Wes Montgomery/Belgium 1965/Vestapol-13084
アルバム名 : Wes Montgomery/Belgium 1965
アルバム番号: Vestapol-13084
リリース国 : U.S.A.
リリース年月: 11/1998
メディア  : VIDEO


Wes Montgomery(g) Harold Mabern(p) Arthur Harper(b) Jimmy Lovelace(dr)
                   TV'Cast, "JAZZ PRISMA", Universal Studio, Brussels, Belgium; Apr.4,1965
          Impressions                                   [3:30]            
          Twisted Blues                                 [5:25]                     
          There's That Rainy Day  Here's That Rainy Day [7:10]                     
          Jingles                                       [3:56]                     
          The Boy Next Door  The Girl Next Door         [3:50]                      


 さて、ウェス・モンゴメリを語る上で【ヨーロッパ・ツアー】ほどミステリアスでインタレスティ ングな出来事も他に類をみない。 先に弁明しておくがアメリカのジャーナリストはウェスの渡欧についてはさほど興味を示さなかった ことから、記事となって出版されたものが皆無に近い。 そのため彼の偉業を探究するうえで大きな障壁となっている。ということはその全容が明らかでない、 結局は中途半端な紹介しかできないということである。 ただ残された希望に、当地つまり訪問した先々のヨーロッパ各国ではウェスは大いなる歓迎を受けた ため、近年未発表のTV出演のビデオが発掘されたり、専門雑誌に彼の行動が幾分か紹介されたもの が残されていた。 それらの記事を取りまとめて紹介するが、勿論今後発見した記事や音源が発掘されればその都度取り 上げる事にする。                       (この段階での記事は1999年8月現在調査と記す。)  次の一節は本アルバムの国内盤、バップよりリリースされた《ウェス・モンゴメリ・アット・ジャ ズ・プリスマ ’65》よりウェスが【ヨーロッパ・ツアー】を決心させた件の一部を紹介する。 『1965年2月頃、再度ウェスに渡欧の話が持ちあがった。企画したのはジョージ・シアリング、キャ ノン・ボールを中心にモンゴメリ兄弟など多くのミュージシャンのマネージメントをしていた、有能 で行動派といわれたジョン・レヴィであった。 というのはこの話1962年にモンゴメリ・ブラザーズのときにもあったが3人共だいの飛行機嫌いから 成立しなかった。 「ヨーロッパの多くのファンから再び君への熱いラヴ・コールがあるんだ。」とのレヴィの説得にウ ェスはとうとう折れてしまった。 メンバーはメルとのギター・トリオを解散した後の64年11月上旬、デトロイトの "ドローム・バー" でお披露目のニュー・クウォーテットは当時 "ハーフ・ノート" に出演していたハロルド・メイバー ン、アーサー・ハーパー、それにジミー・ラヴレイスらがサポートすることに決まった。 3月中旬、出発の日が近づくにつれウェスの不安は頂点に達していてたようで、その複雑な胸中をオ リン・キープニュースに明かしている。「ウェスは飛行機に乗るのをたいへん恐れていた。 絶対に必要であれば短時間なら乗りはしたがそれでもかなり不安がっていたようで、初めてヨーロッ パの話があったときも彼は船で海を渡るならまだしもといい、最後には誰かが車で行ける方法を教え てくれれば行くよ。」と執拗にまで食下がったという。 出発した日は定かではないがやっとのことでウェスは生涯最初で最後のヨーロッパ・ツアー、イギリ ス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、スペイン、そしてスイスなど8カ国へ重い 足取りをタラップに乗せた。』 そこでウェスの訪問国追跡調査を列記する。 3月20日: 【イタリア】第10回サン・レモ・ジャズ・フェスティヴァルに出演。 3月??日: 【ス イ ス】ルガノのどこかにも出演しているが詳細不明。 3月??日: 【スペイン】マドリードのどこかにも出演しているが詳細不明。 3月25日: 【イギリス】ロンドンにて、BBC-TV番組"JAZZ 625"のスタジオ・ライヴに出演。 3月27日: 【フランス】パリにて、シャンゼリゼ劇場でJ・グリフィンを迎えてコンサート。 4月2日: 【オランダ】ヒルヴァーサムにて、オランダのミュージシャンとTV録画撮り。 4月2日: 【オランダ】ヒルヴァーサムにて、ヴァーラ・ラジオでクラーク・テリーと出演。 4月3日: 【オランダ】ロッテルダムにて、クラブ "B−14" に出演。 4月4日: 【ベルギー】ブリュッセルにて、TV番組"ジャズ・プリスマ"に出演。 4月5日: 【イギリス】24日まで、再びロンドンにて、 "ロニー・スコット・クラブ" に出演。  4月25日: 【ド イ ツ】30日まで滞在、ハンブルグにて、NDRラジオの "ジャズ・ワークショッ              プ"等に出演。 5月1日: 【イギリス】7日まで、ロンドンにて、 "ロニー・スコット・クラブ" 等への最終出              演。 5月7日: 【イギリス】ABC-TV番組 "テンポ" に出演。 ただ、【スイス】と【スペイン】は全く足跡の確認ができないため、もしかしたら記述ミスの可能性 もある。 前述はこれぐらいにしておき、先ずは本アルバムであるが、ヴェスタポルから1998年11月にアメリカ よりリリースされ、東京のディスクユニオン新宿、渋谷店あたりでリリースされているとの情報を掴 み早速友人を介して購入したが、実はそれ以前の1年ほど前、ビデオ・コレクターより入手、一足先 に拝見していた。 このプライベート・テープではウェスのプレイの前段にアナウンサーが彼のリヴァーサイド・レコー ドを中心に紹介しているシーンが含まれ、且つオリジナル・リリースでは観られないセッテイング・ シーンやリハーサル・シーンもちらちらと映しだされている。 ブリュッセルには、【BRTN】と【RADIO-TELEVISION BELGE】という2つのステーションがありTV収 録されたのはどちらかとは思うが、最後に【ユニヴァーサル・スタジオ】とテロップされるところが また混迷を招いている。 収録月日については2007/9/4、カナダのReelin' in the YearsからリリースのDVD《Wes Montgomery Live in '65》に"ベルギー録画"が収録され、そのデータによると4月4日との記載が有った。 (収録月日に付いての修正 ; 恐らく3月21〜24日、或るいは3月28〜31日の間と思われ、4月を超え ないという事だけは後の日程や演奏メンバー等から推察できる・・と記載していたが、2007/9/18に 訂正した。)