Groove Yard/The Montgomery Brothers/Riverside RLP-362
アルバム名 : Groove Yard/The Montgomery Brothers
アルバム番号: Riverside RLP-362
リリース国 : U.S.A.
リリース年月: 1961
メディア  : LP


Wes Montgomery(g) Buddy Montgomery(p.vib) Monk Montgomery(b) Bobby Thomas(dr)
                                                 Plaza Sound Studios, N.Y.C.; Jan.3,1961
          Back To Back  Bock To Bock (take 3) [6:39]                   
          Groove Yard                         [2:58]                             
          If I Should Lose You (take 4)       [5:43]                   
          Just For Now                        [4:45]                             
          Heart Strings                       [4:31]                             
          Remember                            [5:34]                             
          Delirium                            [3:37]                             
          Doujie (take 6)                     [4:34]                             


 本アルバムは "モンゴメリ・ブラザーズ" 名義の第2作目にあたる。 ライナー・ノーツで、アイラ・ギトラーはウェスの<ハート・ストリングス>のプレイに対し面白 い評価をしている。 「ミルト・ジャクソン作の<ハート・ストリングス>は魂のこもったプレイだ。ウェスはここでは "Guitheart" (GuitarとHeartの合成語) を演っている。」 ほんとうですよ。そのつもりでもう一度聴いてみると、いい演奏ですね。素晴らしい。 それにキープニュースがこだわり通した<バック・トゥ・バック>、本当のタイトルは<ボック・ トゥ・ボック>というバディの曲なんですが、ボックとはパシフィク・レコドのリチャード・ボッ クのことなんです。それで「ライバルの名前の付いたタイトルが嫌だった。」という訳なんだそう ですが、のちに「ごめんよボック」と書いている。いずれもこころ暖まるお話でした。
 ウェスがシスコから "モンゴメリ・ブラザ    彼は見事なまでの "モンゴメリ・ブラザーズ ーズ" を一時離れ、ロスへ《ムーヴィン・ア    " への溶け込みようから、年が明けての1月 ロング》を録りに行っているあいだ、モンク    早々、本アルバムのレコーディングに採用さ はNYへのツアーを計画していた。        れた。 それは彼が "マスターサウンズ" として活動    このように、モンクは "サウンド" というも していたとき、西海岸を中心に演ったことで    のを非常に重視した。 東海岸では曲解されることが多かったことか    彼は "マスターサウンズ" 時代にエレキ・ベ らの経験であった。               ースを弾いていたが、新グループが結成され ウェスが戻った、1960年の10月中旬より11月    た時点でアコー・スティック・ベースに持ち 5日まで、(恐らく初めての東海岸と思われる    替え、パワーで押すだけでなく素晴らしい自 が) かの有名な "ハーフ・ノート" に出演し    然の "サウンド" を求めた。 一応の成功を収めた。( 訳注: このときの感    末弟のバディは、ビアノとヴァイブをこなし 想をアイラ・ギトラーは、「ウェスがNYに    たが、本アルバムでは終始ピアノに徹してい 着いたとき、私の聴覚欲はベルが鳴ったとき    たと思われていた。 のパブロフ犬よりも、もっと激しいものだっ    しかしここに面白い話しが残されていた。  た。」と語っている。) 解りますね、その気    《The Complete Riverside Recordings /Ri- 持ち。         verside 12RCD-4408-2》12枚組CDのライナ NYでモンクは様々なドラマーを使ったが、    ー・ノーツでオリン・キープニュースは次の ( 訳注: ということから、記録には残ってい    ように説明している。          ないが年内は他のクラブにも出演したと思わ れる。) メンバーを全員満足させたのがNJ        出身の若いボビィ・トーマスであった。
 「<ドゥジー>は最後からひとつ手前に録られたものがオリジナル・テイクであり、( 訳注: と キープニュースは切り出しているが、<テイク6>がオリジナルであることからふたつ手前になる 。) ここでウェスは完璧なオクターヴによりプレイしている。 しかし最後に録り直した<テイク8>は全く違うものとなった。<テイク6>に比べるとレイトバ ックしていないし、ソロはシングル・トーンで演られている。 なかでも明らかな違いは、バディがヴァイブに持ち替えての<テイク8>はモーターの故障からヴ ィブラートが利かず、サウンドは極めて硬いものとなった。 でもいい内容だったので消去せず保管していたことから、今回紹介することができた。」という。  このレコーディングは1日で終えたそうである。何故なら明日から好評を得てNYでの出演スケ ジュールが3ヶ月間びっしりと組まれていたから移動しなくてはならなかった。 先ず "ファイヴ・スポット" で15日まで、ここではアルトのジジ・グライスとも共演した記録があ り、続いて "ジャズ・ギャラリ" など転々と移動し、4月の初めにシスコの "レフト・バンク" に 戻ってきた。お疲れさまでした。