Straight No, Chaser/Wes Montgomery/徳間ジャパン 32JDB-136
アルバム名 : Straight No, Chaser/Wes Montgomery
アルバム番号: 徳間ジャパン 32JDB-136
リリース国 : JAPAN
リリース年月: 12/1987
メディア  : CD


Wes Montgomery(g) Clark Terry(tp.flh) Rob Franken(p) Ruud Jacobs(b) Han Bennink(dr)
                             B'Cast, Vara Radio Studio 7, Hilversum, Holland; Apr.2,1965
          The Theme                               [5:58]              Tokuma(J)32JDB-136
                     

 このアルバムにきて少し言い訳じみたことになるが、先ず私がディスコグラフィを編集する上で 最も重視していることは、正規なリリースにせよ私家盤にせよオリジナルとしてそのレコード番号 を提示している定義は【リリースされた年が最も早いもの】としている。 ここまで言うとお気付きのファンもいるかもしれないが、ならば前述のヴァーラ・ミュージックの CDが何故オリジナル扱いとされるのか、という疑問ですよね。 確かにヴァーラ・ミュージックのCDは1988年の1月、本アルバムは1987年の12月なんですが、こ の差というのは準備の段階で遅れただけということであり、定義の次候補としては正規に近いリリ ースであるか、ということなんです。つまり、ヴァーラ・ミュージックは正規リリースなんでね。 では前述の続きになりますが、以下に言い訳を説明します。  レコーディングはヴァーラ・ラジオ放送局のスタジオ・セブンを使って白熱の45分間、スタジオ ・ライヴとなった。 ポール・アケットは放送局側の要請に応え、リズム・セクションをオランダ人グループのピム・ヤ コブス(p)、ルード・ヤコブス(b)の兄弟に加え、ドラムスにはハン・ベニックを登用した。 恐らく大物2人を迎えて、地元でのアピールを考えての策略であるが、これがかえって功を奏して いると感じる。 ただ、セカンド・アルバムとして扱うが、この徳間ジャパン盤に挿入されたマイルスの曲〈ザ・シ ーム〉のピアニストはピム・ヤコブスからロブ・フランケンに替わっている。 ここでクラーク・テリィの経歴を少し述べておくが、彼は1948年から51年にかけてカウント・ベイ シィと、51年から60年まではデューク・エリントンでプレイし、クゥインシ・ジョーンズ・バンド にあたっては "フリー・アンド・イージィ・ミュージカル" におけるスター・プレイアーであり、 更にNYのNBCスタジオで指導的プレイアーのひとりという、正にオール・ラウンドなミュージ シャンであった。  ヴァーラ・ラジオ放送局はこの素晴らしい収録を【ジャズ・マガジン】という番組で4月28日、 11時10分にオン・エアした。 この事実が、本アルバムの徳間ジャパンよりリリースされた時点からどういう訳か誤った記載とな ってしまった。 徳間ジャパンのリリースにあたっては、ブラック・ライオンのアラン・ベッツが発掘してきたテー プを譲り受けたとされているが、録音データの違いに重大なミスを記してしまった。 @3人のリズム・セクションをパリ録音の《ソリチュード》と記している。 A〈リズム・ア・ニング〉いや〈オウパス・キャプリース〉を〈ウェス・ゴット・リズム〉と、全  く不用意な記載としている。 もうひとつ気になることがある。本アルバムには「テープ・ヒス・ノイズ、更にはマスタ・テープ の老巧化により発生するひずみ等」うんぬんが注意書きされていることである。 このことに関しては、オリジナル扱いとするヴァラ・ミュージックのCDには一切そのようなこと で聴いても感じられない。 下手に勘ぐるなら、アラン・ベッツが入手したとされるテープはヴァラ・ラジオ放送局がオン・エ アした、エア・チェックではないかと、いや疑えばきりがないが、そんなことよりも未発の〈テー マ〉を挿入したことに絶大なる賞賛を贈りたい。 最後に知らせておきたいことだか、本CDのリリース以後、1889年1月にLPが同社よりリリース されているが、何か逆のような感じもする。 でも、この時期ってLPからCDの変換時期でもあったのでたいへん貴重なLPといえる。