●Wynton Kelly(p) Wes Montgomery(g) Paul Chambers(b) Jimmy Cobb(dr)
B'Cast, "Half Note", N.Y.C.; Jun.25,1965
Surry With The Fringe On Top [5:20]
same personnel: plus unknown brass and woodwinds, arr. by Claus Ogerman
B'Cast, "Half Note", N.Y.C.; Jun.25,1965
Willow Weep For Me [7:42]
Portrait Of Jennie [2:45]
●Wynton Kelly(p) Wes Montgomery(g) Paul Chambers(b) Jimmy Cobb(dr)
B'Cast, "Half Note", N.Y.C.; Aug.13,1965
Four On Six [9:29]
same personnel: plus unknown brass and woodwinds, arr. by Claus Ogerman
B'Cast, "Half Note", N.Y.C.; Aug.13,1965
Oh! You Crazy Moon [5:27]
●Wynton Kelly(p) Wes Montgomery(g) Paul Chambers(b) Jimmy Cobb(dr)
B'Cast, "Half Note", N.Y.C.; Sep.17,1965
Impressions [5:01]
same personnel: plus unknown brass and woodwinds, arr. by Claus Ogerman
B'Cast, "Half Note", N.Y.C.; Sep.17,1965
Misty [6:45]
このアルバムのジャケットに使われている柳だけの写真をみていると単純というのか素朴といっ
ていいのか、当時リリースされたときからウェスの好演にもかかわらずケリィのソロがカットされ
たり必要でもないオーケストラを付加させていることに多くのファンより非難を浴びた。
そのせいかアルバム・タイトルのように柳も大きくしょんぼりと垂れ下っているという印象が強か
った。
長年このヴァーヴの編集に疑問を抱きながらも、何れ未編集のテープが発掘されるだろうと僅かな
期待を持ちつつも20数年が経ってやっとその謎が解明され【ジャズ批評90、ウェス・モンゴメリ】
に掲載された。実は私の記事なんですが改めて紹介します。
問題作《ウィロウ・ウィープ・フォー・ミー/ウェス・モンゴメリ》の真相
ウエスの死後、1969年1月ヴァーウよりリリースされた《ウィロウ・ウィープ・フォー・ミー/
Verve V6-8765》は、ニューヨーク市マンハッタンにあるジャス・ナイトリィ "ハーフ・ノート"
でのライヴであり、レコーディングは1965年ウイントン・ケリイ・トリオのレギュラー・メンバー
に3度ウェスがゲスト出演した内容のものである。
しかし、ヴァーヴは彼らの白熱したプレイに加え、ライヴ独特の雰囲気を十分に感じさせる圧巻に
も拘わらずマスター・テープに鋏をいれたり、クラウス・オガーマンのオーケストラをオーヴァー
・ダビングさせたことに多くのファンや評論家から【ヒンシュク】を買う結果となってしまった。
だが、そこにはウェスの死後も好調な売れ行きを示すCTI3部作の恩恵を授かううとしたヴァー
ヴ経営陣の思惑が隠されていた。
1969年6月号のジャズ・マンスリーで、B・プライスリーは本アルバムのレコード評について次
のように語っている。
「アーチストの死後、伴奏を加えるということが初めて行なわれたのは1935年のことだろう。その
頃ヴィク夕一は力ルーソ(イタリアのテノール歌手)の残した歌声に、あとから生のオーケストラを
加えたレコードを何枚か制作した。
勿論、ヴァーヴやリバティがウェス・モンゴメリのグループを3倍の規模に拡大した (或いはフラ
ンスのバークレィが、ジャンゴ・ラインハルトのラスト・セッションに何と5人のスタジオ・ギタ
リストをあとから加えた) のとは、ずいぶん意味合いが違う。
それよりむしろウェスの音楽を----とりわけ晩年がそうなのだが----つまらないものにしてしまっ
たやり方、即ちオーケストラ・バッキングをあらかじめ録音しておきそれを聴きながらウェスがあ
とから都合のいいときにメロデイ・ラインをタビングするという手法によく似ている。
