Body And Soul/Wes Montgomery/RSJH JHAS 604
アルバム名 : Body And Soul/Wes Montgomery
アルバム番号: RSJH JHAS 604
リリース国 : ENGLAND
リリース年月: 5/1996
メディア  : CD


Wes Montgomery(g) Stan Tracey(p) Rick Laird(b) Ronnie Stephenson(dr)
                                       Live at "Ronnie Scott's Club", London; Apr.5,1965
          Sonny Boy                               [8:21]           
          Wes' Easy Blues  D-Natural Blues        [7:28] 

solo: Wes Montgomery(g)
                                       Live at "Ronnie Scott's Club", London; Apr.9,1965
          Solo Ballad In A Major  Mi Cosa        [4:04]

Wes Montgomery(g) Stan Tracey(p) Rick Laird(b) Ronnie Stephenson(dr)
                                       Live at "Ronnie Scott's Club", London; May 7,1965
          Gone With The Wind                     [12:17]           
          Broadway                               [12:41]                     
          (note: perhaps this title is mistaken.) 
          Body And Soul                          [10:21]                      
          I'll Remember April                    [10:17]                     
          Here's That Rainy Day                  [10:48]                     


 ウェスの訪欧に関して、やはりこの "ロニィ・スコット・ジャズ・クラブ" への出演が一番のハ イライトではなかろうか。 勿論記録メディアから比較されると"JAZZ 625" や "JAZZ PRISMA" といった映像には勝ち目が無く なるが、ウェス自身もインタヴューで答えているとおりここでの出演が特に印象深かったようだ。 本CDのライナー・ノーツで次のようなことが紹介されている。  「60年代のロンドンで活気に溢れていたのは、アビィ・ロードのポップ・ミュージック (訳注: 特にビートルズのことを指していると思う) やカーナビ通りのファッションだけではなかった。 ロンドンは西1ジェラルド通り39番地の地下 "ロニィ・スコット・ジャズ・クラブ" (訳注:因みに 現在は西1のフリス通り47番地の地上に移転している) ではアメリカの有名ジャズ・ミュージシャ ンの姿が見られた。 こんな興行はイギリスでもこのクラブが初めてであり、それは凄いことでもあった。というのはこ の国ではアメリカのミュージシャンが演奏するのはご法度だったからで、それを改正させやっと地 元の人達に優れたジャズ・メンと身近に触れる機会を設けたからである。 当時の "ロニィ・スコット・ジャズ・クラブ" は今よりもずっと狭く、聴衆の親近感と自由なムー ド溢れる打ち解けた雰囲気があった。 そしてそれが当時を反映したくつろいだジャズを生み出すのに一役買っていた。 そうした当時の演奏がジャズ・ジャーナリストでラジオのプレゼンテイタでもあるレス・トムキン スが所有するテープに収録されており、この度初めて "ロニィ・スコット" の "アーカイブ・シリ ーズ" としてリリースされたという訳である。」 "ロニィ・スコット" のことを多く述べる前に、先ずウェスの出演した記録が "メロディ・マーカ ー誌" に掲載されていたので見ていただきたい。 日程をみて解かると思うが、4月最後の1週間は西ドイツへのツアーに出かけていたことになる。 1965年ロンドン、ジェラード街39、Ronnie Scott's Jazz Clubにおけるウェス・モンゴメリの日程             melodymaker Clubs 1. メロディ・マーカー誌 1965年4月3日号 13頁    4月5日 (月曜日) 開演  2. メロディ・マーカー誌 1965年4月10日号 17頁   4月5日から4月10日まで公演中 3. メロディ・マーカー誌 1965年4月17日号 13頁 4月10日から4月17日まで公演中 4. メロディ・マーカー誌 1965年4月24日号 13頁 4月17日から4月24日まで公演中 5. メロディ・マーカー誌 1965年5月1日号 13頁   ウェス・モンゴメリとスタン・トレイシ・トリ オは5月1日、ドイツより帰還 6. メロディ・マーカー誌 1965年5月8日号 17頁 5月1日から5月7日まで公演中、最後のチャ ンスお見逃しなく

上の日程に基づいて、いつものようにレス・トムキンスに何回か手紙でコンタクトした結果をま とめてみた。 徳井 : あなたがリリースした8曲で〈Wes' Easy Blues〉と〈Solo Ballad In A Major〉は正式 ではないタイトル付けになっているのですが。 レス : 私の知る限り何か別のタイトルを持っている可能性があると思いながらも、分からなかっ たので曲のイメージに合うよう付けたものなのですが、君から正しい情報を戴き感謝して いるよ。 徳井 : "スコット・クラブ" の4週間分全て録音されたのですか。 レス : 全てではないが、4週分気持ちの通じ合った楽しいセッションからの選曲は、最後の晩の 最後のセットが最高に盛り上がり本当に感動したよ。     だからそのセットは全部録ることにした。またオープニングの晩は先を予見するような強 烈な興奮があったので、その中から2曲をCDの先頭に挿入し、トラック3は録音状態が 悪く申し訳ないがウェスの美しい無伴奏ソロという珍しいものだったのでどうしても収録 したかった。 徳井 : あなたが録音されたデータを戴きたいのですが、ディスコグラフィに掲載するつもりなん です。 レス : 君の熱意に勝てないね。じゃ特別に郵送するよ。 徳井 : 多くのウェス・ファンも興味あることです。感謝します。     今回リリースしたのは、あなたが言うように5月の出演が殆どなんですが、その他の出演 についても今後リリースの予定はあるのですか。 レス : オープン・リール10巻に収まっているが、全て録音の状態がいいとは限らなくてね。     それに馴染みの無い曲もありこれから他のミュージシャンのものも合わせ整理しなくては ならないと考えている。  徳井 : ウェスの曲で分からなければ是非私に尋ねていただきたいのですが。 レス : そうだね。今そのコピーは提供できないが再度リリースが決まれば必ず君に連絡するよ。 徳井 : CDの最後にウェスのインタヴューが紹介されているのですがこんなにも短いのですか。 レス : CDのライナー・ノーツにも書いたように〈ワーズ・フロム・ウェス〉は、何人かのギタ     リストを交えての90分間のディスカッションを収録したもので、クレッセンド誌にも紹介     されたものだよ。     談話・インタヴューは1965年4月11日の日曜日にジャック・デュアルテの自宅でおこなっ     たが、これもその全てのコピーを君に贈るよ。 徳井 : ありがとうございます。それでは "スコット・クラブ" の第2弾多くのウェス・ファンと     ともに期待しています。   1965年4月11日の日曜日といえば、同じロンドンでビートルズがNME(New Musical Exp)ポール ・ウィナーズ・コンサートに出演したという記録があるが、畑違いのレス・トムキンスは休日を返 上しディスカッションの録音のために出向き、本CDのライナー・ノーツで次のように締めくくっ ている。 「イギリスやアメリカのウェスを知っている人達が口を揃えて言うように、彼は実に好い奴だった ということから短いがウェスの言葉を収録することにした。 これは90分にわたるディスカッションの一部で何人かのギタリストが参加しており、その一人であ るアイク・アイザックスは1968年6月ウェスが他界したあとこう言っている。『ウェスの芸術性と パーソナリティは、永遠に忘れられることなく今日の世界のジャズ・ファンの心のなか深くに刻ま れるだろう。』と」。では次に興味ある〈ワーズ・フロム・ウェス〉を紹介する。