Cannonball Adderley And The Poll-Winners/Riverside RLP-355
アルバム名 : Cannonball Adderley And The Poll-Winners
アルバム番号: Riverside RLP-355
リリース国 : U.S.A.
リリース年月: 6/1961
メディア  : LP


Cannonball Adderley(as) Wes Montgomery(g) Victor Feldman(p.vib) Ray Brown(b) Louis Hayes
(dr)
                                                  Fugazi Hall, San Francisco;May 21,1960
          The Chant                 [6:34]                             
          Lolita                    [8:03]                                       
          Azule Serape              [6:26]                                       


same personnel:
                                                                  Los Angeles;Jun.5,1960
          Yours Is My Heart Alone   [6:02]                             
          Never Will I Marry        [8:30]                                       


same personnel:
                                                                  Los Angeles;Jun.6,1960
          Au Privave (take 2)       [4:49] [3:52]                      


キャノンボールとは、丸い砲弾という意味 そんな機関坊も彼はリヴァーサイドにおける だが、どうやらリヴァーサイドの機関坊だっ    "スカウト部長"でもあり、結局自分のコネか たようである。                 ら捜したようで、全国にかなり顔の利く連中 「今度のレコーディングにウェスとレイ・ブ    がいた。 ラウン、それにヴァイブを加えたいんだ。」    ウエスト・コーストに住む友達からの連絡で との彼からの要請に1960年5月、キープニュ    、ロスのスタジオに素晴らしいヴァイブとピ ースはシスコに向かった。            アノをこなすイギリス人を紹介してきた。 キャノンボールは自己のクゥインテットを組    「ヴィクター・フェルドマンっていうんだが んでいたが、ちょくちょく脱線し他のリズム    、ロスに長く住んでおりスケジュールが詰ま ・セクションとも演ったようである。       っていたにも関わらず、こちらの都合に合わ ウェスの熱心な支持者でもある彼は一方では    せ2日間シスコに来てくれることになったん 昔からレイ・ブラウンのファンでもあった。    だ。」 (本当は自分の都合にあわさせた、ご ウェスとブラウンをレコーディングに加える    り押しだったと思う。) のは容易いことだが、とキープニュースはい     うが「俺もあんたも聴いたことのないヴァイ ブィストを捜して欲しい。」とのキャノンボ     ールのわがままに頭を抱え込んでしまった。
 初日の5月20日はリハーサルに充てており    というのはこの年ダウンビート誌などの批評 キャノンボールは既にレコーディングの曲を    家投票で、キャノンボール、ウェス、レイの リスト・アップしていた。            3人はそれぞれの人気投票でナンバー・ワン 「ちょっと聴いて欲しいんです。」とフェル    に輝いたことで、"ポール・ウィナーズ" と ドマンはピアノの前に座ると自分の作曲した    しての競演を直感していた。 2曲を演ってみせた。              だがフェルドマンのことは予想外の展開であ 一同驚きりのあまりポッカリと口を開け、雷    ったが、レコーディングには絶えず気を遣っ に撃たれたかのように動かなかった。       ており、当時最高のスーパー・エンジニアと 「すばらしい !」、この若いイギリス人の全    称されるウオリー・ヘイダーを呼び連れ、地 く予想外のスウィンギーでファンキーなプレ    元の公会堂 (この町には本格的なスタジオが イにキャノンボールは惚れ込んでしまった。    かったことから、以前ジョン・ヘンドリック キープニュースはこのレコーディングでキャ    スとのレコーディングにも使った "Fugazi- ノンボールより要請をうけた時点で、少しの Hall" ) で3曲が録られた。 閃きを感じていた。
     キャノンボール 「気に入ったよ、あんたの曲。、録ることにした。」      フェルドマン  「え、本当ですか。それじゃ譜面を用意します。」      キャノンボール 「奴はいらねえよ。」      フェルドマン  「モンゴメリさんのこと? どうしてですか。」      ウェス     「先ほど聴いて覚えてしまったから。」      フェルドマン  「それは凄いですね、でも1回でてすか。」      キャノンボール 「奴の耳はテープレコーダーなんだ。」  こんな会話があったかどうかは別として、数週間後"キャノンボール・クウィンテット"は南カリ フォルニアで仕事をしていたため、再び機関坊がウェスやレイ等を呼びつけた。 キープニュースは既にNYへ帰っていたので、キャノンボールがアルバム制作のプロデューサも兼 ねながらウオリー・ヘイダーが仕事をしていたロスのスタジオで残りの曲を録り終えた。 (少し不思議なのは、このアルバムが1年後にリリースされたということ。何故?)