George Shearing(p) Wes Montgomery(g) Buddy Montgomery(vib) Monk Montgomery(b) Walter Pe-
akins(dr)
United Recording Studios, Los Angeles; Oct.9,1961
Love Walked In (take 1) [3:41]
Darn That Dream (take 1) [4:11]
add: Armando Peraza(cga.bgo) Ricardo Chimelis(cga.bgo.tim), omit: Walter Peakins(dr)
United Recording Studios, Los Angeles; Oct.10,1961
Mambo In Chimes (take 1) [4:05]
本CDは3曲の別テイクと11曲のオリジナルを含み、 ≪オリジナル・ジャズ・クラシックス≫の
シリーズ化のなかよりリリースされた貴重なアルバムである。
この項では<テイク>について考えてみたいと思う。<テイク>とはひらたく言えば<録り直し>
ということになるが、ライヴ・レコーディングとスタジオ・レコーディングとではミュージシャン
の気迫や周りの環境にもよるが、ゆとりのあるスタジオでは幾テイクも重ねられたようである。
キープニュースの方針に同じ曲、といってもブルーズは<2テイク>以上録らないとあったのです
が、本アルバムは11曲で<38テイク>の記録が残されている。
それではウェスのリヴァーサイド・レコーディングで特にテイク数の多いアルバムを列挙してみる
が、キープニュースの頭の痛さが感じられるようである。
アルバム名 | 収録曲数 | 総テイク数 |
ジョージ・シアリング・アンド・モンゴメリ・ブラザーズ | 11曲 | 38テイク |
バグス・ミーツ・ウェス | 7曲 | 37テイク |
ムーヴィン・アロング | 7曲 | 30テイク |
ポートレイト・オブ・ウェス | 6曲 | 25テイク |
フュージョン | 10曲 | 24テイク |
これはあくまでもアルバムとしてリリースされている<テイク>を数えたもので、実際にはそれ
以上重ねたものもある。
≪ポートレイト・オブ・ウェス≫はウェスがリヴァーサイド離籍後にリリースされたもので、同
日録音の≪ギター・オン・ザ・ゴー≫を同一セッションと考えても31テイクである。
ちなみにひとつの曲で最も多くのテイクを重ねたのは、本アルバムの<ラヴ・ウォークド・イン>
と<マンボ・イン・チャイムズ>の11回のテイクであるが、≪バグス・ミーツ・ウェス≫の<ジ
ングルズ>はテイク12まであったとキープニュースはいう。
やはりキープニュースがいうように短い曲だからこそ多くのテイクを重ねることが出来たのであろ
うが、恐らくジョージ・シアリングの久々の本格的ジャズ・アルバムという緊張感から、録り直し
を余儀なくされたといっても過言ではない。
その証拠に≪コンプリート・リヴァーサイド・レコーディング≫の12枚組CDでは別テイクが1曲
も紹介されていない。つまり、中途半端に止めてしまったものやら、出足から間違ったものやらで
とうてい聴ける内容のものではなかったと思われる。
ここにキープニュースがいう、「今までのレコーディングで最も納得のいかないアルバムになるだ
ろう。」とビル・グラウアに報告した意味が解かる。
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