Cannonball Adderley(as) Wes Montgomery(g) Victor Feldman(p.vib) Ray Brown(b) Louis Hayes
(dr)
Los Angeles;Jun.5,1960
Au Privave (take 1) [4:24]
もうひとりのポールウィナー
もうひとりのポールウィナーといっても、 メンバーやプロデューサは〈テイク2〉が気
キャノンボールとしてはそれに匹敵するほど にいったということでアルバムに収録された
価値のある出会いということで、結局その事 が、当時は殆ど初回のテイクがとりあげられ
により最初、彼が考えていたよりもヴァイブ ていたというのが普通であったため、これは
の演奏を減らしピアノ譜を多くした。 たいへん興味深い比較となるであろう。
勿論、ヴィクター・フェルドマンの出現によ さらに興味深いといえば、キャノンボールの
り気が変わってしまったということである。 わがままである。
キャノンボールは浮かれていたようだが、こ というのは、このレコーディングが終わって
のことによりウェスはレコーディングで今ま 2ヶ月も経たないうち4人目のポールウィナ
でにない展開をみせた。 ース゛、ヴィクター・フェルドマンは "キャ
キープニュースは誉めている。「ウェスは最 ノンボール・クゥインテット" のレギュラー
高だった。彼は自発的にサイドに徹していた ・ピアニストの座に就いたことである。
し、自分のセッションで観せた凄まじいまで つい数ヶ月前、アル中のティモンズをくびに
のアピール感は控えていたように思う。しか した後、バリー・ハリスを迎えたと思ったら
も意識的にしたようだった。」 この始末である。
ここロスでのスタジオ録音は5月21日のシス いったいお前は、バック陣をどのようにした
コ録音も含め、総てワン・テイクで録りあげ いんだ、と言いたいね。全く。
どの曲も余分なテイクを録らないつもりであ
った。
このことは珍しくもない出来事であるが、終
了していたはずの6月6日になって恐らくキ
ャノンボールの考えで、チャーリー・パーカ
ー作曲の〈オゥ・プリヴァーヴ〉のアプロー
チ、およびテンポが気に入らなかったらしく
録りなおしをおこなった。
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