ジェラルド・ウィルソンはリバティ盤《ポートレイト・オブ・ウェス/Liberty ST‐20137》で伴奏
を付加することによって、ソロを実際以上に解かりやすいものにし成功している。
それに対しクラウス・オガーマンはかなり抑えたやり方で、実際テンポの遅い曲での控え目な装飾
は1955年4月の欧州湊案旅行でのウェスを彷彿させるような42分半の (訳注: 勿論《ウィロウ・ウ
ィープ・フォー・ミー》のことであるが、この頃すでにB・プライスリーはヨーロッパでの何セッ
ションかのプライベート・テープを入手していたと思われる) 素晴らしいプレイをより素晴らしい
ものにしている訳ではなく、かといって悪くしている訳でもない。
それでも最近発売になったこれらのアルハムは、商業的にヒットしたCTIのものよりずっとまし
である。
それはリバティにしてもヴァーヴにしてもジャス臭さを弱めようとする必要があったからである。
〈フオー・オン・シックス〉は〈サマータイム〉をベースにしたウェスのオリジナルであり、コル
トレーンの〈インプレッシヨンズ〉ではウェスの最もエキサイティングなリフ・スタイルのソロを
聴くことができる。
このアルハムの欠点はトラックによってテープ・ヒスが目立つこと (それに大袈裟な拍手、たぶん
あとから加えられたものだろう) それにオーヴァータブされていないトラックに編集がなされてい
ることである。
私はなにもオーヴァータブがどうの、コーラスを削除したことをどうのというつもりはない。事実
こうした編集自体を非難する気は毛頭ないが、〈飾りのついた四輪馬車〉や〈フオー・オン・シッ
クス〉のピアノ・ソロをあんなにも露骨に力ットする必要があったのだろうか。
ことによるとこれらの曲でのウェスの最初のテーマがあまりにも素晴らしいため、エンディングで
もう一度使いたかったのだろうか。そしてアドリブにはいる手前でフェイド・アウトさせたのだろ
うか。
さらに〈フオー・オン・シックス〉のギター・ソロ中間での何とも聴き苦しいテープの接ぎは一体
何なのであうう。どうもこれは11〜12コーラスにわたる2つの別のテイクを接いだようである。
ウェスに関してパーカーの《バード・アット・セント二ックス》や《バード・オン・52th.St.》の
アルバムのようなスタイル(訳注: 不完全なソロは不完全なりに編集せすに出すということ)にまと
めるのが望ましいと思っている。しかし残念なことに〈ポートレイト・オブ・ジェ二一〉や〈オー
・ユー・クレイジ・ムーン〉においてもあとからヴィブラートを加えたようである。
8トラック・テープでやれることには全く驚いてしまう。」
B・プライスリーの疑問に答える前に、先ず《ウィロウ・ウィープ・フォー・ミー》のレコーディ
ング・データを明記する。
●Wynton Kelly(p) Paul Chambers(b) Jimmy Cobb(dr) *add Wes Montgomery(g)
B'Cast WABC-FM, "Half Note",; Jun. 25, 1965
Blues On Purpose unreleased
If You Could See Me Now Xanadu 198
Blues By Five (Another Blues) −
Willow Weep For Me * Verve V6-8765
Portrait Of Jennie * −
Surrey With The Fringe On Top * −
●Wynton Kelly(p) Paul Chambers(b) Jimmy Cobb(dr) *add Wes Montgomery(g)
B'Cast WABC-FM, "Half Note",; Aug. 13, 1965
Lady Be Good unreleased
If You Could See Me Now −
Four −
Oh! You Crazy Moon * Verve V6-8765
Four On Six * −
●Wynton Kelly(p) Paul Chambers(b) Jimmy Cobb(dr) *add Wes Montgomery(g)
B'Cast WABC-FM, "Half Note",; Sep. 17, 1965
Walkin' unreleased
My Ship −
When Lights Are Low −
Misty * Verve V6-8765
Impressions * −
West Coast Bluse * unreleased
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