George Ricci(cel) Dick Hyman(p) Ke-
nny Burrell(g) Milt Hinton(b) Osie Johnson(dr) 
                                                Plaza Sound Studios, N.Y.C.; Apr.18,1963
          Pretty Blue (take 2)                   [3:38]                 
          In The Wee Small Hours Of The Morning* [2:49]                         
          The Girl Next Door (take 2)*           [3:06]                


add: Hank Jones(p.cele), omit: Dick Hyman(p)                     
                                                                              same dates
          All The Way*                           [2:36]                 
          God Bless The Child (take 4)           [3:16]                 
          My Romance*                            [2:28]                             
          Prelud To A Kiss (take 3)*             [3:05]                 


Wes Montgomery(g) With orchestra arr. & cond. by Jimmy Jones: 
Phil Bodner(wowi) Margaret Rose(hp) Gene Orloff, Harry Lookofsky, David Nadien, Winston 
Collymore, Mac Ceppos, Sam Rand, Sylvan Shulman, Paul Winter, Isadore Zir(vln) Ralph He-
rsh, Burt Fisch(vla) Lucien Schmit, Kermit Moore(cel) Dick Hyman(p) Kenny Burrell(g) Mi-
lt Hinton(b) Osie Johnson(dr)
                                                Plaza Sound Studios, N.Y.C.; Apr.19,1963
          Tune-Up (take 5)                       [3:12]                 
          Somewhere                              [3:26]                 
          Baubles, Bangles And Beads (take 4)    [2:19]                 

 
 ウェス後期の商業的成功は、ヴァーヴやA    このレコーディングでウェスはアレンジャー &Mにみられるようにバック陣にストリング    のジミー・ジョーンズに注文をつけた。 スやブラス等を配したものであった。       「シナトラとネルソン・リドルのようなサウ それらの成功のアイディアとなったアルバム    ンドにしたいんだ。」と、さらにキープニュ がこの≪フュージョン≫だったといっても過    ースの記憶によると「その結果、トラディシ 言ではない。                  ョナル・ポップと呼ばれている曲で、例えば 「フュージョンの定義を辞書でひいてみると    エリントン/ロジャース&ハート、”ウエス Blending(混合)、共に融けるとか合同などと    トサイド物語”の中の<サムホェア>のよう 訳すことができるが、それはこのアルバムが    な、当時最新のブロードウェイ・チューンが 驚くべきギタリストの才能と、それを芸術的    とりあげられた。 な手腕で最上級にブレンドするアレンジャー    だから私はクリード・テイラーのことをあれ の組合せがある。                これと批判する気はないが、このセッション これを表現するとしたら、例えば珍しい宝石    がウェスにとっての新しい創造への第1歩で が高価で暗いビロードの背景に対して暖かく    あり、彼の音楽的成功への序曲でもあったと 煌く宝石商のショーケースのようなものであ    いいたいね。」 るといえる。」とキープニュースはいう。                               
 メンバーのことについてもキープニュース    「そのことについてはハッキリと覚えている は「我々のレコーディングは計画どおりに進    よ。私は偉大なアーティストに見合う企画と んでいた。確かストリングス奏者はジミー・    予算を決めていたが、そのことをジャズ界の ジョーンズが連れて来たが、サイド・ギター    関係者にも知って欲しかったのだ。」と強調 として参加したケニー・バレルはウェスが直    した。 接交渉したようだし、ふたりのピアニスト、    レコーディングはA&Mのようにストリング ハンク・ジョーンズとディック・ハイマンは    スとウェスが別々に演るのではなく、同時に スケジュールの都合で入れ替わっていた。」    録ったのだという。                         これはその証拠にジャケット裏の写真で確認 キープニュースはレコーディングの合間、気    することができる。 分転換のためにロックフェラー・センターの    「我々はユニオンの規則どおり仕事を進めた 辺りを散歩していて偶然にもホレス・シルヴ    。3時間のレコーディングを3回演るとミュ ァに逢い、見学に訪れたホレスが豪華なメン    ージシャンに宣言し、1日目が2回、次の日 バーに感心していたという。           に仕上げの1回で終えた。」
 ここで≪モンゴメリ・ブラザーズ・アンド・    それにしても3時間のセッションを3回で ジョージ・シアリング≫の頁でも紹介したが、    録りあげたということは、キープニュース 10曲のレコーディングに対しおよそ24テイ    の手腕なのか、はたまたジミー・ジョーン クまで重ねたことにキープニュースは次のよう    ズのタクトさばきがよいのか、いずれにし に説明する。                   ても感心させられますね。 「譜面を中心としたプロジェクトを考えた場合    「スケジュールの都合からリハーサルなし 、ここに残されたおびただしいテイク数に驚く    の初見で、何度か音合わせしただけで素晴 人もいるだろうが、それには理由がある。      らしいテイクを重ねることができた。 ウェスはこうした制限のあるプレイの場合に起    少ない時間で録ることができたのもプレイ こりやすいミスを十分に承知していた。       ヤーの見事な腕前のおかげなんだ。」 だから同じ曲でも明らかに違った内容でプレイ    いいですね、名プロデューサー、キープニ するように心がけていた。」という。        ュースのあくまでもミュージシャンを讃え                          るこの精神、見習らわなくちゃ。