Wes Montgomery(g) With orchestra arr. & cond. by Jimmy Jones:
*add Phil Bodner(wowi) Gloria Agostini(hp) Gene Orloff, Harry Lookofsky, David Nadien,
Winston Collymore, Mac Ceppos, Arnold Eidus, Leo Kruczek, Raoul Poliakin, Isadore Zir(v-
ln) Alfred Brown, Burt Fisch(vla) Charles McCracken, George Ricci(cel) Dick Hyman(p) Ke-
nny Burrell(g) Milt Hinton(b) Osie Johnson(dr)
Plaza Sound Studios, N.Y.C.; Apr.18,1963
Pretty Blue (take 2) [3:38]
In The Wee Small Hours Of The Morning* [2:49]
The Girl Next Door (take 2)* [3:06]
add: Hank Jones(p.cele), omit: Dick Hyman(p)
same dates
All The Way* [2:36]
God Bless The Child (take 4) [3:16]
My Romance* [2:28]
Prelud To A Kiss (take 3)* [3:05]
Wes Montgomery(g) With orchestra arr. & cond. by Jimmy Jones:
Phil Bodner(wowi) Margaret Rose(hp) Gene Orloff, Harry Lookofsky, David Nadien, Winston
Collymore, Mac Ceppos, Sam Rand, Sylvan Shulman, Paul Winter, Isadore Zir(vln) Ralph He-
rsh, Burt Fisch(vla) Lucien Schmit, Kermit Moore(cel) Dick Hyman(p) Kenny Burrell(g) Mi-
lt Hinton(b) Osie Johnson(dr)
Plaza Sound Studios, N.Y.C.; Apr.19,1963
Tune-Up (take 5) [3:12]
Somewhere [3:26]
Baubles, Bangles And Beads (take 4) [2:19]
ウェス後期の商業的成功は、ヴァーヴやA このレコーディングでウェスはアレンジャー
&Mにみられるようにバック陣にストリング のジミー・ジョーンズに注文をつけた。
スやブラス等を配したものであった。 「シナトラとネルソン・リドルのようなサウ
それらの成功のアイディアとなったアルバム ンドにしたいんだ。」と、さらにキープニュ
がこの≪フュージョン≫だったといっても過 ースの記憶によると「その結果、トラディシ
言ではない。 ョナル・ポップと呼ばれている曲で、例えば
「フュージョンの定義を辞書でひいてみると エリントン/ロジャース&ハート、”ウエス
Blending(混合)、共に融けるとか合同などと トサイド物語”の中の<サムホェア>のよう
訳すことができるが、それはこのアルバムが な、当時最新のブロードウェイ・チューンが
驚くべきギタリストの才能と、それを芸術的 とりあげられた。
な手腕で最上級にブレンドするアレンジャー だから私はクリード・テイラーのことをあれ
の組合せがある。 これと批判する気はないが、このセッション
これを表現するとしたら、例えば珍しい宝石 がウェスにとっての新しい創造への第1歩で
が高価で暗いビロードの背景に対して暖かく あり、彼の音楽的成功への序曲でもあったと
煌く宝石商のショーケースのようなものであ いいたいね。」
るといえる。」とキープニュースはいう。
メンバーのことについてもキープニュース 「そのことについてはハッキリと覚えている
は「我々のレコーディングは計画どおりに進 よ。私は偉大なアーティストに見合う企画と
んでいた。確かストリングス奏者はジミー・ 予算を決めていたが、そのことをジャズ界の
ジョーンズが連れて来たが、サイド・ギター 関係者にも知って欲しかったのだ。」と強調
として参加したケニー・バレルはウェスが直 した。
接交渉したようだし、ふたりのピアニスト、 レコーディングはA&Mのようにストリング
ハンク・ジョーンズとディック・ハイマンは スとウェスが別々に演るのではなく、同時に
スケジュールの都合で入れ替わっていた。」 録ったのだという。
これはその証拠にジャケット裏の写真で確認
キープニュースはレコーディングの合間、気 することができる。
分転換のためにロックフェラー・センターの 「我々はユニオンの規則どおり仕事を進めた
辺りを散歩していて偶然にもホレス・シルヴ 。3時間のレコーディングを3回演るとミュ
ァに逢い、見学に訪れたホレスが豪華なメン ージシャンに宣言し、1日目が2回、次の日
バーに感心していたという。 に仕上げの1回で終えた。」
ここで≪モンゴメリ・ブラザーズ・アンド・ それにしても3時間のセッションを3回で
ジョージ・シアリング≫の頁でも紹介したが、 録りあげたということは、キープニュース
10曲のレコーディングに対しおよそ24テイ の手腕なのか、はたまたジミー・ジョーン
クまで重ねたことにキープニュースは次のよう ズのタクトさばきがよいのか、いずれにし
に説明する。 ても感心させられますね。
「譜面を中心としたプロジェクトを考えた場合 「スケジュールの都合からリハーサルなし
、ここに残されたおびただしいテイク数に驚く の初見で、何度か音合わせしただけで素晴
人もいるだろうが、それには理由がある。 らしいテイクを重ねることができた。
ウェスはこうした制限のあるプレイの場合に起 少ない時間で録ることができたのもプレイ
こりやすいミスを十分に承知していた。 ヤーの見事な腕前のおかげなんだ。」
だから同じ曲でも明らかに違った内容でプレイ いいですね、名プロデューサー、キープニ
するように心がけていた。」という。 ュースのあくまでもミュージシャンを讃え
るこの精神、見習らわなくちゃ。
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